ネットの話題
地震に負けなかったから「値段もまけません」 傷もの商品を定価販売
総支配人に聞きました
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総支配人に聞きました
16日深夜に宮城・福島両県で最大震度6強を観測した地震。福島にある道の駅では、地震で傷がついた商品をあえて値引きせずに販売しています。「地震に負けなかった商品だから、値段もまけません」という趣旨で、応援のために買っていく人が相次いでいます。
福島県国見町にある「道の駅 国見 あつかしの郷」。
震度6強の揺れに襲われ、天井板がはがれて、厨房の調理器具なども故障しました。
昨年2月にも同じく震度6強の地震があり、その際は約300本のジュースや酒の瓶が棚から落ちて割れましたが、今回は30本ほどで済みました。
商品の下に揺れを抑えるマットを敷いたり、棚に落下防止のストッパーを付けたりといった対策の効果があったようです。
それでも、店頭に陳列していた土産物の箱がへこんだり、割れた瓶の中身が近くの瓶のラベルにかかったりといった被害で、約1000品が「傷もの」になりました。
通常であれば値引き販売などを検討するところですが、総支配人の鈴木亮一さんは、あえてそのままの価格で販売することにしました。
「地元のシンボル的な存在である道の駅として、『地震に負けませんよ』というメッセージを発信したいと考えました」
昨年2月の地震の際は、割れずに残った日本酒や焼酎などを「震度6強を乗り越えた勇者達」と名付けて販売。
当時は割れずに残った商品の方が少なかったためこのような売り方をしましたが、今回は箱に入ったお菓子などを中心に約1000品もありました。
そこで思いついたのが、「地震に負けない」と「値段をまけない」の語呂合わせ。
ひとつひとつ中身に問題がないことを確認した上で特設コーナーを作り、こんな看板を設置しました。
「こちらの商品は地震により棚から落下してしまいました。パッケージなどに汚れはありますが、震度6強に負けなかった商品です。値下げはせず通常価格で販売します。どうぞよろしくお願いいたします」
2年続けての地震被害に「心が折れそうになった」という鈴木さん。
ところが値下げせずに販売すると、「応援したいから」と購入してくれる人が相次ぎました。
別のコーナーでは傷のない商品が同じ値段で売られているにもかかわらず、あえて特設コーナーから買っていく人もいたそうです。
営業を再開した19日からの3連休でよく売れ、残りは2割ほどにまで減ったといいます。
「安売りして当たり前のところのなのに、世間の温かさを感じました。いっぱい応援していただいたので、前を向いて行きたいと思います」
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