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今年は2月2日が節分 豆やナッツ「5歳以下には食べさせない」理由

「少し早め」の節分に、子どもの命にかかわる注意喚起が……。
「少し早め」の節分に、子どもの命にかかわる注意喚起が……。 出典: Getty Images

目次

2025年は暦の関係で2月2日が節分になります。例年より早い行事の訪れに備えて、SNSでは1月下旬、医療関係や自治体のアカウントから、大豆など節分でまく“豆”について「5歳以下には食べさせないで」といった注意喚起が相次ぎました。2020年には4歳の子どもの死亡事故も発生しています。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
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相次いだ“早め”の注意喚起

例年2月3日の節分。今年は地球と太陽の位置関係などから暦がずれる影響で、1日早まり、2月2日になります。

節分と言えば、恒例の行事が「豆まき」です。しかし、この豆まきが思わぬ事故を招くことがあるとして、1月下旬、医療関係や自治体のアカウントから、例年より早めの行事への注意喚起が相次ぎました。

問題になるのは、ピーナッツ、炒り豆、枝豆などの豆類と、アーモンドなどのナッツ類です。

消費者庁も1月23日、「豆類などをはじめとする食品での窒息や誤嚥に注意」として警戒を呼びかけました。

同庁には、医療機関から食べ物や異物が気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」の子どもの事故情報が、これまでに複数、寄せられているそうです。

例えば1歳の子どもでは、「炒り豆を口いっぱいに頬張っていたときに椅子から転落して顔をぶつけ、痛みで泣いた際に咳き込んだ。咳き込みが続いたため病院を受診したところ、CT検査で気管支に5mmの異物が確認された。手術にて異物(豆)を除去し、6日間の入院となった」という事例が報告されているといいます。

特に豆やナッツ類については「飲み込む準備ができていない時にのどに落ちたり、息を吸ったときに不意にのどに移動したりして、のどに詰まることがあります」と注意喚起します。

「小さく砕いた場合でも、気管に入り込んでしまうと肺炎や気管支炎になるリスクがあります」「豆が気管や気管支の中で水分を吸って膨らみ、窒息を引き起こす場合もあります」

このような理由から、消費者庁は「大変危険なので、5歳以下の子どもには食べさせないでください」と強く訴えます。
 

20年には4歳児の死亡事故も

2020年2月には、島根県松江市の認定こども園で、節分の豆まき行事中に4歳の園児が豆をのどに詰まらせて窒息死する事故もありました。

大人に近い咀しゃく(食べ物を歯でかみ砕くこと)ができるようになり、飲み込んだり吐き出したりする力が十分に発達するのは、それぞれ3歳ごろです。しかし、その2つを協調させることができるようになるのは6歳ごろと言われています。

硬い豆やナッツ類を「5歳以下の子どもには食べさせないで」と言われるのは、そのためです。消費者庁は、事故を防ぐための注意点として、以下を挙げます。

・特に、兄姉がいる家庭では、兄姉が豆やナッツ類を食べていてほしがっても、食べさせないようにしましょう。
・物を口に入れたままで、走ったり、笑ったり、泣いたり、声を出したりすると、誤って吸引し、窒息・誤嚥するリスクがあります。
・泣いている時に食べ物をあげるのもやめましょう。

もしも、のどが詰まって「声を出せない」「苦しそうな呼吸が見られる」「顔色が急に青くなる」など窒息が疑われる変化が現れた場合は、応急処置を速やかに行うことを呼びかけます。
 

「もしもの時」の応急処置は?

子どもの健康・安全についての情報発信を担うこども家庭庁は、乳幼児が異物を飲み込み喉に詰まってしまったときの応急処置について、「119 番通報を誰かに頼み、直ちに以下の方法で詰まった物の除去を試みます」とします。

「1歳以上の幼児には、まず『背部叩打(こうだ)法』を行い、異物が除去できなかった場合は『腹部突き上げ法』を行います。1歳未満の乳児には、『背部叩打法』と『胸部突き上げ法』を数回ずつ交互に行いましょう。意識がない場合は、心肺蘇生を行います」

「背部叩打法」では、幼児の場合は子どもの後ろから片手を脇の下に入れて、胸と下あご部分を支えて突き出し、あごをそらせます。片手の付け根で両側の肩甲骨の間を強く迅速に叩きます。

乳児の場合は片腕にうつぶせに乗せ顔を支えて、頭を低くして、背中の真ん中を平手で何度も連続して叩きます。

「胸部突き上げ法」(乳児)では「片手で体を支え、手の平で後頭部をしっかり支えます。心肺蘇生法の胸部圧迫と同じやり方で圧迫しましょう」。

「腹部突き上げ法」(幼児)では「後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片方の手を握り拳にして、腹部を上方へ圧迫します」。

【参照】もしもの時の「応急手当方法」 - こども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions/handbook/content-7

また、「呼吸が苦しそう」「顔色が青白い」「ぐったりして呼びかけてもぼんやりしている」などの場合はすぐに救急車を呼び、判断に迷う場合は子ども医療電話相談(#8000)でも対応を相談することも重要です。

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