連載
#3 選挙 若者の疑問
「どうして芸能人の候補者?」中学生の疑問 知名度欠かせないけど…
「この人の名前は知っている」という人がいると…
参院選が6月22日に公示されます。選挙について、若者たちから疑問を募ると、選挙の基本をおさらいしたいというものから、「言われてみると、確かにわからない」といった疑問が集まりました。「参院議員に芸能人が立候補するのはなぜ?」。林尚行政治部長に聞きました。
参院選の投票先は、選挙区と比例区の二つがあります。投票所に行ったら、二枚の投票用紙を渡され、それぞれに投票先を書きます。
選挙区というのは、決まった地域の中に候補者がいて、名前を書いて投票したら、その数によって上から何番目が通る、という仕組みです。
比例区の候補者と政党は全国共通で、候補者の名前か政党名を書きます。
比例区は、全国が選挙活動の対象になります。実際は、特定の業界や特定の地域だけを回って選挙活動をすることが多いとはいえ、自分に投票してくれる可能性のある有権者は全国にいるため、知名度が大切になってきます。
例えば、聞いたことがない候補者の名前ばかりが並んでいる中で、「この人の名前は知っている」という人がいると、投票用紙に書きがちな気がしませんか?そう考えると、知名度のある芸能人が参院選の比例区に立候補するということは強みになります。
ただ、知名度はどの選挙においても重要なことなので、参院独自の文化とまでは言い切れません。
ちなみに、比例区の候補者を取材すると「なになにさんは芸能人の出身でうらやましい」という本音がポロッと出たりします。
「どぶ板選挙」と言われるように、やはり、有権者の何人と会ったか、何人に名前を覚えてもらえたか、何人に自分の顔を見せたか、何人とグータッチしたかなどで意外と差がついてしまうのが選挙です。これは候補者の努力の証しでもあります。
一方で、「私たち国民にとって何が大事なのかを考えて一票を入れましょう」というのも、主権者教育の中では重要な要素だと思います。
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