話題
ホテル浴室にアヒルの先客? 気の利いたフロント対応に称賛相次ぐ
宿泊先のホテルのバスルームをのぞくと、マットの上にアヒルのおもちゃが……。
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宿泊先のホテルのバスルームをのぞくと、マットの上にアヒルのおもちゃが……。
【ネットの話題、ファクトチェック】
宿泊先のホテルのバスルームをのぞくと、マットの上にアヒルのおもちゃが。フロントに電話すると「毎日たくさん卵を産んでいるので連れて帰って大丈夫ですよ」と気の利いた言葉が返ってきた――。そんな体験談がツイッターで話題になっています。それほど評価の高くないユニットバスの満足度を少しでも上げようと、あるホテルグループが全浴室にアヒルを設置しているのです。企画の経緯について担当者に話を聞きました。
8月下旬、ホテルのバスタブにかけてあるマットの上に、おもちゃのアヒルが置かれた画像が投稿されました。
画像を投稿した宿泊客は、このアヒルを持ち帰ってもいいか、フロントに電話で問い合わせたそうです。すると、こんな言葉が返ってきたといいます。
「毎日親アヒルがたくさんたまごを産んでいるので大丈夫ですよ」
この投稿に対して、「こういう粋なことや返しが出来る方々は素晴らしい」「こういうサービスとユーモアがあるところならリピしたくなっちゃいます」「私が泊まったホテルにもあった」といったコメントが寄せられ、リツイートは8万6千、いいねは18万9千を超えています。
今回話題になったホテルは、東京ウエストホテルグループが展開する「立川アーバンホテル」(東京都立川市)です。
グループの各ホテルでは、全浴室にアヒルを置いているといいます。なぜ、このような取り組みが始まったのか? 運営会社であるタイレル(東京都府中市)の広報担当者に話を聞きました。
――アヒルを置き始めたきっかけは
「楽天やじゃらんなどの予約サイト内にお客様のコメントと評価があるのですが、当社だけでなく業界全体で浴室の評価が低いんです。やはり自宅の浴室と比較した場合、ホテルのユニットバスの評価が高い訳はなく、何か満足していただける方法はないか、と考えたのがきっかけです」
――どのホテルで実施していますか
「東京ウエストホテルグループの全14施設で、全ての浴室に設置しています。14施設の内訳は、12のビジネスホテル、マンスリーマンション『東京ウエスト21』、河口湖にある貸別荘『河口湖アーバンリゾートヴィラ』です」
――なぜアヒルだったのでしょうか
「事業部の会議の中で、社長が『お風呂にアヒルでも浮かべるか』と冗談ぽく発言したのをヒントに、ある支配人が考えました。ユニットバスの扉を開けると、アヒルがお出迎えしてくれるという仕掛けです」
――いつから実施しているんですか
「平成26年10月からです。今年の10月で3年になります」
――持ち帰ってもいいんですか
「特段の注意書きなどはありませんが、持ち帰っていただいても大丈夫です」
――「毎日、親アヒルがたくさんたまごを産んでいるので大丈夫ですよ」といった気の利いた回答は、いつものことですか
「残念ながら、今回対応してくれたスタッフのみですね。このスタッフは日々、お客様をお出迎えするにあたり、どのように会話をしようかを考え、住所や会社の情報なども頭に入れ、初めてお越しいただくお客様でも和んでいただけるよう、常に考えて対応しています。おそらく、こういう問い合わせがあったら、こう答えようと頭の中でシミュレーションしていたのだと思います」
――アヒルの大きさや形などは統一されているんですか
「当初は近隣のお店で購入していたため、種類が違ったり、アヒルが可愛くなかったり、売り切れになってしまったり、ということがありました。そこで、アメニティーを仕入れている業者に依頼し、同じ品を大量発注で仕入れています。あっ、毎日親アヒルがたくさんたまごを産んでいるので、多少の違いはあるとコメントした方が良かったでしょうか……」
――利用客からの反応は
「最初は、『アヒルなんて置いて』と不快に思われないか、忘れ物と勘違いされないか、といった心配があり、女性のお客様のお部屋にのみ設置し、その後にリピーターの男性のお客様のお部屋に入れてみようと計画していました。ところが、あるホテルがフライングして全室に設置した結果、アンケートで『ほんわかした』『安らいだ』といったコメントを男性のお客様からも多数いただきました。これで全ホテルでGOとなり、それから約3年、毎日同じようなお言葉を頂いています」
――他にも独自のサービスが?
「お部屋には、フロントスタッフ手書きのウェルカムカードや、季節の折り紙も設置しています。また、お正月やクリスマスなどの行事ごとに工夫してロビーに飾り付けをし、ささやかではありますが、バレンタインにはチョコを、勤労感謝の日には栄養ドリンクをプレゼントしています」
――話題になったことについては
「正直、驚きとありがたさが半分半分といった感じです。リツイートが増えるにつれ、話題がアヒルの設置になっているようですが、やはり、最初のスタッフの気の利いた言葉をクローズアップしてもらえるとうれしいです。『このホテルにして良かった』『また来たい』、そう思われるホテルをスタッフ全員で目指しています。今後も当ホテルグループを応援いただけるよう、よろしくお願いします」
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