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エゴサーチは「自分探しの旅」一発屋芸人・髭男爵に人生相談してみた

笑いに変えて人生相談に答える髭男爵の山田ルイ53世さん=写真はいずれも瀬戸口翼撮影
笑いに変えて人生相談に答える髭男爵の山田ルイ53世さん=写真はいずれも瀬戸口翼撮影

目次

 一発屋芸人という立ち位置への恨みつらみを、自虐を交えて笑いに変える髭男爵・山田ルイ53世さん。その山田さんに人生相談をしたらどんな答えが返ってくるのか……。「会社の飲み会に行きたくない」という悩みには「行かなきゃいーじゃん」と一刀両断、エゴサーチは「自分探しの旅」という名言も。切れ味鋭い回答には、芸能界の酸いも甘いもかみしめたからこそ生まれる「前向きさ」がありました。

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満席になったイベント会場
満席になったイベント会場

会社の飲み会「行かなきゃいーじゃん(笑)」

 イベントは、withnewsで連載中のエッセイをまとめた『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)の発売を記念し、「世界一受けたくない人生相談」と題して開かれました。

山田ルイ53世『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)

 withnews編集部に集まった悩みに一つずつ答えてもらうというスタイルに、「百人組手みたいな感じでやるんですか。苦手だなあ(笑)。基本的に人の相談受けないタイプなのになあ(笑)」と、牽制球を投げる山田さん。自己啓発本に関する話題から相談は始まりました。主なやり取りを紹介します。

著書を紹介する山田さん
著書を紹介する山田さん
 相談
自己啓発本を読んでは、満足する週末を繰り返してますが、役立つ日が来ますか?

 

山田ルイ53世

来ません(笑)

百人組手だと、こういうシンプルな回答になってしまいますよ(笑)。そもそも自己啓発本ってどんなものなんですか?

 

奥山・withnews編集長

例えば、時間術とか……。そういう本ですね。

 

 

ああ、面倒くさい話をするやつですよね(笑)。悪いことではないので、週末に読んで気分が保たれるならいいんじゃないですか。

そういう意味では『一発屋芸人の不本意な日常』は、読んでいてどんよりすることもある「逆啓発本」ですから、「自己啓発本を読みすぎてやばいなあ」と思ったら読んでみてください。
集まった相談に答えていく山田さん
集まった相談に答えていく山田さん
 相談
会社の飲み会に行きたくない

 

 

行かなきゃいーじゃん(笑)

僕もよく誘われる機会はあったのですが、引きこもり気質で…。誘われても根気強く行かなければ誘われません。

長い年月続けた結果、僕を誘う人はもう誰もいません。

「YouTuberになりたい」彼氏には……

 相談
「YouTuberになりたい」とほざく彼氏を説得してください

 

 

その説得を、

1回目の配信にしたらいいじゃないですか。

ちなみに僕のYouTubeチャンネルの登録者数は四百数十人しかいないです。
 相談
会議のたび、周囲から「それやって何の意味があるの?」という目線で死にたくなります
相談「会議のたび、周囲から「それやって何の意味があるの?」という目線で死にたくなります」
相談「会議のたび、周囲から「それやって何の意味があるの?」という目線で死にたくなります」

 

 

よほどアイディアが悪かったんじゃないですか(笑)

もしかして、今日のイベントそのものがそうだったんじゃないでしょうね。そんなブーメラン嫌ですよ(笑)。会場のお客さんはどうですか?

 

会場

意見を言っても

「面倒くさいこというなあ」

という雰囲気になることがあるんですよね。

 

 

ああ、それは待てば良いです。

そういう組織は滅びるんで。
 相談
お風呂で今日の出来事を思い出し、恥ずかしくなって叫ぶのを、もうやめたいです

 

 

例えばどういうことなんですか?

