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「いい天気になれなれ」〝177〟の天気予報サービス、3月末で終了に

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事件や事故に遭遇したら110番、救急や消防は119番、それでは「177」は……? 実は、「177」番に電話すると天気予報を教えてくれるのです。そんな天気予報サービスがこの3月末に終了します。取材しました。
NTT東日本とNTT西日本が提供する天気予報サービス「177」が、2025年3月末でサービスを終了することになりました。
このサービスは177に電話をかけるとその地域の天気予報を教えてくれるというもの。携帯電話からは市外局番のあとに「177」と押して電話をかけます。
先日、SNSでもサービス終了が話題になり、「学生時代は、時報と共に活用した」「行ったこともなかった遠くの市外局番+177にかけて聞いていたことがありました。肉声で録音してたと思うから、地域によってはちょっと『訛ってた』こともあったのがうれしかった」「父親と釣りに行くときに満潮干潮を聞くためにかけていた」といった、懐かしむコメントも見られました。
このサービスを使ったことがなかった記者ですが、初めて177にかけてみました。
「気象情報をお知らせします。現在、東京地方に乾燥注意報が出ています。東京地方の今夜は南東の風、晴れ、夜遅くは曇りでしょう。沿岸の海域の波の高さは50センチでしょう。明日は北の風のち南の風、曇り、ところにより朝から雨でしょう…」
その日の、電話をかけた地域のその時間帯の天気、風向、波の高さなどの情報が流れます。また、翌日の天気や風向、最低気温や最高気温、降水確率、満潮・干潮の時間なども教えてくれます。
詳しい気象情報がよくわかる良いサービスだと思いました。が、やはり普段の外出の際は、スマートフォンのアプリやインターネットでささっと調べてしまうことが多いと思います。
NTT東日本のホームページにも、「テレビの他スマートフォン、インターネット等の普及に伴い、気象情報の確認手段が多様化したことや、固定電話の利用が減少していることに伴い、利用数が大幅に減少しております。今後もこの傾向が継続する見込みであることから、この度、本サービスの提供を終了することに至りました」との記載がありました。
サービス終了を前に、NTT東日本に話を聞きました。
「177」のサービスが始まったのは1954年9月からとのこと。試行サービスを経て、1955年1月1日から本格的に開始されました。
「イイ(1) テンキニ ナレナレ(77)」という語呂合わせで「177」という番号になったそうです。
日本気象協会から提供される気象情報をもとにつくり、今は自動音声で流れていますが、1997年以前は担当者が録音再生装置へ吹き込み、流していたそうです。
また、一番初めに流れる「ピンポンパンポーン」というチャイムも、吹き込み担当者が手元に置いてある鉄琴を鳴らしていたといいます。
「177」が、最も使用されていたのはインターネットの普及前。固定電話の設置がピークだった頃と想定されるそう。
NTT東日本の担当者は「記録が残っていないため正確なピークは不明ですが、1988年ごろには年間3億件以上の利用がありました」と話します。
ただ、ネットの普及などにより、年間の利用はNTT東日本で約250万件、西日本で約306万件(2023年度)まで落ち込んでいたといいます。
天気予報サービス「177」は2025年3月31日の午後11時59分で、70年の歴史に幕を下ろします。担当者は「長い間、ご愛顧いただき誠にありがとうございました」と話しています。
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