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「下を向くより、みかんをむこう。」 松山駅の看板に「素敵!」の声
「下を向くより、みかんをむこう。」――。9月に新駅舎になったJR松山駅にある案内看板の「ことば」がSNSで話題になりました。JR四国に、「ことば」を並べた看板を設置した意図を聞きました。
話題になったのは、JR四国の松山駅に関するSNS投稿です。松山駅は9月下旬に新駅舎としてリニューアル。そこに設置されているリング状の案内表示の看板に書かれた「ことば」が注目を集めました。
その言葉とは「下を向くより、みかんをむこう。」というもの。
これに、SNS上では「ふるさとの温かさを感じることばがいろいろ載っていて良い」「素敵」「めっちゃ面白い」「座布団1枚あげてっ」「地元愛を感じる」「いいこと言いますね」などとコメントが付きました。
JR四国によると、この案内表示リングは、松山駅舎のど真ん中にあります。東口と西口をむすぶコンコースの真ん中で、改札を出た正面だそうです。
リングは、表面裏面とも施設などの行先案内が書かれています。表面には「JR線のりば」や「バス」「タクシー」といった案内表記があるものです。
SNSで注目されたのはこのリングの裏面です。松山の方言などを使ったほっこりする言葉が並べられています。
松山は、正岡子規や高浜虚子といった多くの文人や俳人を輩出し、夏目漱石の「坊っちゃん」や司馬遼太郎の「坂の上の雲」などの小説の舞台のひとつにもなっていて、文学にゆかりのある街です。
そこで、「21世紀に残したい、伝えたいことば」を全国から募集して、いくつかを選出。選んだ言葉を「ことばのちから」と名付けて、標語のように街のPRや活性化のために活用しているそうです。
今回の案内表示リングも、このことばの中からいくつか選んでデザインをしようと建築設計担当のJR社員が提案したといいます。
実際にリングに書かれている言葉は7つ。「ようおいでたなもし 松山へ Welcome to Matsuyama」以外は「ことばのちから」から選ばれたものだそうです。
JR四国デザインプロジェクト担当室長の松岡哲也さんは、「県外に出ている人が帰ってきたときに共感したり、安心したりするメッセージも選びました」と話します。
「松山駅は地元を離れる人を見送ったり、観光客や戻ってくる人を出迎える駅でもあります。みなさんが看板を見て、心が温かくなるような『ことば』を表示しています。松山を訪れ、お城を取り巻くほっこりした景色を見て、温かみのある方言を聞いて、松山を楽しんでいただけたらうれしいです」
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