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感動

5088作品の頂点に輝いた感動小説!?ラノベ作家が直球リポート!

提供:株式会社KADOKAWA アスキー・メディアワークス

目次

「電撃小説大賞」という、様々な人気ライトノベルを輩出した小説賞があることを、ご存じでしょうか?
今回取り上げるのは、その「大賞」を受賞した作品です。聞くところによると、「とにかく泣ける!」とのこと。

この空の上で、いつまでも君を待っている
著者:こがらし輪音
定価:659円(本体610円+税)
発売日:2018年02月24日
発行:株式会社KADOKAWA
レーベル:メディアワークス文庫
http://mwbunko.com/978-4-04-893625-5/

「電撃小説大賞」の受賞作は、『電撃文庫』や『メディアワークス文庫』から出版されますが、本作品は、一般文芸よりのレーベルである『メディアワークス文庫』から出版されます。
昨年、同じ大賞を受賞してメディアワークス文庫から出版された『君は月夜に光り輝く』は、現在25万部を超えるベストセラーになっているらしく…。
これは期待が高まる…!

…ということで。
はじめまして。ライトノベル作家(長らく新作出せてない)の鬼火あられと申します。
今回、泣ける作品に目がない私が、本作品についてフカボリすべく、著者のこがらし輪音先生に直球リポートしてきました。

大賞受賞までの道のりを聞いてみた

 

【鬼火あられ】

鬼火あられと申します。この度は大賞受賞おめでとうございます。
作家を目指して小説を書き始めてから、デビューまでにどれくらいかかりましたか?

 

【こがらし輪音】

2012年の冬に『富士見書房ファンタジア大賞』という別の新人賞に応募しまして、それが初めての作品でした。

 

【鬼火あられ】

最初の応募、富士見ファンタジアだったんですね。(僕のラノベが出たレーベルだ…)

 

【こがらし輪音】

電撃小説大賞は、受賞は絶対無理だと思ったので(笑)。毎回、応募数が多いですし。

前述の通りですが、今回の応募数は、5088作品もあったそうです。
その中の頂点って、改めてスゴい。

 

【鬼火あられ】

2012年が初めてってことは、デビューまでに5、6年かかったってことになるんですね。

 

【こがらし輪音】

そうですね。

 

【鬼火あられ】

実は取材前に、受賞作品の『この空の上で、いつまでも君を待っている』を読ませていただいたんですが、実力をビシビシ感じました。
下積み期間が長かったためなんでしょうかね。文章もすごく読みやすかったです。

作品のつくり方を聞いてみた

 

【鬼火あられ】

『この空』(勝手に略してみた)を読ませていただいて、終盤のどんでん返しが秀逸だなと思ったんですが、ああいったアイデア性のある話の構成って、どうやって作ったんですか?
最初に、緻密に練って練って、という感じですか?

 

【こがらし輪音】

私は書きながらのタイプですね。
プロット(物語の骨格作り)の時点では、エピローグまで構想ができてなかったんです。けれども書きながら話を思いついて、「これ書きたいな」って思って。

 

【鬼火あられ】

そうなんですね。いやぁ、エピローグではいい意味で裏切られました!

 

【鬼火あられ】

あ、あと、『この空』読ませていただいて驚きだったことの一つが、女性心理の描写がリアルすぎる!ということでした。男性著者なのに、どうしてこんなにも女性心理が理解できるんです?

 

【こがらし輪音】

お姉ちゃんが2人いたこともあって、女性を描くことにはもともと抵抗なかったっていうのがあります。あと、少女漫画も結構読んでました。
ただ、特に意識して女性を描こうというわけでもなかったです。男性と同じように書いたつもりで。

【鬼火あられ】

【鬼火あられ】

なるほどなるほど。
頑張って書いたというよりは、結果としてそういったものが書けた、という感じなんですかね。いや、作家として羨ましいですけどね。なんですかその才能。

 

【鬼火あられ】

ちなみにこの作品、主人公が女性で、少年と出会うお話じゃないですか。僕がこの作品を書くとしたら、性別逆にして主人公とヒロイン書いちゃいそうだなーって思ったんですけど、女性主人公にしたのは意図があったんですか?

 

【こがらし輪音】

元々、イラストのイメージから作ったんですが、それがガラクタの中に立つ少年の姿だったので。それで、語り部的なものを女性にした方がいいかなって。

 

【鬼火あられ】

ちなみに編集者から男女逆にして書き直せって言われたらどう思います?

