厚生労働省によると、現在、医薬品医療機器法(薬機法)に基づいて新型コロナウイルス対策を標ぼうできる空間除菌の家電や雑貨はありません。
より正確に言えば、新型コロナウイルス対策を標ぼうできるのは医薬品や医療機器だけであり、それ以外のものは家電や雑貨である以上、特定のウイルスに効果があるとうたう宣伝は薬機法に抵触するおそれがあります。
逆に、メーカーは効果があると思わせるように、薬機法に抵触しない範囲で宣伝に工夫を凝らしている実態があります。
そんな空間除菌を、スポーツ庁が「新型コロナウイルス対策」として打ち出す、という出来事がありました。
朝日新聞デジタル 5/15
https://digital.asahi.com/articles/ASP5G53Y1P56ULEI001.html
同庁は令和2年度の第3次補正予算で「国立競技場等における新型コロナウイルス感染症対策」として20億円を計上し、方法に「空間除菌等」を含めていました。
この予算はオリンピックを含む期間中に執行され、所管の独立行政法人で国立競技場を管理・運営する日本スポーツ振興センターが国立競技場の会議室などに空間除菌をうたう複数台の空気清浄機を設置し、総額は数十万円規模になるとのことでした。
同庁の担当者は記者の取材に、検討途中で厚労省などが空間除菌を推奨していないと気づき「空間除菌に対する認識が甘かった」ことを認めた上で、空気清浄機の設置については「できるだけ換気をすることは必要だと考えた」と回答しています。
日本スポーツ振興センターを取材すると、前述の「除菌脱臭機」が令和2年度の第3次補正予算で購入されたものであると認めました。しかし、購入金額については非公開とのことでした。
「除菌脱臭機」の導入の理由は、新型コロナウイルス対策をするときに「諸室の利用形態によっては、ドアを大きく開放することが難しい場合もあるため、空気清浄機の導入により、換気機能の向上を図ることを考え」たとし、目的はあくまでも換気機能の向上であると説明しています。