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連載

#6 特別じゃない日

なりたい自分、たとえ魔法が使えなくても… いくらでも変身できるよ

 

漫画「なりたい自分」の一場面。子どものころに好きだったアニメの変身アイテムが出てきて……。
漫画「なりたい自分」の一場面。子どものころに好きだったアニメの変身アイテムが出てきて……。 出典: 稲空穂さん提供

目次

 「特別じゃない日」をテーマにした単行本が発売された漫画家・稲空穂さん。ツイッターで発表して注目を集めた漫画「なりたい自分」に込めた思いを聞きました。

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漫画「なりたい自分」
漫画「なりたい自分」 出典: 稲空穂さん提供

漫画のあらすじ


 「掃除してたら出てきたのよ」

 友美が母から手渡されたのは、子どものころに好きだったアニメの変身アイテムでした。

 「なつかし~!」と大喜びするのもつかの間、自分の子どもたちの世話に追われます。

 バイト先のコンビニで、娘が夢中になっているアニメの変身アイテムを見つけた友美。

 自分が幼かったころ、母に「私もミラクルみたいな髪形にして!」とねだったことを思い出します。

 「なれたかどうかは置いといて、なりたい自分があるのはいいことだ」

 そうつぶやいて、娘と息子にそれぞれ変身アイテムを買って帰ります。

 帰宅すると、母が夕飯を作って子どもたちに食べさせてくれていました。

 変身アイテムを受け取った息子とヒーローごっこをして、ようやく自分も食事をしようとしたら、娘が遠慮がちにやってきます。

 「私もキューティーみたいな髪の毛にしてほしいな……いい?」

 自分の子どものころを思い出してうれしくなり、髪の毛をセットしてあげようとします。

 すると、友美の後ろに母がすっと立って、友美の髪を櫛でとかしてくれました。

 「どんな髪形にする?」と、笑顔で聞いてくる母。

 友美はかつての自分を思い出しながら、娘の髪をセットしてあげるのでした。

作者・稲空穂さんからのメッセージ


 自分が主役だった子どものころとは違い、年を重ねるごとにみんな自然と「大人」の立ち位置に収まっていきます。

 魔法のパワーで変身する力はないのだ、と。

 そもそもそんな気持ちを持っていたことすら忘れてしまっています。

 でも、そんな自分のことを傍らでずっと見てくれていた人はいたはずで、そんな自分がいたということは消えません。

 大人になった今、魔法のパワーはないと分かってしまいましたが、自分の力でいくらでも変身することはできるはずです。

 それが大人のパワーなのではないか、という気持ちで描いた作品です。

    ◇

 〈稲空穂=いな・そらほ〉 静岡県出身・在住の漫画家。会社員を経て2017年に「おとぎ話バトルロワイヤル」(KADOKAWA)でデビューし、「特別じゃない日」で日常をテーマにした作品に挑戦中。老夫婦や女子高校生、主婦、バイトの青年……それぞれの小さな幸せがつながっていく物語を描いていて、実業之日本社から第1集が書籍化されています。Twitterアカウントは@ina_nanana


 withnewsでは原則隔週水曜日に、稲さんの漫画とともに作品に込めたメッセージについてのコラムを配信しています。

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