お金と仕事
洗濯機「ぼーっと眺める」 ニッチな需要、シャープが本気で開発?
まわる洗濯機を「ぼーっと眺める」の好きですか? シャープの公式ツイッターが、呼びかけたところ、多くの反響がありました。
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まわる洗濯機を「ぼーっと眺める」の好きですか? シャープの公式ツイッターが、呼びかけたところ、多くの反響がありました。
シャープの公式ツイッターアカウントさん(@SHARP_JP)が「洗濯機が回る様子をぼーっと見るのが好きな方、いらっしゃいませんかー」と呼びかけたところ、「洗濯機グルグル鑑賞大好き」「夜回すと見すぎて寝れなくなるくらい」など、反応が相次ぎました。そんな需要を見越してか、シャープの最新型はシースルー仕様。「ぼーっと見る」洗濯機は、新たなビジネスチャンスになるのか。シャープの担当者に聞きました。
すべてはここから始まった…と言っても過言ではない、シャープの公式アカウントさんのつぶやき。
フォロワーさんの中に、洗濯機が回る様子をぼーっと見るのが好きな方、いらっしゃいませんかー、いらっしゃいませんかー
— シャープ SHARP株式会社 (@SHARP_JP) 2015, 6月 1
このつぶやきに、「ある特性のあるひとたち」が反応しました。すかさず公式さんは……
上のふたがシースルーで内ふたもないから、タテ型なのに洗濯の様子を存分に堪能できるプラズマクラスター洗濯機、ついにできました。 pic.twitter.com/ScFpKngZyI
— シャープ SHARP株式会社 (@SHARP_JP) 2015, 6月 1
シャープが6月25日に発売した縦型洗濯乾燥機の新製品は、天板がガラストップのシースルー設計。公式サイトの説明文にも「内ふたがないから洗濯の様子も見える」とあります。
唐突ですが「動物占い」って流行りましたよね。私は「狼」でした。
動物占いが「狼」だった方! そこに書かれていたことに衝撃を受けませんでしたか? なぜわかったのかと。そう、「洗濯機が回っているのを見ているのが好き」。
世の中には一定数、存在するのです。ただ回っている洗濯機を見ているのが好きな層が。ぐるぐる、じゃぶじゃぶ。
しかし上司に話したところ全く理解してもらえませんでした。ちなみに私は「レコードプレーヤー」やパソコンのデフラグツール画面もじっと見るタイプです。同じ方いらっしゃいませんか?
まあ動物占いはさておき、公式アカウントさんのつぶやきには「なんで今までなかったの」「見てるの大好き」「録画機能付いてたら…」等々、熱い反応がありました。ご同輩!
@SHARP_JP グルグルしてるの見られるやつやー!
— juna (@juna4661) 2015, 6月 1
これ欲しい!洗濯機グルグル鑑賞大好き今までなかったのが不思議なくらいだ(*´o`*)ʖˋʖˋʖˋ~♡ https://t.co/SrG4FIdQBX
— wani non (@waninon) 2015, 6月 2
@SHARP_JP それに録画機能付いてたら僕みたいなコアな洗濯機ぐるぐるファンは買うかもしれません。笑
— あつくん (@atsushi2112) 2015, 6月 1
@SHARP_JP だいすき!夜回すと見すぎて寝れなくなるくらい(・ω・)ノ
— やーや (@pink_aiko_834) 2015, 6月 1
@SHARP_JP
一生洗濯機回るのを見ておきたいのでシャープに就職させてくれ、、
— ナンキー (@nanki27) 2015, 6月 1
この反応のよさに、公式アカウントさんもこうつぶやいています。
( ´-`).。oO(洗濯機まわるのをぼーっと眺めるの好きな方、予想以上に多くてビジネスチャンス感じてる)
— シャープ SHARP株式会社 (@SHARP_JP) 2015, 6月 1
洗濯機なら、ドラム式で前から見放題じゃないか…とお思いかもしれません。しかし幼い頃、二槽式の洗濯機を上からのぞいていたあの感覚はやはり縦型でないと。
そこで、洗濯の様子を確認させてもらうことにしました!
東京・芝浦にあるシャープさんの東京支社。「中身ぐるぐる」が見たいとはやる私に広報部のKさんはさらりと告げました。「はっきり見えるわけではありません」。
確かに、ガラストップの天板部分は透けていますが、薄く色と模様(?)がついています。
これ、むしろ見えにくくしてないですか…?
「そうですね。『丸見えだと困る』という声がありますので。来客が洗濯機の前を通った時、洗っているモノが見えるのはイヤですよね」
……!! 確かに。
広報部のKさんによると、「中が見える」というのは「洗濯槽が回っている=動いている」ことが確認できること。最近の洗濯機は静かなので、ちゃんと動いているのか確認したいという声もあるそうです。
ガラストップにしたのは、スケスケで中を丸見えにするためではなく、スタイリッシュなデザインで、かつお手入れがしやすいためだということです。内ふたがないので(シャープさん独自だそうです!)中の動きが見えるのです。
こうして、スケスケの天板からぐるぐる回る洗濯物をのぞき見したい という私の願望は泡と消えたのでした。
しかしそんな私の目に飛び込んだ別の洗濯機。ガラストップではありませんが、もしかしてこっちの洗濯機の方が中が見えませんか?
「そうですね。この機種も内ふたがないですし、確かにこちらの方が見えるかもしれません(笑)」
この機種(ES-TX950、同850)もガラストップの機種と同じく6月25日に発売されました。しかし昨年出たラインの後継機種ということで、特に広報していなかったそうです。
半円よりもやや大きめの透明なふた。とりあえずこちらの洗濯機の方がぐるぐるを堪能できそうです。でも以前から売られていたのですね。
お値段は、ガラストップのGX950、850が想定価格17万~16万円(税別)、半円が透明のTX950,850が想定価格15万~14万円(税別)となっています。ちなみにどちらも「洗濯乾燥機」です。
ハイアールは、6月にスケスケ洗濯機の試作品をお披露目しました。やはり「ぼーっと眺める」需要は、他社も感づいているようです。
横からも見たいひともいれば、上から見たいひともいる。すべてのニーズに応えるのは大変そうですが、そこは目の付けどころがシャープ。公式アカウントのつぶやきどおり進むなら、フタが完全シースルーでぐるぐる見放題の洗濯機や、「フタの形状が選べる」とか…。ニッチなようで、意外なビジネスチャンスととらえた製品が生まれてくるかもしれません。