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IT・科学

熊本地震、ツイッター駆使した熊本市長 顔が見えるメッセージに共感

「大西市長が首長のツイッターを進化させた」

熊本市の大西一史市長。写真は今年の年頭記者会見の様子
熊本市の大西一史市長。写真は今年の年頭記者会見の様子 出典: 朝日新聞

目次

 2016年4月の熊本地震。SNSでは、被害の状況を伝えたり、支援を呼びかけたりする投稿が次々と上がりました。その中で急速に拡散したのが、熊本市の大西一史市長のツイッターです。フォロワーの数は22日朝の時点で約5万8千に。旧知の間柄で、自身も大雪の際にツイッターを活用して注目を集めた、長野県佐久市の柳田清二市長に拡散の背景を読み解いてもらいました。

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地震への対応を発信し続ける大西一史・熊本市長のツイッター
地震への対応を発信し続ける大西一史・熊本市長のツイッター 出典:大西一史・熊本市長のツイッター

14日の地震後から連日ツイート

 大西市長は熊本県益城町で震度7の地震が発生して以降、ライフラインに関する情報などを連日ツイート。21日は、ボランティアの募集や断水の復旧情報などを投稿しています。ユーザーからは情報への感謝や市長の体調を気遣う声、市への要望や疑問など様々なコメントが寄せられています。

Yahoo!のリアルタイム検索でも大西市長のツイートが上位に
Yahoo!のリアルタイム検索でも大西市長のツイートが上位に

拡散に効果、三つのポイント

 「無機質になりがちな自治体の公式アカウントと違い、大西さんのツイッターは顔が見える。だから、フォロワーにも強いメッセージとして伝わっている」

 こう話す柳田市長は、大西市長とは旧知の間柄。柳田市長は地震後に大西市長と直接連絡を取り、17日には佐久市として支援物資を熊本市に発送しています。

 柳田市長も2014年2月に佐久市が記録的大雪に見舞われた際、ツイッターを使って除雪がされていない場所の情報を集め注目されました。大西市長のツイートついては、三つのポイントを挙げ、「段階的に活用を変えていて、それが拡散につながっている」と話します。


①普段からのフォロワー獲得、力を発揮

 柳田市長がまず挙げたのは、地震の前から大西市長がツイッターを積極的に使っていた点です。ドラムの演奏が趣味の大西市長は、邦楽・洋楽問わず毎朝「目覚めの曲」をツイートしていました。ツイッター上では昨秋ごろから、「音楽好きな市長」と話題になり、この時点で2万近いフォロワーを獲得していました。

 「音楽の趣味や行政の情報を織り交ぜ、大西さんは日常的にフォロワーの数を増やしていた。ツイッターは何か起きた時にやればいいというものではない。すでにいたフォロワー数の多さがより速く拡散させる下地になった」と柳田市長は話します。


②地震後の初投稿で姿勢を示した

 さらに柳田市長は、14日の地震後に大西市長が初めてツイートした内容に注目。「私は市役所におります。被災状況の確認と災害対策に全力をあげます」と記した文章を挙げ、「『災害対応に当たる』という市長としての姿勢を住民にしっかりと示している。自治体のツイッターでは伝えきれない部分だ」としています。


③行政が言いにくい部分も発信

 熊本市の状況を伝え続けている大西市長のツイッター。支援に関する電話が集中し、市職員の身動きが取れないことを伝えたツイートは約3万8千リツイートされました。この投稿についても柳田市長は「行政としては言いにくいことも伝えており、しかもそれがフォロワーに受け入れられている」と話します。

 また、市の情報を全て投稿するのではなく、市のサイトのリンクを貼るなどして、メリハリがついていることも柳田市長は指摘。「大西さんが首長のツイッターを進化させている」とまとめました。


長期化に向け、フォロワー側の理解も必要

 一連の地震はまだ収まる気配はなく、復興復旧に向けた動きも長期化が予想されます。最後に柳田市長は自身の経験も踏まえ、「大西さんもフォロワーからの意見を参考に次の指示を出している部分もあるはず。ただ、個別に対応できる量ではないので、フォロワー側がそれを理解しておく必要がある」と話しました。

多くの避難者であふれる熊本市役所1階のロビー=17日午前9時11分、熊本市、金子淳撮影
多くの避難者であふれる熊本市役所1階のロビー=17日午前9時11分、熊本市、金子淳撮影 出典: 朝日新聞

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