話題
「オーバーハング現象」知ってる?バスが曲がったら、車体の後方は…
「子どもに教えよう」の声も
曲がり角や交差点で起きるトラックやバスの「オーバーハング現象」を知っていますか?バス会社で働く人が投稿した動画が「分かりやすい」と話題になっています。多くの人に知ってもらい、「危険を予知してもらうことも大切」と呼びかけた投稿者に、話を聞きました。
大型車両には構造上、必ず大きなオーバーハングが存在します。
— 🚌🚖【公式】豊栄交通労働組合 (@hoeikotsu_union) September 23, 2024
右左折時や出発時、乗務員は細心の注意を払っていますが、皆さまに知って頂き危険を予知して頂くことも大切だと思っています。#オーバーハングにご注意下さい pic.twitter.com/B4zRhf8lPH
Xに投稿したのは、愛知県豊田市で貸切・路線バスやタクシーなどの交通事業を手がける豊栄交通の労働組合です。
《大型車両には構造上、必ず大きなオーバーハングが存在します。
右左折時や出発時、乗務員は細心の注意を払っていますが、皆さまに知って頂き危険を予知して頂くことも大切だと思っています。#オーバーハングにご注意下さい》
「オーバーハング現象」とは、車が曲がるときに、後輪の中心から車体の後部が外に膨らむ現象です。
動画では、まっすぐに伸ばした糸と並行にあるバスの車体を右折させる様子を撮影。車体の左はしに付けられたマーカーは、走り始めるときには伸ばされた糸の線上にありましたが、バスが右にゆっくり曲がる間、引かれた糸から大きくはみ出て曲線を描きます。
この投稿には1万4千件以上の「いいね」がつき、「分かりやすい動画」「子どもにも教えよう」「自家用車ユーザーも気をつけないといけない」といった反応がありました。
豊栄交通労働組合に話を聞くと、車両が曲がる際に「内輪差」によって歩行者や自転車等の巻き込みに注意が呼びかけられることもありますが、「車両特性の中でも見落としがちなのがオーバーハング」と、呼びかけの重要性を強調します。
担当者は「バスに限らず、大型車両は車幅や死角など、注意しなければいけない車両特性が多くあります」といいます。
「オーバーハングによる車両接触事故も少なくありません。事故防止の教育や啓発活動は日々実施していますが、写真に図形や矢印を挿入して図解するよりも、動画の方が分かりやすいと考え紹介させていただきました」
労組のアカウントからは、現場に携わる乗務員目線の情報発信を心がけているそうで、その一つが交通安全への呼びかけだといいます。
オーバーハングに限らず、歩行者や自転車の飛び出し・逆走などといったヒヤリ情報は、社内の打ち合わせや組合活動の場を通じて幅広く共有しているといい、それを一般に向けて発信することで、「乗務員目線での投稿を通じて、豊栄交通や、乗務員の仕事に興味を持ってほしい」と話します。
今回、投稿に反響があったことについては、「正直驚いていますが、嬉しく思っています」。
「大型免許の有無に関係なく、このような知識を認識し、理解していただくだけでも、有益だと思います。オーバーハングによる接触事故のリスクは、普段多くのところに潜んでおりますので、今回の投稿が交通事故防止の一助になればと思っております」
1/4枚