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新米記者が発案した「コメ食べ比べ」企画 売り場に並ぶ輸入米の味は

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連日、コメの価格や備蓄米のニュースが飛び交っています。この春に新聞記者として働き始めた記者は、スーパーに並ぶ輸入米の味が気になりました。そこで同僚たちと、台湾米・アメリカ産のカルローズ米・国産コシヒカリ・備蓄米入りのブレンド米の4種を食べ比べ、銘柄を当ててみると――。(朝日新聞記者・相川智)
4月に入社した新米記者の私は、先輩の指導を受けながら原稿を書いています。
5月上旬から備蓄米の現状について取材を始め、やっとの思いで原稿をまとめかけた頃――。「備蓄米の入札条件緩和へ」「コメ価格18週ぶりに下落」のニュースが入ってきました。
情勢が目まぐるしく変化するなか、私の原稿の鮮度はすっかり落ちてしまっていました。
先輩と相談し、売れ行きが好調という輸入米を再取材することにしました。
売り場に並ぶ輸入米を前に、消費者はその味を知りたがっているはず……。そう考え、輸入米と国産米を食べ比べることにしました。
用意したのは、台湾米と、アメリカのカルローズ米、国産コシヒカリ、備蓄米入りのブレンド米の4種です。
実際に炊いて食べ、銘柄を当ててみました。
私は輸入米2種を当てましたが、先輩は「どれも同じで分からない」とすべて外しました。記者8人のうち2人が、輸入米を国産米だと間違いました。
かつて米不足でタイ米が大量輸入された時は、「口に合わない」との声があがったと聞きます。
しかし今回、輸入米を食べた感想は「普通においしい」でした。
粘り気や香りに多少の違いはあるが、違いを生かせば、普段の料理をもっとおいしく食べられることだってあるのではないでしょうか。専門家のそうした意見も加えて、食べ比べの結果を記事にして配信しました。
記事掲載後、自宅でコメを炊こうと米袋を手にした時、パッケージの文字を見て、思わず笑ってしまいました。
私が家で食べていたのは、アメリカ産と国産のブレンド米でした。全く気づいていませんでした。