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高倉健さん、広末涼子さんに「あんぱん」 後輩俳優に見せた心配り
83歳で亡くなった高倉健さんは、後輩への心配りを忘れない人でした。広末涼子さんには、さりげなく「あんぱん」を差し入れたことも。木の実ナナさんには思わずかけた電話、慰問で訪れた刑務所で語ったこと。その言葉には、高倉健さん優しさがにじみ出ていました。
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83歳で亡くなった高倉健さんは、後輩への心配りを忘れない人でした。広末涼子さんには、さりげなく「あんぱん」を差し入れたことも。木の実ナナさんには思わずかけた電話、慰問で訪れた刑務所で語ったこと。その言葉には、高倉健さん優しさがにじみ出ていました。
83歳で亡くなった高倉健さんは、後輩への心配りを忘れない人でした。広末涼子さんには、さりげなく「あんぱん」を差し入れたことも。木の実ナナさんには思わずかけた電話、慰問で訪れた刑務所で語ったこと。その言葉には、高倉健さん優しさがにじみ出ていました。
映画「鉄道員(ぽっぽや)」では広末涼子さんと共演しました。広末さんは高倉健さんがあんぱんを差し入れしてくれた話を披露。「やさしくてあたたかい感じ。あんパンを差し入れていただきました。現場はピリピリした雰囲気もなく、楽しくやれました。健さんは普段でも(役柄の)乙松そのもので、全く違和感を感じさせないところがすごいと思いました」と語りました。
2012年1月、遺作となった「あなたへ」での取材時、高倉健さんは「役者をやめようと?」という質問にこう答えました。「ええ。いつまでも偉そうな顔をして高いギャラを取っているのは平等ではないな、と。僕は今、作品を選びながら出演できる。僕がいい役を取っちゃえば、若い人のチャンスを奪うことになりますからね」
高倉健さんは、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞の4度受賞しました。「第1回の『八甲田山』の時は東映を出たばかりでした。賞に縁のなかった自分が、それから立て続けに賞をいただいた。褒めてもらって、しかもギャラがどんどん上がる。何か違うんじゃないかと思ってね。でも、時々ね、ギャラより大事なものが出てくる」
山田洋次監督が木の実ナナさんを映画「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」に起用すると知った時、高倉健さんからは木の実ナナさんにこんな電話が来ました。「健さんは『ナナちゃん、山田組を断るな』と。ヤクザのことかと思った。山田監督のチームのことなのに。私、おっちょこちょいだから、何か間違えて出演をお断りしてしまってはと健さん、心配してくれたの」
埼玉県川越市の少年刑務所を慰問で訪れた時のこと。高倉健さんは、今まで自分が何度も演じてきた受刑者にこう語りかけました。「あなたたちの心の中に、だれか一人、あの人に褒められたいと思う人がいるでしょう。その人が喜んでくれるには何をすればいいのか、そのことを考えて、一日も早く更生してください」。受刑者たちの中には泣く者もいたそうです。
俳優の小林稔侍さんは、高校を卒業、新人俳優で東映に入社したときから、ずっと高倉さんについてきた後輩です。ごくたまに、こうこぼすことがありました。「稔侍、芝居がしんどいんじゃないんだ。この人間になっちゃうと、しんどいんだ。この役は、もう暗くて、嫌だ」