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連載

#5 #受験生のモヤモヤ 学ぶ楽しさの見つけ方

山本美月「結婚して安心する居場所ができた」 語る、人生選択の意図

モデル・女優の山本美月さんにお話を伺います。
モデル・女優の山本美月さんにお話を伺います。

目次

モデル、女優として活躍する山本美月さん(30)。2009年から8年間『CanCam』の専属モデルとして活動し、2011年からは女優として、映画『桐島、部活やめるってよ』やテレビドラマ『SUMMER NUDE』(フジテレビ)などの作品に出演。2020年には『ランチ合コン探偵〜恋とグルメと謎解きと〜』(日本テレビ)で地上波連続ドラマの初主演を果たしました。

そんな彼女は、すでにモデルとして活動を始めていた2010年に明治大学に進学。芸能活動を続けながら進学を選んだ理由、学生時代に学んだこと、進路や仕事の選択を考える際に大事にしていることなどについて聞きました。( #受験生のモヤモヤ 取材班 鈴木梢 撮影:藤原慶)

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印象的だったのは「らっきょうの根切り」

──高校時代からモデル業を始められていたと思うのですが、大学進学を選んだのはなぜですか?

正直に言うと、行かない選択をするのが怖かったんです。私の育ってきた環境の常識から外れるので。私が通っていた高校はほとんどの生徒が大学に進学していましたし、進学しないことが不安というよりは、「進学するのが普通」という環境で育ってきたんですよね。

高校時代のお仕事も、できるだけ学校を休まないよう土日にしていましたし、当時は私も進学をして就職をするのが当然なんだと思っていました。
──高校卒業後は、明治大学農学部生命科学科に進学されています。進路選択は生物教師だったお祖父様の影響が大きかったそうですね。

そうですね。祖父の影響で私も生物がすごく好きで、大学でも生物について学びたいと思いました。「生物」といっても、動物だったり植物だったり、研究内容が化学寄りだったりと、大学や学科によって学べる内容が異なるので、どこでどんなことを学べるのかたくさん調べて進路を決めました。

──同級生には、どんな道を志す人が通われていたんですか?
大学時代の山本さん
大学時代の山本さん
化粧品や食品の研究の道に進む人が多いんじゃないかと思います。調香師になった人もいました。あとは生物の先生になる人も。私は植物の研究をしていました。もともとは動物の研究をしたかったのですが、動物のお世話とお仕事の両立が厳しくて……。結果的に植物の研究も楽しかったです。

──入学前と入学後で、イメージと異なったことはありましたか?

てっきり生物に関することだけを学ぶのかと思っていましたが、心理学などの講義もあり、幅広く学ぶことができたのは意外でした。

──印象深かった出来事はどんなものですか?

夏休みに農場実習に行ったことですね。大学が農場を持っていて、そこでお手伝いをするんです。夏休みの間にいくつか実習期間があって、前半で行った人は収穫するものがけっこうあるんですけど、だんだんやることが減ってきて、私が行った後半では、らっきょうの根切りをひたすらしていました(笑)。根切りの速さと量を競って、バケツいっぱいにしたチームが勝ち。農学部内からいろんな学科の人たちが集まるので、そこで友だちもできて楽しかったです。

世間から離れた存在にはなりたくない

──大学受験のころはまだモデル業を始めたばかりだったと思いますが、入学されてからはかなりお仕事も増えましたよね。両立は大変でしたか?

大学2年生のころ、映画『桐島、部活やめるってよ』に出演させていただいてからは、少しお仕事が増えてきましたね。それからは友人たちに本当に助けてもらいました。講義のノートを取っておいてもらったり、テストの過去問題を先輩に見せてもらったり。

みんながいなかったら、ひとりでは卒業できなかったと思います。大変でしたが、大学に進学してよかったと思っています。楽しかったですし、経験できたことで安心したので。

──高校まではクラス単位ですが、大学からは基本的に開かれた環境になりますよね。そこで新しい関係を作っていくのは大変ではなかったですか?

私、新しい環境がけっこう好きなんです。私のことを誰も知らないから、ちょっとキャラを変えてみたりして。かといって過去の知人と交流を絶つわけじゃないんです。新しい環境では、新しい自分になってみるのが好き。


──大学時代、勉強以外で学びになったことはありますか?

