中国研究者に愛された老舗書店、静かに閉店
閉店4日前の東豊書店。入り口から店の奥の奥まで、本がびっしり=今村優莉撮影
時代に取り残されたかのように、廃墟の様相を呈する代々木会館。6月末時点で東豊書店以外の店は残っていなかった=今村優莉撮影
2階から3階に続く踊り場に山積みにされていた書物。一見しただけではどんなジャンルのものか分からない=今村優莉撮影
お店に入る前から、「書棚」はもうある。2階から3階に続く踊り場に山積みにされた書物。閉店前だからではなく、普段からこうなのだと、常連が教えてくれた=今村優莉撮影
店のあらゆる空間に隙間なく積み上げられた本。東豊書店に通って40年近いという常連の一人は「いくら通っても、いまだに3分の1はまったく何の本か分からない」と話した=今村優莉撮影
廈門大学の李無未教授。「漢語音韻学のジャンルをここまで幅広く取りそろえた本屋は、大陸にも台湾にも香港にもない。ここが閉店したら、僕はどこに行けば良いのか分からないよ」と、大量に買い込んだ=今村優莉撮影
お客さんが「こんな本ありますか?」と聞くと、どんなに高く見えないところに積まれた本の山の中からでも、お目当ての本を取り出してくれる。どの本がどこにあるかは、店主のみぞ知る=今村優莉撮影
一見無造作に積み重なっているように見える本たちは、絶妙なバランスを保って並べられているのだ。ここまで来ると、芸術的だ=今村優莉撮影
店主・簡木桂さんがすわる机の上にも、本が高く積まれていた=今村優莉撮影
大学生だった頃から30年近く通っているという京都大の古勝隆一准教授(左)と店主・簡木桂さん=古勝隆一さん提供
筆者も、自身が集めている関心分野の資料となりそうな本を一気に買い込みました=今村優莉撮影
リクエストした文化大革命の本を取り出してくれる店主の簡木桂さん。一番高いところにあったので、脚立を使って自分で取ります、と申し出たら「あんたには無理だよ。危ないからあちらに行ってなさい」=今村優莉撮影
東豊書店の店主・簡木桂さん。多くの中国研究家たちに愛されていた=今村優莉撮影
今年8月に解体が決まった代々木会館。ショーケンこと萩原健一さんが出演した「傷だらけの天使」のロケも行われた=今村優莉撮影