• 本人かすむ高さのドレス　
• ドレスが動き出す　
• ラスボス幸子、ニコ動へ

　紅白歌合戦で毎回、ド派手な衣装で有名な水森かおりさんが、今年も、想像を上回るドレスを準備しています。12月30日にあったリハーサルでは「人間ドレス」を披露。紅白ド派手の系譜の意地を見せました。

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本人かすむ高さのドレス　

　水森さんは、リハーサルのステージには、純白のドレスで登場しましました。ドレスといっても、高さはステージの天井に届くほどのスケール。客席から、本人の姿はかすかに見えるだけです。

紅白歌合戦のド派手衣装路線の伝統をきっちり守った水森かおりさん＝国島貴志撮影

ドレスが動き出す　

　「島根恋旅」を熱唱する水森さんの衣装に変化が現れたのは、曲の中盤でした。ドレスが突然、動き出しました。スカートのひだに見えていたのは、かがんでいたダンサーだったのです。この「人間ドレス」には、会場からため息が漏れました。

紅白歌合戦のリハーサルで熱唱する水森かおりさん。スカートだと思っていたのは、実はダンサーだった＝国島貴志撮影

ドレスの色も早変わり

　さらに曲の終盤、純白だった衣装は深紅に早変わり。ステージ全体を使ったダイナミックな変化です。司会の有働由美子アナウンサーも、本番では「紅白歌合戦にこれほどふさわしい仕掛けはないですね」と言いたくなりそうな、そんなステージでした。

始まりは1991年

　紅白のド派手衣装路線の元祖は小林幸子さんです。1991年から始まったド派手路線。年々、その衣装はスケールアップしていき、2009年には「メガ幸子」と呼ばれる自分のロボットまで登場しました。

大がかりな舞台装置「メガ幸子」を従えた小林幸子＝２００９年１２月３１日、東京・渋谷のＮＨＫホール、東川哲也撮影 出典： 朝日新聞

1994年には、幸子・憲一の直接対決　

　一方、小林幸子さんのライバルとして、美川憲一さんの存在も見逃せません。1996年には、総額2億円の光ファイバーを使った衣装で、視聴者を驚かせました。1994年には初の直接対決も。歌合戦なのに小林幸子さんとは衣装で競うという、新たなストーリーを生み出しました。

紅白歌合戦で使われた小林幸子さんのドレス（後ろ）と美川憲一さんの冠＝2003年1月31日 出典： 朝日新聞

ラスボス幸子、ニコ動へ

　そんな美川憲一さんですが、2009年の出場を最後に紅白歌合戦から遠ざかっています。また、小林幸子さんは、2011年の出場以降、ネットに活動の場を移しつつあります。ニコニコ動画では、かつてのド派手な衣装からゲームの最後に出てくるボスキャラに例えられ、「ラスボス」というニックネームで通じるほどの存在感になっています。

ニコ動のイベントでＣＤ「さちさちにしてあげる♪」の即売会を行った歌手小林幸子 出典：小林幸子「ニコニコ本社」でＣＤ即売会 - 音楽ニュース : nikkansports.com

早朝から５時間待ちというファンの長蛇の列に「自分が一番驚いている」と笑顔。「さちさちに～」は、ボカロの人気キャラ「初音ミク」の代表曲「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」の替え歌。ニコニコ動画などインターネット上で絶賛されている。

小林幸子「ニコニコ本社」でＣＤ即売会 - 音楽ニュース : nikkansports.com

　小林幸子さん、美川憲一さんが紅白歌合戦にいない今、ド派手な衣装の継承者として存在感を増している水森かおりさん。「人間ドレス」で、その役目をきっちり果たしてくれました。