 

会場

「もちろん」と言うつもりが

「もろちん」って言いました。

 

 

それは叫ばざるをえないよね。めちゃくちゃ恥ずかしいもん(笑)

ため込んじゃダメです。僕もたまにあります。

「やばい、やばい、やばい。このままじゃやばい」

って一人で叫んでます。

不安っていうのは人生のペースメーカーですからね。あれ、初めてそれらしいこと言いました?(笑)
相談「お風呂で今日の出来事を思い出し、恥ずかしくなって叫ぶのを、もうやめたいです」
相談「お風呂で今日の出来事を思い出し、恥ずかしくなって叫ぶのを、もうやめたいです」

エゴサーチは「自分探しの旅」

 相談
毎晩、エゴサーチが止まりません

 

 

エゴサーチは、訳せば

自分探しの旅

ですから。

楽しんでやったほうが良いと思います。

 

 

ただ、自傷的なところがあるんですよ。

先日、僕もテレビ出演した後にエゴサーチをしたら

「久しぶりにみたら面白かった」

「私は面白かったけどみんなどうかなあ」

という言葉が。ちょっと傷つけられてるんですよね。

不本意とは立ち向かうのではなく、

薄目で見る。そして逃げる。

それでいいんです。なんでエゴサーチも薄目でしてください。現実を直視しないでください。
会場に集まった人たちにも意見を聞く山田さん
会場に集まった人たちにも意見を聞く山田さん
 相談
上司のディスりメールを、「誤爆」しました。明日は休んだ方がよいですか?

 

 

これも、どういうメールを送ったかにもよりますよね。

 

 

例えば、一般論(笑)ですが。
上司に原稿のダメだしをされた時、

「お前の方が面白くない」

というメールを一斉送信してました。

 

 

それはもうダメでしょ。

その後どうしたんですか?

 

 

原稿より長文のメールでフォローと感謝をつづりました。

 

 

それは上司と対面して謝りましょう。メールはダメです。

「尊敬してます」とメールしても、

「うそつけっ」となりますからね。
奥山編集長に突っ込む山田さん
奥山編集長に突っ込む山田さん

カズレーザーには敬語

 相談
自分より年下なのに、ため口なってしまった関係は、もう直りませんか?

 

 

年齢どうこうを気にしてることに愕然としました。お笑いの世界は売れてるかどうかですからね。

僕は同じ事務所の後輩の

カズレーザーには敬語です。実力社会ですよ。
 相談
仕事のできない相棒と仲良くするコツはありますか?

 

 

友達だと思うことです。ビジネスパートナーとは思わない。

相方のひぐち君は、仕事ができないとは思いませんが、芸人に向いてないんです。

例えば、ハンカチをトンカチと間違える簡単なボケ。こんなの誰でもできるじゃないですか。

でも彼は僕がハンカチのことを言う前に、ボケ始めるんですよ。もう心理がわからない(笑)

でも友達だから腹が立たないんです。
会場からの質問に答える髭男爵の山田ルイ53世さん=写真はいずれも瀬戸口翼撮影
会場からの質問に答える髭男爵の山田ルイ53世さん=写真はいずれも瀬戸口翼撮影

嫉妬は余暇

 相談
後輩がどんどん出世して、死にたくなります

 

 

昔は僕も煮えたぎってましたが、でも40歳を超えると嫉妬は余暇の時間だと思うようになりました。

自分に集中するのが一番です。
「過去の成功体験だけでどこまで生きていけますか」。こんな相談も。
「過去の成功体験だけでどこまで生きていけますか」。こんな相談も。

不本意な日常「それなり」に楽しもう

 いかがでしたでしょうか? イベントでは、会場からの相談コーナーもありました。

 「最近寒くて……」という人に「温泉行ってください」とバッサリ答えたかと思えば、失敗体験との向き合い方を尋ねる質問には「向き合わなくていいと思います。美談化しようと思わなければ気にならない」とメッセージを送った山田さん。

 一発屋芸人ではなくても、私たちの日常は不本意の連続です。そんな日々の中でも、"それなり"に楽しむための考え方を山田さんは教えてくれました。ケーキがなければパンを食べれば良いのだ!


     ◇

『一発屋芸人の不本意な日常』の発売を記念して、3月6日(水)午後6時から、甲府市の朗月堂本店でサイン会が開かれる予定。詳しくはこちら(http://www.rogetsudo.co.jp/event/

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