MENU CLOSE

ネットの話題

人力で波を起こす魚津水族館、再びバズる 造波装置は故障したままで

その後、装置がどうなったのかを取材しました

「時々スタッフが人力で波を起こします」と書かれた貼り紙
「時々スタッフが人力で波を起こします」と書かれた貼り紙 出典: 魚津水族館提供

目次

 「時々スタッフが人力で波を起こします」。今年4月、造波装置が故障した水槽に貼ってあるそんな貼り紙がSNS上で注目を集めた魚津水族館(富山県)。先日、同じ貼り紙が再び話題になりました。その後、装置がどうなったのかを取材しました。

【PR】「視覚障害者の困りごとを減らしたい」代筆・代読支援というサポート
リュウグウノツカイの展示も充実しています
リュウグウノツカイの展示も充実しています 出典: 魚津水族館提供

100年以上の歴史がある水族館


 北陸本線の全線開通を記念して1913年に開館した魚津水族館。

 1981年から使われている現在の建物は3代目で、富山県や富山湾の水生生物を中心に展示しています。

 「波の水槽」では、マアジ、クロダイ、キジハタなど魚津沿岸で獲れる魚を飼育。

 本来は10分ごとに波が起こり、波の中で魚たちがどんな風に動くのかを観察できる水槽です。

 そんな水槽には、こんな貼り紙がしてあります。

 「40年間、波を起こし続けてきた造波装置がついに寿命を迎え故障しました……当面の間、波が起きませんがご了承ください」「時々スタッフが人力で波を起こします」

 3年ほど前に故障してから、ずっと貼ってあるというこの文章。

 今年のエイプリルフールにSNS上で話題となり、テレビやネットメディアなどで取り上げられました。

 そして先日、「どうやって起こすのか気になる」「脳筋過ぎて大好き」と再び話題になりました。

「時々スタッフが人力で波を起こします」と書かれた貼り紙
「時々スタッフが人力で波を起こします」と書かれた貼り紙 出典: 魚津水族館提供
波の水槽
波の水槽 出典: 魚津水族館提供

学芸員に聞きました


 4月に話題になった際、取材に対して教育普及担当の学芸員・不破光大さんはこう話していました。

 「ただ原状に戻すより、来館者がボタンを押したら波が起こるようにするなど、新しいものに作り替えた方が良いのではないかという話も出て、決まらないまま今に至っています」

 貼り紙をしたままということは、取り換えや修理の結論が出ていないということでしょうか?

 「他に優先順位の高い修理もあるので、そのままになっています。この水槽で飼育している生き物にとって、波の有無はほとんど影響ないですから」

 最近では、人力で波を起こすのはイベントがある時ぐらいとのこと。

 バケツのフタを活用したかき混ぜ棒のようなものを飼育員が作って、子どもたちと一緒に波を起こしているそうです。

 「こんなにしょっちゅう話題になるのであれば、いっそ直さずこのままにしておいた方がいいのではという意見も出ています」

 つい先日は、ウマヅラハギが水中にある輪っかをくぐり抜ける動画も話題になったばかりの魚津水族館。

 立て続けに注目を集めていることについて、不破さんはこう話します。

 「外見は古くさい水族館ですが、知られていないだけで魅力がいっぱいあります。ぜひ探しに来てください」

関連記事

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます