「特別じゃない日」をテーマにした単行本が発売された漫画家・稲空穂さん。SNSで発表して注目を集めた漫画「プロ写真家」に込めた思いを聞きました。
自分の猫の写真が上手く撮れなくて困っている青年。
「最近すごい走り回るんだよなあ」
それを聞いた子持ちの先輩がねこじゃらしを振りながら「こっち向いて~いーねいーね! いい顔いい顔~」とテンション高めに猫の写真を撮り始めます。
撮れた写真はばっちりカメラ目線の可愛い顔。
「連写だよ連写! 25枚ぐらい撮って1枚可愛いのが撮れてたら万々歳だよー」
先輩は動き回る自分の子どもたちの気を引いて連写する術を身に着けていたのです。
どんなにスマホのカメラ機能が進化したとしても、撮っている人間が同じスピードで撮る技術を進化させることは不可能です。
故に、本当に必要なものは何かというと、ベストショットを撮るため何十枚・何百枚と生み出されてしまったボツ写真を保管するためのHDD容量です。
ここで問題なのが、「ボツ写真も捨てられない」ということです。この瞬間は二度と来ない、と思うとゴミ箱のアイコンをタップなどできないのです。
私は保護猫茶トラのコンを引き取ってから、クラウドサーバーの月額サブスクに登録しました。