やっぱり人間関係ですね。大学でいろんな人と知り合ったことで、芸能界以外の人の意見を聞くことができたので。観てくださる人たちの気持ちや意見を常に知りたいですし、「やっぱり芸能人だよね」と言われるような、世間から離れた存在にはなりたくないので。

趣味として好きか、仕事にしても好きか

──山本さんの場合はやりたいことが明確にあり、大学に進学されたと思うのですが、今は世の中に情報があふれ過ぎていて、やりたいことを絞り切れない人が多いと思います。そういった方々へのアドバイスをいただけますか?

決めるまでの時間制限があるのなら、そのとき好きで興味があることを選べばいいと思います。もし途中でやりたいことが変わっても、その道に進もうとすることはできると思うんです。農学部を出てキャビンアテンダントになった友だちもいましたし。

私自身も、モデルや女優のお仕事が増えなければ、就職をしていたでしょうから。研究職に憧れがあったので、食品などの研究の道に進もうと思っていました。

──就職の道も考えていた山本さんですが、結果的に芸能界に進まれました。選択をする際に大事にしていたのはどんなことですか?

たとえば私はアニメが好きですけど、アニメを作る仕事をしたいわけではなくて。どれだけ好きでも、趣味のままにしておきたい。仕事にしてしまうと、趣味として好きだったときとはどうしても見え方が変わってしまうので。

仕事を選ぶときは、その仕事をしている自分をイメージしてみて、その姿が好きかどうかを考えるといいと思います。仕事でつらいことがあっても、「私、研究員なんで」って言えたらカッコいいかもしれないな、とか(笑)。「モデルや女優をしている私、カッコいい」とかはそんなに思わないですけど、この仕事をしている自分が好きだなとは思います。
──進学や就職以外に、何か選択で悩んだときはどうしていますか?

周りの人に相談することが多いですね。同業者ではなく、私の仕事を客観的に見てくれる人に相談しています。いつも自分を客観視していたいんです。意見を聞いてみて、納得できたらその道でいい。ある程度、自分の中で決まっているときに、最終判断として相談をすることが多いかもしれません。

安心できる居場所があることの大切さ

──モデル業から始まったキャリアですが、現在は女優業の割合もかなり増えていると思います。両立のバランスはいい状態ですか?

女優のお仕事を始めてからのほうが、笑えるようになりました。モデルとしてカメラの前に立つとき、笑顔があまり得意ではなかったんです。服を見せるモデルに対して、女優は役の人柄を見せる仕事だから、役の人柄や背景などをいろいろ想像して見せなければいけない。そのおかげで、モデルとしても表情を作りやすくなりました。逆に、女優業の中でも写真撮影や取材のお仕事があるので、モデルの経験が活きているなと思います。

──最初に、「普通と違う道に進むのは怖い」と仰っていましたが、結果的に一般的な進路とは違う芸能界に進まれました。今、その怖さはありませんか?

ありませんね。常に安心できる居場所があるからかもしれません。モデル業を始めたばかりの頃も家族や大学の友人がいて、就職をする選択肢もありました。今は結婚をしたので、新しい家族という居場所があります。「自分を守ってくれている」と感じる居場所を持っていることは、私にとって大事だなと思います。
──お仕事を始められて10年ほどになるかと思いますが、今後の目標や挑戦したいことはありますか?

今後は、自分が能力を発揮できると心から思えるお仕事を見極めていきたいですね。そして、お仕事の中で出会った人たちを好きになりたいし、好きになった人たちとまたお仕事をしたい。あとは、もちろんモデル業も女優業も続けたいですが、絵も描いているので、そういったお仕事の幅を広げられたら嬉しいです。


ヘアメイク:イワタユイナ
スタイリスト:黒崎彩

山本美月(やまもと みづき)

1991年7月18日生まれ、福岡県福岡市出身。2009年7月に第1回「東京スーパーモデルコンテスト」でグランプリ受賞。同年より『CanCam』の専属モデルとなり、モデルデビュー。2011年から女優業を開始、翌年映画『桐島、部活やめるってよ』で映画に初出演。近年の出演作は2020年、『ランチ合コン探偵〜恋とグルメと謎解きと〜』(日本テレビ)で地上波連続ドラマ初主演。

今後の出演作に『WOWOWオリジナルドラマ にんげんこわい』「第2話 辰巳の辻占」で主演(2月13日放送予定)、Prime Videoで独占配信のAmazon Originalドラマ『星から来たあなた』(2月23日配信スタート)にヒロイン笹原椿役で出演予定。 

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