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6冊並べて初めてわかる! 横溝正史短編集が話題に 編集者に聞いた
昨年12月から今年5月にかけて毎月1冊のペースで刊行された短編コレクションの表紙が、ネット上で注目を集めています。
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昨年12月から今年5月にかけて毎月1冊のペースで刊行された短編コレクションの表紙が、ネット上で注目を集めています。
『八つ墓村』『犬神家の一族』などで知られる作家・横溝正史。昨年12月から今年5月にかけて毎月1冊のペースで刊行された短編コレクションの表紙が、ネット上で注目を集めています。全6冊を並べると女性が横たわるイラストになる仕掛けが施されているのです。その狙いについて、担当編集者に話を聞きました。
今月6日にツイッター投稿された画像。写っているのは、書店で平積みされた「横溝正史ミステリ短篇コレクション」全6冊です。
1冊目の表紙には女性の髪、2冊目は顔、3冊目は腹部といった具合に描かれており、6冊を並べることで横たわった女性のイラストが完成する仕掛けになっています。
この投稿に対して、「全巻そろえたくなるデザイン」「平積みせざるを得ないから販売戦略としてはかなり計算高い」といったコメントが寄せられています。
昨年12月から今年5月にかけて毎月1冊のペースで刊行されたこの短編集。現在入手が難しくなっている初期作品などを集めたものです。
柏書房の担当編集者・村松剛さんは「作品数の関係で刊行前から6冊と決まっていたので、このような仕組みが実現できました」と話します。
編者は日下三蔵さん、デザイナーは芦澤泰偉さん、装画を担当したのは大竹彩名さん。横溝作品の持つ雰囲気を表現し、販売面でも思わずそろえたくなる装丁を意識したそうです。
コレクション性の高い仕上がりで、大型店やミステリー小説に力を入れている書店などでは毎月刊行される度に平積みで並べてくれたそうです。
「刊行中も『完結するとどんな絵柄になるんだろう』といった反響をいただいていましたが、ここまで話題になったのは初めてです」と村松さん。
「雑誌などの初出時の表現に戻すなど、ファンの方にもそうでない方にも楽しんでいただける内容になっています。装丁も含めて、そうしたこだわりが受け入れてもらえたのであれば嬉しいです」
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