ネットの話題
「家庭科のドラゴン」実はグッズになってた! SNSでトレンド入り
デザインを手がけている会社を取材しました
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デザインを手がけている会社を取材しました
家庭科の授業で使う裁縫道具。学校で配られたカタログの中から「ドラゴン」を選んだ人も多いのではないでしょうか。そんなドラゴンが描かれたTシャツやパーカーが販売されており、SNS上では「家庭科のドラゴン」がトレンド入りしました。デザインを手がけている会社を取材しました。
大阪市淀川区にあるオリジナルキャラクターの企画製作会社「サンワード」。
書道セットや裁縫箱といった教材を手がける会社向けに、デザインを提案しています。
最初のドラゴンが生まれたのは2001年、裁縫箱向けの「LOURD LEGER(ルールレジェ)」。
一躍人気商品となり、その後シリーズ展開されることになりました。
・INFERNO DRAGON(インフェルノドラゴン)
・DRAGON OF DARKNESS(ドラゴンオブダークネス)
・HELLFIRE DRAGON(ヘルファイヤードラゴン)
・Blaster Dragon(ブラスタードラゴン)
・Combat Dragon(コンバットドラゴン)
・Argent Dragon(アージェントドラゴン)
上記は一例で、商品に採用されなかった没ドラゴンも含めると50匹以上にのぼるそうです。
「当時はスポーツ風のデザインが主流だった中、新しいイメージを取り入れるという意図で、メーカーの新学社様側から『ドラゴンはどうか』と提案をいただき、それに応える形でシリーズが誕生しました」
そう話すのはサンワードのチーフデザイナー・澤崎朋美さん。
初代である「LOURD LEGER」を担当したデザイナーはすでに退職していて、名前の由来や意味などは不明だといいます。
「『英語ではない』と聞いたことはあるのですが詳しくは不明です。でも、なんかカッコいいので、わざわざ解読しない方が良いこともこの世界にはあるのだと思います」
ヒットを受けて、裁縫箱だけでなくエプロンやクッション、ナップサックなどにも展開。
現在も裁縫箱のドラゴンは継続されており、基本的に1年ごとに新デザインを提案しているそうです。
「やはり『LOURD LEGER』が人気で、新学社様の『Wウイング式裁縫セット』のラインアップで『ブラックドラゴン』として現在もお取り扱いいただいております」
ドラゴンを描く上で先輩たちから受け継がれてきた教えは「うろこや爪などをリアルに描きすぎない」こと。
空想上の生き物なので夢とロマンを大切にし、トカゲやワニにならないように、と心がけているといいます。
「あとは、シルエットのみの状態でもドラゴンだとわかるかっこよさを目指しています」
本やゲーム、雑貨などドラゴンが登場するものすべてからインスピレーションを得て、デザインしているそうです。
7~8年前には和風テイストを取り入れた「画竜点睛」も制作。
以前はドラゴンそのものを迫力満点に大きく描いたものが主流で、西洋のドラゴンがモチーフでした。
画竜点睛では和風のドラゴンに、大きく描かれた「龍」の漢字と、「自分に打ち勝つことが最も偉大な勝利である」という格言の組み合わせに。
子どもたちから好評で、数年間続くシリーズとなったそうです。
また、教材界でのドラゴンが少し下火になってきたことも踏まえて「シャチザダイブ」というデザインも展開。
「漢字+カッコイイ動物」として複数提案した中で、子どもたちの反応がよかったシャチを採用したものです。
そんなドラゴンシリーズですが、「LOURD LEGER」をモチーフにしたTシャツやパーカー、マグカップなどが販売されています。
先日、この販売サイトに気づいたユーザーがX(ツイッター)で紹介すると話題になり、「家庭科のドラゴン」がトレンド入りしました。
「大きな収益を期待するというよりは、むしろ皆様にドラゴンを思い出して懐かしく感じていただき、同年代どうしで盛り上がる楽しい時間のきっかけになればという思いで販売していました」
2020年にドラゴンの歴史についてネットメディアから取材を受けたことをきっかけに発売。
グッズだけでなくLINEスタンプなども販売しているそうです。
フルグラフィックTシャツのイメージはこんな感じです👕🐲
— 株式会社サンワード【公式】 (@sunward_info) October 17, 2023
元祖の裁縫箱と並べればこのド迫力👀💥
こんな高解像度でブラックドラゴンを見られるのは(多分)この商品だけ‼️
ぜひお楽しみください🤗✨#ルールレジェ#ドラゴン裁縫箱#家庭科のドラゴン https://t.co/4K9sGBWxLv pic.twitter.com/R3jvOqp3RN
こんなに話題になるとは思わず、「せっかくの機会なので新しい展開を検討しようかと考えています」と澤崎さん。
ラインナップに追加して欲しいものがあればぜひ教えてほしいとのことでした。
今後のドラコンシリーズについてはこう話します。
「教材デザインの自由度や選択肢が無限に広がった昨今、ドラゴン系デザインが採用される確率はぐっと低くなりました。弊社に限らずドラゴンデザインの教材が世に出ることがあれば、それは色々な競争や試練をくぐり抜けた精鋭ドラゴンであると言えます。学校で配られる注文カタログにドラゴンを見つけた際は、そんな気持ちで温かく迎えていただけると嬉しいです」
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