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コラム

のんさんが凄く好きなバディもの 映画『あしたは最高のはじまり』

提供:KADOKAWA

絆の深い父娘二人の掛け合いを観ているのが幸せでした

 最初から最後まで、最高のあしたをはじめるためのポジティブなストーリー。そして物語は、ラストに向けてより切なくなる。とても素敵(すてき)な映画でした。
 南仏の海辺の町で観光客を乗せるヨットの仕事をしているが、仕事の時間を守らずに遊び呆(ほう)けている男サミュエル。ある朝、会ったことも覚えていない一人の女性が現れ、「あなたの子よ」と言って赤ちゃんを置いていく。慌ててロンドンまで追っていくが、母親は何処(どこ)かへ消えてしまった。言葉の通じない異国の地で助けてくれた男性ベルニーと、赤ちゃんを育てることになる。
 それまで気楽に自由に暮らしていたサミュエルが、段々と赤ちゃんに愛情を抱いていき、娘を中心にして生きていくようになるのが清々(すがすが)しくてかっこ良かったです。
 フランス語しか話せないサミュエルが、ロンドンでの生活を娘を頼りにしながら暮らしていて、なんだか可愛らしくて気持ちが良かったです。お父さんの喜ぶ気持ちや切なさが込み上げてくるシーンに、グッと心を持っていかれました。
PHOTO : Julien PANIÉ
PHOTO : Julien PANIÉ
 父娘の関係が美しくて、はちゃめちゃで、娘のグロリアも絶対的にお父さんを好いているのが感じられて、見ていてじんわりとうれしくなりました。
 突然二人に降ってくる現実にやりきれなくなるのだけど、絶対的な父娘の関係を信じられるので嫌な気持ちが湧いてこない。いい意味で安心していられる、前向きに現実を捉えられる、そんな映画でした。
 こういう絆の深いバディもののコメディーが凄(すご)く好きなので、二人の掛け合いを観ているのが幸せでした。でも、もう少し長く二人の生活を覗(のぞ)きたかった!
のん/女優、創作あーちすと。 1993年兵庫県生まれ。 アニメ映画『この世界の片隅に』で主役すずの声を担当。 同作は第90回キネマ旬報ベスト・テンの日本映画ベスト・テン1位、第71回毎日映画コンクールの日本映画優秀賞、第40回日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞など多数の賞を受賞。 写真集『のん、呉へ。 2泊3日の旅』、ムック『創作あーちすとNON』、音楽レーベル『KAIWA(RE)CORD』発足。のん公式ファンクラブ『NON KNOCK』開設。
詳しくはのん公式HPをご覧ください!

のん公式HP:https://nondesu.jp/
『あしたは最高のはじまり』
●監督/ユーゴ・ジェラン ●出演/オマール・シー、クレマンス・ポエジー、アントワーヌ・ベルトラン、グロリア・コルストンほか ●9/9(土)から角川シネマ有楽町、新宿ピカデリー、渋谷シネパレスほか全国ロードショー ●配給/KADOKAWA
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