 

【こがらし輪音】

1回書いてみて、でもたぶんやっぱり今の形に落ち着くかなと思います。(笑)
市塚美鈴:東屋のクラスメイト。将来になんの希望ももてないでいる。
市塚美鈴:
東屋のクラスメイト。将来になんの希望ももてないでいる。

著者の思いをフカボリしてみた

 

【鬼火あられ】

個人的に『この空』は、「夢」というものを正面から描き切った作品なんじゃないかと感じました。
こがらし輪音先生は、子供の頃に目指していた夢ってありました?

 

【こがらし輪音】

うーん…サッカー選手になりたかったんですよね。

 

【鬼火あられ】

あ…結果としては…サッカになったっていう。(笑)

 

【こがらし輪音】

(笑)

 

【鬼火あられ】

僕も昔、サッカー選手目指してたんですよね。結果、作家になったんですけど。いや、今は長らく新作出せてないんですけど。
『この空』の中で、「子供の頃の夢って、何でみんな忘れちゃうんだろうね」というセリフが印象的だったんですが、サッカー選手を目指していたことが、この作品につながっていたりしますか?

 

【こがらし輪音】

んー…何と言うか、ちょっとうまく言えないんですけど。
この作品に置き換えて話しますと、東屋(登場人物の少年)がそうなんですけど、子供の頃には、親は夢を応援してくれるんですけど、だんだん認めてくれなくなるって話で。その理由が、そんな夢を目指してもどうせ食べていけないしっていう。でも、じゃあその夢を目指さなかったその責任を、親が取ってくれるのかっていうと、そんなことはないと思うんですね。そういうことを、東屋に言わせたかったというのはあります。

 

【鬼火あられ】

読んでいて、ハッとさせられましたね。夢をいつの間にか忘れた大人に、ぜひ読んでもらいたい小説だと思います。
ちなみに著者的には、どんな人にこの本を読んでもらいたいですか?

 

【こがらし輪音】

中高生ですかね。
周りに馴染めないとか、社会にあんまり希望が持てないとか思ってる人たちに、読んで欲しいなと。
もちろん老若男女問わずいろんな人に読んで欲しいですが。
東屋智弘:小さな頃の約束を守るため、ある夢を追いかけている。高校2年生。
東屋智弘:
小さな頃の約束を守るため、ある夢を追いかけている。高校2年生。

作品づくりの「哲学」を聞いてみた

 

【鬼火あられ】

『この空』って、作品の随所に、心に刺さるセリフがありまして。好きなものの一つが、
“無限も永遠も、本来は存在しない。それは僕達が、単に終わりと果てを知らないだけだよ”
という。…こんなフレーズ、どうやって思いついたんですか?

 

【こがらし輪音】

んー…すらっと出てきた感じ、ですかね。その前のセリフに対応した言葉ではあるんですけど。

 

【鬼火あられ】

すごく哲学的なフレーズと言うか、普段から物事を深く考えていないと出てこないと思うんですよね。
作品を書くにあたって、自分の中の哲学みたいなものってあったりしますか。

 

【こがらし輪音】

できるだけ、最後には、登場人物たちが前向きになれるような話にしたいと思ってますね。ただ悲しいだけの終わり方にはしたくないです。
小説が終わっても、彼ら(登場人物たち)の人生は続いていくので。

 

【鬼火あられ】

幸せなラスト、ですね。『この空』は、読了感も素晴らしかったです。
ちなみに僕、作品終盤で、読みながらめちゃくちゃ泣いちゃいました。「泣き」は意識して書かれてはいないんですか。

 

【こがらし輪音】

そうですね。そんなに意識はしていないです。

 

【鬼火あられ】

今後、どんな作品を書いていきたいですか。

 

【こがらし輪音】

最終的には幸せになれるお話を描き続けたいです。

 

【鬼火あられ】

担当編集さんから、ここはバッドエンドで終わらせるべきだ!みたいな圧迫を感じることもあるかもしれませんが、今後も頑張ってください!
今日は色々お話しいただき、ありがとうございました!

取材後記

こがらし輪音先生の、「最後には、登場人物たちが前向きになれるような話にしたい」という言葉が印象的でした。
そして、取材後に『この空の上で、いつまでも君を待っている』の公式ページ(http://dengekitaisho.jp/special/24/konosora/)を覗いてみると、この作品を言い表すのにぴったりな言葉が、目に飛び込んできたのです。
それは、本作品に対する、とある人気作家さんからの推薦コメントでした。

幸せな涙を流したい人は、ぜひ読んでいただきたいと思います。
以上!鬼火あられでした。

この空の上で、いつまでも君を待っている
著者:こがらし輪音
定価:659円(本体610円+税)
発売日:2018年02月24日
発行:株式会社KADOKAWA
レーベル:メディアワークス文庫
http://mwbunko.com/978-4-04-893625-5/

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