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人気シュークリーム〝命に関わる非常に危険な事故〟謝罪と回収の理由

謝罪と回収を発表した人気シュークリーム専門店「ビアードパパ」
謝罪と回収を発表した人気シュークリーム専門店「ビアードパパ」 出典: ビアードパパ公式サイト

目次

人気のシュークリーム専門店「ビアードパパ」で“命に関わる非常に危険な事故”があったとして、謝罪と商品の販売中止、回収が発表されました。その理由は「落花生(ピーナッツ)」が含まれている商品に、アレルギー表示が漏れていたこと。国内でも過去に落花生からできる「ジーマーミ豆腐」を原料を知らずに食べて救急搬送された事例や、海外ではピーナッツアレルギーによる死亡事例があります。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
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「落花生」のアレルギー表示が…

<お客様には多大なご迷惑とご心配をお掛けいたしますこと、重ねて深くお詫び申し上げます。><アレルギーの誤表記は命に関わる非常に危険な事故である事を再度強く認識し、今後はより一層管理体制を強化し再発防止に努めて参ります。>

7月、人気シュークリーム専門店の「ビアードパパ」(運営:株式会社DAY TO LIFE)がこのように謝罪した上で、商品の販売中止、回収を発表しました。

全国の店舗で1日から販売を開始した「ブラックモンブランシュー」について、掲出していたプライスカード、販促物、アレルギー原材料一覧の表記内容に誤りがあり、本来、表示すべきアレルギー成分表記の「落花生(ピーナッツ)」の記載が漏れていたということです。

同社は事故の発生を確認後、「ただちに店舗での販売を中止」したものの、すでに「販売された商品がございます」と報告。

消費者庁のリコール情報サイトでは、健康被害の発生状況として、2日時点で「口内が痒くなる、喉が腫れる、湿疹など」の落花生のアレルギー症状が2件、発表されています。

同社は「お買い求めいただいたお客様で『落花生』アレルギーのある方はお召し上がりにならないようにご注意いただき、お買い上げ店舗、または下記お問い合わせ先までご連絡いただきますようお願い申し上げます」と、回収を呼びかけています。
 

増加傾向のピーナッツアレルギー

消費者庁によれば、食物アレルギー表示制度において、落花生(ピーナッツ)は「重篤度・症例数の多い8品目」の特定原材料に含まれ、食品表示基準で表示を義務づけられています。

特定原材料のうち、そば、および落花生(ピーナッツ)は、アレルギーを発症した場合、症状が重くなることから、このような扱いになっています。

ピーナツアレルギーは欧米に多いとされますが、近年は日本でも増えています。全身にアレルギー症状が出て、呼吸困難や激しい嘔吐、腹痛、意識障害を起こす「アナフィラキシー」によって、海外では命を落とす例もみられます。

アレルギー症状を予防するには原因物質を避けることが必要です。そのため、食物アレルギー表示が重要になります。そこに表示の漏れがあったため、“命に関わる非常に危険な事故”が起きるおそれがあるとして、商品の回収が実施された、ということになります。

ただし、店頭で量り売りされる食品やその場で包装される食品、注文してから調理される弁当などでは、表示がない場合もあるので、注意が必要です。

過去には国内でも、ジーマーミ豆腐の原料がピーナツだと知らずに食べ、アレルギーで救急搬送されるケースが続出し、沖縄県が注意を呼びかけたこともありました。

厚生労働省や一般社団法人日本アレルギー学会によれば、食物アレルギーは乳幼児の5~10%、学童期以降では1~3%にあると考えられているそうです。今回の事故は、あらためて食品アレルギー表示制度の重要性を示すものといえるでしょう。
 

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