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連載

#146 ○○の世論

国民年金の納付「64歳まで延長」案 世論調査で「反対」が多い世代は

職業別でも異なる賛否

年金記録が記載された「ねんきん定期便」のはがきや封書。延長案について、政府は将来受け取る年金の水準が下がるのを防ぐ狙いがあると説明しています
年金記録が記載された「ねんきん定期便」のはがきや封書。延長案について、政府は将来受け取る年金の水準が下がるのを防ぐ狙いがあると説明しています 出典: 朝日新聞 ※一部画像を加工しています

目次

老後の生活の支えとなる公的年金。その受け取り水準が下がるのを避けるために、年金保険料を支払う期間が延びるかもしれない――。そんな議論が政府で始まりました。朝日新聞社が11月12、13の両日に実施した全国世論調査(電話)で、年金保険料を支払う期間が延長されることの賛否を尋ねると、世代や立場によって考えが異なる様子が浮かび上がりました。(朝日新聞記者・四登敬)

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割れる世論

政府が検討を始めたのは、国民年金(基礎年金)の保険料を支払う期間を、現在の59歳から5年延ばして64歳までとする案です。

想定以上に早いスピードで少子化が進んでいることから、将来受け取る年金の水準が下がるのを防ぐ狙いがあります。

国民年金の保険料「64歳まで」5年延長の案
国民年金の保険料「64歳まで」5年延長の案

朝日新聞社は、全国世論調査で「政府は、国民年金の保険料を支払う期間を5年延ばし、64歳までとすることを検討しています。あなたは、このことに賛成ですか。反対ですか」と質問しました。

結果は、「賛成」43%、「反対」51%でした。反対が賛成を上回っていますが、賛成も4割を超えており、世論は割れていると言えそうです。

 

この賛否を、内閣支持・不支持に分けて見ると、内閣支持層の「賛成」は52%、「反対」は43%で、内閣不支持層は「賛成」40%、「反対」56%でした。内閣への姿勢が異なっても、やはり賛否は割れています。

「賛成」は高齢層、「反対」は若年層で高め

国民年金の保険料を支払う期間を延長することに対して、全体としては賛否が割れていますが、年代別で見ると、それぞれ異なる傾向が浮かんできます。

「賛成」は、18~29歳が34%で最も低く、30代も36%でした。一方、60代と70歳以上は48%で、年代が上がるにつれて割合は高くなっています。

逆に、「反対」は30代が58%、18~29歳が57%だったのに対し、60代は47%、70歳以上は45%でした。

 

これから、長い期間にわたって保険料を支払うことになる世代では、支払期間が延長されることへの抵抗感が比較的強い様子がうかがえます。

また、18~29歳は、「その他・答えない」が10%と他の年代より割合が高く、判断がつきかねている人も多いようです。

自営業者、製造・サービス従事者では

職業別でも、賛否の傾向は異なっています。

国民年金は、国内に住む20~59歳のすべての人が加入します。支払期間が延長されれば、基本的に国民年金だけに入る自営業や短時間労働の人たちは、保険料負担が増えることになります。

その分、将来受け取る年金額も増えることにはなりますが、自営業者層の「賛成」は33%にとどまり、「反対」の58%が上回りました。

製造・サービス従事者層も「賛成」38%、「反対」57%です。

一方、事務・技術職層は「賛成」45%、「反対」50%で、全体結果に近くなりました。

主婦層は「賛成」が51%と高めで、「反対」45%、その他・無職層は「賛成」46%、「反対」45%でした。

 

厚生労働省は2025年の法改正を目指して議論を始めました。世論がどのように受け止めるのか、さらに注目していきたいと思います。

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