ネットの話題
「あの日飲みたかった みかん缶シロップ」 新卒1年目の社員が発案
2月13日の発売と同時に「攻めてる」と話題です
子どもの頃、みかんの缶詰のシロップを飲みたいなぁと思ったことはありませんか? そんな夢をかなえられる清涼飲料水が日清ヨーク(東京)から発売され、SNSで「かなり攻めてる」と話題です。その名も「あの日飲みたかった みかん缶シロップ」。発案したのは、入社1年目の社員でした。パッケージに書かれたキャッチコピーも、かなり攻めています。
「かなり攻めてる」「子どもの頃の感覚がよみがえりそう」「商品化したのすごい!」
2月13日の発売と同時に、SNSでユーザーを驚かせた「あの日飲みたかった みかん缶シロップ」。商品名の通り、みかんの缶詰のシロップをイメージした清涼飲料水です。
SNSでは驚きとともに、「思わず買ってしまった」「あの激甘汁を飲める薄さにしてくれてる」「再現度が非常に高い」といった声が寄せられています。
「あの日飲みたかった みかん缶シロップ」を発案したのは、2023年4月に新卒で入社したマーケティング部の小林古都さんです。
同社では1年目から商品開発を担当するため、小林さんは入社してまもない5月頃から案を練っていたといいます。
「入社してまだ右も左も分からず、経験も知識も何もない状態でした。お客様の視点に立つことを意識して考えました」
自分だったら何を飲みたいか、清涼飲料水ではなくても飲みたいと思ったものはないか、今までにない商品でありながら懐かしさや共感を覚えるものはないかーー。
頭の中でぐるぐると考えていたとき、「幼い頃みかん缶のシロップを飲みたかった!」とひらめいたそうです。
駄菓子などのノスタルジックな商品は「懐かしさを感じて購買につながる心理もある」と知り、商品開発の参考にしたといいます。
小林さんのアイデアは社内でも好評でした。
先輩は「お客様目線で消費者に近い立場だからこそ考えられる商品で、提案を受けたとき『さすがだな』と感じました。社内でも『確かに飲みたかった』と共感性が非常に高く、採用の一手になったのではないかと思います」と振り返ります。
市場調査でも「幼い頃みかん缶シロップが飲みたかった」という声を得られ、懐かしさを感じる人が多いことを確信しました。
その上で小林さんは、「ひとりひとりのお客様の中にある『記憶』にアプローチできるネーミング」を考えたといいます。
「『あの日飲みたかった』という懐かしさを出すため、味わいづくりは以前からある商品を参考にしました」という小林さん。
みかんの缶詰の人気ランキングなどを参考に、長く売れているものから最近発売されたものまで、たくさんのシロップを飲み比べて研究もしました。
大人になって気づいたのは、みかん缶のシロップが思ったよりも甘くないということ。「想像していたよりもスッキリした味わいでごくごく飲めました」
甘いイメージが残っている消費者にも「手に取りやすく、飲みやすくしたことが伝わるように」、商品のパッケージには「スッキリ飲みやすい」と表記しました。
パッケージに書かれている、「みかん缶のシロップを、もっと飲みたかったあの頃…。子供の頃の願いを、今叶えます!」というキャッチコピーも、小林さんが考えました。
「少し言いすぎかなとも思ったのですが、『願望』をかなえるドリンクを目指していたので」と話します。
開発においては「周囲の人とのコミュニケーションが生まれる商品」を意識していて、ネーミングやキャッチコピーもそのきっかけになればと願いました。
実際、SNSで多くの人が「あの日飲みたかった みかん缶シロップ」を話題にし、コミュニケーションが生まれていることについて「ここまでの反響は想定していませんでした。自分の作った商品が会話のきっかけになりうれしいです」とはにかみます。
「この商品を通して昔を思い出していただけるとうれしいですし、この商品が楽しい気分になれる時間を提供できたらと思います」
「あの日飲みたかった みかん缶シロップ」は、沖縄を除く全国の一部コンビニエンスストアで期間限定販売中です。
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