ネットの話題
昭和に大ブーム「ルービックキューブ」進化型で令和に人気再燃

ネットの話題
昭和に爆発的なブームを巻き起こした立体パズル「ルービックキューブ」。いま、再び人気を集めています。6面をそろえる遊び方だけでなく、さらに難易度の高いものや造形美を生かした新商品が相次いで生まれ、新しいファンを開拓し続けています。
今年発売され人気を集めているのが、「ルービックキューブピクセル」という商品です。
6面をそろえるのではなく、ピクセルで模様を作ることを目指します。面を飛び越えたデザインは、ルービックキューブ史上初だといいます。今夏、日本おもちゃ大賞ベーシック部門で大賞を受賞しました。
販売するメガハウスの担当者によると、通常のルービックキューブが6面の6色をそろえるのに対し、ルービックキューブピクセルは6面に配置された赤・青・黄・白の4色のカラーとドットの位置を変えながら模様を作ります。
商品についている「デザインシート」には、ルービックキューブピクセルで作ることができる様々な模様が4段階のレベル別に記載されています。
簡単なデザインから段階的にチャレンジすることができます。一方で、最難関の「ベリーハード」の模様は、担当者によると「ルービックキューブの達人でも苦戦するレベル」。オリジナルの模様を作ることもできます。
「通常のルービックキューブは、面ごとに色が分かれていて、その面をそろえていくという遊び方ですが、このキューブは面を飛び越えて、なおかつ模様を作るという遊び方になっています。新しい遊び方として斬新さを感じていただけると思います」と話します。
もともとルービックキューブは、1970年代にハンガリーのエルノー・ルービックさんが発明しました。
彫刻と建築学の教授だったルービックさんが、学生たちに3次元幾何学を説明するために木で作った立方体が始まりです。
1977年に「マジックキューブ」の名前で商品化され、1980年にルービックさんの名前を冠した現在の名称で世界展開されました。日本でも1980年に発売され、発売から8カ月で400万個以上が売れるブームを巻き起こしました。
再び脚光を浴びたのは2020年。コロナ禍の「巣ごもり需要」で人気が再燃しました。その人気が、いまも続いているといいます。
息の長い商品なので、第一次ブームのころ子どもだった人たちが50~60代になっています。
新商品を発売したメガハウスの担当者は「子どもたちだけでなく、親御さんにも、祖父母世代の方にも楽しんでいただいていると思います」と、3世代で楽しめる商品になっていると指摘します。
子どものころ、難しくて6面をそろえられず悔しい思いをした人が、大人になって「今ならできるかも」と再挑戦するケースも多いそうです。
ルービックキューブシリーズの累計出荷数は今年3月現在で1724万個に達しました。
またメガハウスは今年、通常商品としては史上最大のルービックキューブを発売しました。
「ルービックキューブバンク」という、ルービックキューブ型の貯金箱です。
通常のルービックキューブが各辺約57ミリなのに対し、ルービックキューブバンクは約100ミリ。貯金箱であると同時に、ルービックキューブとして回転させて色をそろえるパズル遊びもできます。
この商品も日本おもちゃ大賞バラエティ部門で優秀賞に輝きました。
ルービックキューブはその造形美から、インテリアとして部屋に置かれていることも多く、インテリア性に着目して商品化を思いついたといいます。
メガハウスによると、雑貨とルービックキューブを掛け合わせた商品は史上初だといいます。
500円玉を100枚入れることができ、5万円の貯金が可能です。緑の1面をそろえると中央部分のふたが取り外せ、そこからお金を取り出せるそうです。
ということは、「もしそろえられなかったら一生お金を取り出せないのか」と心配になりますが……。担当者は「攻略書がついているので、1面だけそろえるのはそれほど難しくはないと思いますので大丈夫だと思います」とのことでした。
メガハウスの担当者は、スマホ全盛時代だからこそ、あえてアナログなルービックキューブのおもしろさを感じてほしいと願っています。
「平面で遊ぶスマホも楽しいと思うのですが、実際に手を使って立体をいじったり、いろんなところから眺めたりして答えを探し出す、そういう面白さも感じてほしいと思っています」
1/5枚