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文春砲から1年、メンバー失った純烈が「紅白を目指す」と言えた理由
謝罪から始まり、感謝で終わる1年だった
まさに青天の霹靂ーー。初出場だった昨年の紅白歌合戦の直後、メンバー脱退を経験したムード歌謡グループ「純烈」。騒動によって「振り返られずにいた」という紅白の舞台を、再び踏んだ思いとは。28日に行われたリハーサルの後、メンバーが語ったのは、もう一度紅白を目指す葛藤でした。
28日、紅白歌合戦の会場・NHKホールのステージには、今年5月に発売した「純烈のハッピーバースデー」を歌いながら、ダンスを披露する純烈の姿がありました。
メンバーが「難しい」とうなるダンスは、最後のポーズを決めた後に思わず笑みがこぼれる場面も。リハーサルが終わると、コラボするDA PUMPのメンバーに深々と頭を下げ、はけていきました。
2年連続の紅白出場に対し、「戻ってきたという感じ」と話すのは、リーダーの酒井一圭さん。
「1月のメンバー脱退の騒動から、ここ(紅白)の記憶っていうのをあんまり思い返してなかった。味わう暇もなくスキャンダルっていう形だったので、まさに1年ぶりに思い出したね」
今年1月、純烈の当時メンバーだった友井雄亮さんが、同居していた女性に暴力をふるっていたなどと週刊文春が報じた問題で、グループを脱退し芸能界を引退しました。
酒井さんは、報道陣に対し「この中に週刊文春の人はいますか?」と笑いを誘いながらも、「報道のおかげで純烈の名がより有名になったけど、メンバーも失って、ファンのみんなにも家族にも心配をかけて」と複雑な思いを明かしました。
昨年の音合わせ後には、「リハーサルでも泣きそうだった」と言っていた純烈。念願の紅白でしたが、メンバーの脱退もあり、今年は諦めざるをえない状況にあったといいます。そんな時、励ましの声をかけてくれたのは、名だたる「先輩」たちでした。
「前川清さんや小林幸子さんとか、先輩たちが『いやいや、諦めることないよ、がんばれがんばれ』って言ってくださって、『いいのかな』という」
更に背中を押したのは、初めてコンサートで行った熊本や大分でのお客さんとの交流でした。ペンライトも持たない地元のおじいさんやおばあさんが、「うちの街に来てくれたからには」と応援に来てくれた姿を見て、「あれ、やっぱり目指さなきゃいかんのかな」と思い始めたといいます。
「ゴールデンウィークの時には、『もうこれは絶対僕らが下向いたらあかんことなんだ』って、『出るぞ』っていうのをちゃんと口にし始めました」
「内心ね、厳しいよなって思っていたけど」と吐露しましたが、コンサート中に出場が発表され、ファンとともに喜びを分かち合ったといいます。
酒井さんが、「やめた友井も心配していたでしょうし」と脱退した友井さんを気遣う場面も。「友井さんのせいで出られなかった」という結果にはしたくなかった思いもにじみます。
そんな不安も、ファンの方に支えられてきました。「毎日純烈の音楽聴きながらお仕事頑張っている方や、おばあちゃんおじいちゃんたちの、みんな応援がみんなの希望を消さなかった」
まさに山あり谷ありだった2019年、「今年の漢字」を聞かれると、小田井涼平さんは「謝」という字を上げました。
「謝罪から始まって、最後は感謝の『謝』に変わった」と言うと、メンバーも深くうなずきます。
改めて「感謝」を胸に、2回目の紅白に挑みます。
「令和最初の紅白が一生忘れられないものになるように、めちゃくちゃハッピーに歌えたらと思いますね」(酒井さん)
純烈にとって今年の紅白は「振り返られないもの」ではなく、ファンとともにつないできた「大切な思い出」になるはずです。
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