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ネットの話題

「たべっ子どうぶつ」のカステラメーカーだ!製造元が狙った化学反応

ファンもうなった〝顔〟再現度の秘密

ロングセラーの動物型ビスケット「たべっ子どうぶつ」。マスコットキャラクターが〝立体的〟に再現できる、公式コラボ商品のカステラメーカーが人気です。
ロングセラーの動物型ビスケット「たべっ子どうぶつ」。マスコットキャラクターが〝立体的〟に再現できる、公式コラボ商品のカステラメーカーが人気です。 出典: ライソン提供

目次

幅広い世代から支持を集めている、動物型ビスケット「たべっ子どうぶつ」。その味わいに負けず劣らず、マスコットキャラクターたちも人気です。おなじみの面々の顔を「完全再現」できるカステラメーカーが、ネット上で話題を呼んでいます。家電とお菓子の掛け合わせが生み出す、意外な化学反応。その効果を狙ったという、コラボ商品の開発元企業に話を聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)

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「一生作っちゃう」話題のコラボアイテム

たべっ子どうぶつは、お菓子メーカーのギンビス(東京都中央区)が1978年に発売しました。ビスケットの表面に、形状に対応する動物の英語名が書かれています。

パッケージには、同じく動物がモチーフのマスコットキャラたちが描かれています。その顔をあしらったカステラが焼けると評判なのが、家電メーカーのライソン(大阪府東大阪市)が作った、公式コラボアイテムです。

カステラメーカーの内側に設置されたプレート。その表面を見ると、「うさぎ」「らいおん」「かば」「ねこ」と、四体分の表情をかたどったくぼみが開いています。

公式販売サイトによれば、所定の材料を入れて3分ほど待つと、ふわふわで甘いカステラが食べられるといいます。製品本体のサイズは幅20.8センチ、奥行き17.5センチ、高さ24.6センチ。販売価格は5千円(税込み)です。

「一生カステラ作っちゃうよ」「たべっ子どうぶつパーティーしよう」。SNS上には、ファンとみられる人々のものを中心に、カステラメーカーへの関心を示すつぶやきがあふれています。

おなじみの動物キャラクターたちの表情が刻まれたカステラ。
おなじみの動物キャラクターたちの表情が刻まれたカステラ。 出典: ライソン提供

商品開発で培った遊び心を発揮

「最近、色々な企業から、たべっ子どうぶつとのコラボ商品が登場しています。実は従来、家電メーカーと協力したケースは皆無だったんです。ファンの方々にも『今までになかったね』と評価して頂けるような一品を作りたいと思いました」

言葉に力を込めるのは、ライソンの広報・三上紅美子さんです。

同社は利用者に「驚きと楽しさ」を提供する電化調理器具を手掛けてきました。蜜がしたたる状態の焼き芋ができ上がる「超蜜やきいもトースター」、直径約10センチのたこ焼きが作れる「ギガたこ焼き器」など、いずれの製品も遊び心満載です。

「ギンビスさんは近年、若者へのマーケティングを強化しています。そしてたべっ子どうぶつは、国民的人気を博してきました。既存の技術を他にない形でアレンジできる弊社なら、新たな化学反応を起こせる。そう考え、お声がけしました」

いわく、カステラメーカーの開発期間は1年以上。当初はライソンが得意とする、ホットサンドメーカーを作る方向で検討を進めました。しかし「二次元のキャラクターを立体的にできたら面白い」との意見が社内から出て、変更したそうです。

直径約10センチのたこ焼きが作れる「ギガたこ焼き器」。
直径約10センチのたこ焼きが作れる「ギガたこ焼き器」。 出典: ライソン提供

大切にした「ドキドキ感」の演出

仕様を考える上で意識したのが「ドキドキ感」の演出でした。製品は上下に開く構造です。より火が通りやすい下側のプレート底部に、キャラの顔が彫り込んであります。利用者は生地が焼き上がるまで、うまく顔が刻まれているか分かりません。

「私自身、試作段階から何度も製品を使ってきました。しかしカステラをひっくり返す瞬間、表情の仕上がりが気になり、今も心臓の鼓動が速まってしまいます(笑)」

今回は四体のキャラを、プレートのデザインに採用しました。他社のコラボグッズの意匠として人気が高く、カステラにした際、それぞれの見た目を差別化出来るかどうかが選定基準となったそうです。

「ねこなど複雑な形状のものもあり、生地を流し込む際に気泡ができにくいよう、何度もレシピを練り直しました。商品の販売サイトで詳細を公開中です。なお私の推しキャラは、力強いイメージと愛らしい外見の落差が大きい、らいおんです」

ところでキャラ型のくぼみの数は、どうやって決まったのでしょう。三上さんによると、プレートはホットサンドメーカーなどの自社製品と同じもの。キャラの表情が視認しやすいよう、くぼみの大きさを調整し、四つに落ち着いたのだそうです。

キャラの顔が彫り込まれているのは、下側のプレート底部。表情がきちんと出ているかどうか、焼き上がらないと分からない仕様だ。
キャラの顔が彫り込まれているのは、下側のプレート底部。表情がきちんと出ているかどうか、焼き上がらないと分からない仕様だ。 出典: ライソン提供

先行予約開始3分でサーバーダウン

今回のカステラメーカーは、発売前からネット上で注目を集めました。理由の一つが、ライソンによるSNSを使った広報戦略です。

今年5月、複数のコラボ告知動画をインスタグラムの自社アカウントで公開。たべっ子どうぶつのキャラクターの着ぐるみが、新商品の開発会議を開く内容です。同時期に配信したギンビスの公式商品アカウントでは、合計85万回超再生されました。

その結果、たべっ子どうぶつファンを中心として話題に。さらに6月10日~12日、ライソンの商品販売サイトで先行予約を実施します。初日の午前10時に受け付けを開始すると、アクセスが殺到し、3分後にはサーバーがダウンしてしまいました。

「少しずつアクセスの上限値を高めて対応しました。SNSでは『サイトにつながったが、完売していた』との声が飛び交っていたため、在庫数も急きょ増やしたんです。予約販売の経験がない弊社にとって完全に未知の事態でした」(三上さん)

先行予約のために用意した400個の在庫は、最終的に2千個まで膨れ上がったそうです。7月1日からは、店頭での一般販売も始まります。これに先立ち、1万個を大幅に超える量を準備中なのだと、三上さんは明かしました。

「早速、新作の開発を検討し始めました」

三上さんによると、カステラメーカーは今後、全国の家電量販店や雑貨店に並ぶ予定といいます。合わせて、ライソンの公式販売サイトと、同社のアマゾンページでも購入できるとのことです。

各方面から熱視線が注がれている状況を受け、三上さんは次のように語りました。

「たべっ子どうぶつファンの方々から『今後の商品展開について知りたい』『他のキャラのバージョンは出ますか』などのお声を頂戴しています。弊社では早速、新作の開発に向けた検討を始めました。ニーズ調査などを進めていきたいです」

「開発段階では苦労も多かった、今回の製品。最終的に可愛い見た目で、誰でも簡単にカステラが焼けるメーカーに仕上がりました。ぜひお手に取って頂き、たべっ子どうぶつの世界観満載のスイーツを作り、お楽しみ下さい」

【ライソンの関連サイト】
・公式商品販売サイト
・公式アマゾンページ

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