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「ほぼ会費タダになる人も」chocoZAP好調の裏に〝独自制度〟

人気「コンビニジム」の会費が“ほぼタダ”になっている人がいると言うが……。※画像はイメージ
人気「コンビニジム」の会費が“ほぼタダ”になっている人がいると言うが……。※画像はイメージ 出典: Getty Images

目次

「コンビニジム」のchocoZAP事業が好調で、グループ全体としても業績が上向きのRIZAP。そんなchocoZAPでは急成長による課題も発生しています。その解消のために「フレンドリー会員」や「セルフメンテナンス会員」といった“独自制度”を導入し、中には「ほぼ会費タダ」になる人も。持続可能性のために打ち出す「共創モデル」の仕組みについて、同グループを取材しました。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
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急成長により課題も発生

2022年7月に事業をスタートして以来、約2年で会員数が120万人と国内トップに踊り出て、2024年11月時点で会員数130万人、店舗数も1700件と急速に拡大するchocoZAP(チョコザップ)。パーソナルトレーニング大手のRIZAP(ライザップ)がコンセプトを変えて運営しています。

「コンビニジム」をうたうchocoZAPは、基本的に24時間の無人営業で、月額2980円(税抜)。平均30~40坪程度の店舗にトレッドミル(ランニングマシン)やバイクなどの有酸素マシン、部位ごとに体を鍛える筋力トレーニングマシンなど約11種類を配備、トレーニングウェアや運動シューズ不要で私服で気軽に運動できることを強みにしています。

RIZAPグループの広報担当者は、事業が好調である理由については「chocoZAPがこれまでのフィットネスジムとは全く異なり、運動初心者をターゲットにし、初心者の方が通いやすいサービス設計にしたことが、多くのお客様に支持され、chocoZAPの成長につながっている」とみているということです。

そんなchocoZAPでは、急成長による課題も発生しています。入会はオンライン、入退館はQRコード、店舗セキュリティはAIカメラ、マシンの使い方やサポートはアプリで……と、徹底したDXによる無人化で低価格を実現しているため、“人がいないことで手が回らないこと”も多くありました。

会員からは運営に対してマシン故障時に迅速な対応ができていなかったり、清掃や備品の補充が行き届いていなかったりすることへの指摘があり、SNSではサービスへの不満の声も上がっていました。それを解消しながら、サービスを持続可能なものにするために、chocoZAPが打ち出したのが会員との「共創モデル」でした。
 

「ほぼ会費タダ」になる人も

導入されたのが「フレンドリー会員」と「セルフメンテナンス会員」という独自の制度です。これは、希望し、認定された会員側にマシンのメンテナンスや清掃など、運営の一部を担ってもらう、というもの。

フレンドリー会員では、清掃や備品の補充といった簡単な活動を行うことで、週1回(月4回)なら1000円、週2回(月8回)なら2000円、会費が割引になります。セルフメンテナンス会員では、不具合対応や修繕活動を行うことで、対応の難易度に応じて1回あたり500円から2000円までAmazonギフト券が贈呈されます。

同担当者によれば、2025年1月現在、フレンドリー会員は3万2620人、セルフメンテナンス会員は6332人が登録されているそう。もともと会費は3000円ほどであるため、中には「実質的に会費がほとんどかかっていない会員様もいらっしゃいます」ということでした。

コストを抑えたまま店舗を運営できるだけでなく、会員のモチベーションや利用率維持・向上にも働く制度として、フレンドリー会員を2022年10月に試験導入、セルフメンテナンス会員を23年8月に試験導入し、現在に至ります。

フレンドリー会員は男性42.5%・女性55.8%で女性の割合が高く、男女ともに40~50代が半数以上を占めています。セルフメンテナンス会員は男性59.3%・女性39.9%で男性の割合が高く、ともに7割以上が40代以上と、年齢層が比較的、高めであるそう。

フレンドリー会員とセルフメンテナンス会員、どちらも登録する50代の男性利用者に話を聞くと、子育て中でもあることから、元々は「家庭の支出を抑えるため」に登録。しかし現在は「ジムを利用するコミュニティの一員としての感覚が得られる」ために、一種の生きがいとして活動している、ということでした。

>>男性利用者が話す「会費ほぼタダ」ジム通いの実態 どれくらい得する?割引以外の「意外なメリット」も<<

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