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カワウソ漫画家なのに「カワウソは飼えません」お手軽レシピへの思い

キャラクターに「カワウソ一家」を選んだ理由は…

おいしそうに料理をほおばるカワウソ一家の双子の姉妹
おいしそうに料理をほおばるカワウソ一家の双子の姉妹 出典: ワニマックスさんのツイッター

目次

お手軽でおいしい料理レシピを、カワウソ一家が登場するマンガやイラストで発信しているワニマックスさん(@4979uki_uki)。料理を作り始めたきっかけはシンプルな「おばあちゃんの味」だったそうで、ツイッターでも多くの反響が寄せられています。マンガのキャラクターに「カワウソ」を選んだのは、深い理由がありました。

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ワニマックス:群馬県在住のイラストレーター。猫が大好き。企業などのパッケージやキャラクターデザインなどを手掛ける傍ら、Twitterでカワウソ一家が料理を作るレシピ漫画を掲載し人気を博している。2021年5月に『読んで楽しく作っておいしい! カワウソ一家のしあわせごはん』(KADOKAWA)を出版。

家族の絆が強い野生カワウソ

ワニマックスさんが「カワウソ一家」のレシピ投稿をしはじめたのは数年前から。以前から「家族でごはんを食べる」「おばあちゃんのレシピ」をテーマにマンガを描きたいと思っていたといいます。
手羽元を煮込み、煮物と鶏汁をつくるレシピ
手羽元を煮込み、煮物と鶏汁をつくるレシピ 出典:ワニマックスさんのツイッター
そんなとき、東京・池袋のサンシャイン水族館でコツメカワウソに一目惚れ。

直後のテレビの特集で、野生のカワウソが家族で暮らすこと、子育てにオス・メスの関係がないこと、自分の子どもではない群れの赤ちゃんにもエサを届けるといった生態を知ったそうです。

「野生のカワウソは家族の絆がとっても強い生き物。その生態と、マンガで描きたかった『家族愛』がぴったりはまりました」

「おばあちゃんの味」が大好きで

群馬生まれ群馬育ちのワニマックスさんは、「味は濃いし見た目は茶色いけど、白ごはんがどんどん進むおばあちゃんの料理」が大好きだったそうです。

祖母が亡くなる前に、その味を教わることはできませんでした。

炊きこみチャーシューごはん
炊きこみチャーシューごはん 出典:ワニマックスさんのツイッター
自分で作ろうと高校生の頃に「和食の基本」といった本で勉強してみましたが、丁寧な手順に四苦八苦。「私はすごくおおざっぱなんです。自分でレシピ本の同人誌をつくったときも『おおざっぱレシピ集』という名前をつけたぐらいです」と笑います。

再現に苦戦していたところ、親戚からは「ばあちゃんの料理はそんな繊細だったかねぇ」と笑われたといいます。

思い切ってしょうゆと砂糖でシンプルに作ってみたら「これだ!」と「おばあちゃんの味」が再現できたそうです。

「懐かしい味」を織り交ぜて

カワウソ一家がつくるごはんにも、そんな「懐かしい味」が織り交ぜられています。

本に掲載されている、小麦粉を混ぜただけのシンプルな「ばーちゃんのぺったん焼き」や、油揚げのなかに卵を落として煮込んだ「たまご茶巾煮」も祖母の味だといいます。
油揚げに卵をおとして煮込む「卵巾着」のレシピ
油揚げに卵をおとして煮込む「卵巾着」のレシピ 出典:ワニマックスさんのツイッター

どこにでもありそうな食材で試行錯誤

ワニマックスさんは日々、「こうアレンジしてみたらどうだろう」「家にある材料で作れないかな?」とレシピを試行錯誤しています。「やっぱりあれが足りなかったか…」と失敗することもあるそうです。

そんな中、ツイッターで「おいしかったです」「野菜を食べなかった子どもが食べました」と反響をもらうのがうれしいといいます。
芽キャベツそっくりな見た目になる「巻かないロールキャベツ」
芽キャベツそっくりな見た目になる「巻かないロールキャベツ」 出典:ワニマックスさんのツイッター
冷凍食品やコンビニのお総菜も活用する「お手軽」なものが多いのも特徴です。

「コンビニや業務スーパーで売っているものや、どの地方のスーパーにも大体ありそうな材料を使って、どこまで作れるかをやっています」
忙しい朝にぴったりの「レンチン!豆乳スープ」
忙しい朝にぴったりの「レンチン!豆乳スープ」 出典:ワニマックスさんのツイッター

野生のカワウソを応援します!

もともとは自分より大きな動物を描くのが好きというワニマックスさん。映画「ジュラシックパーク」が大好きで、普段は恐竜のイラストも描きまくっているそうです。

自身のツイッターにもよく登場する飼い猫は18歳と5歳。「身近なことしかできませんが、水族館が困っていたら寄付したり、自分の飼っている猫を最期まで看取る責任を果たしたり……それは絶対やっていきたいです
ワニマックスさんのツイッターのプロフィールには、「野生のカワウソを応援します!カワウソは飼えません」と記されています。

カワウソのレシピマンガを発信し始めたとき、「飼ってみたいですよね」という反応が多かったことから加えたそうです。

カワウソの「しあわせごはん」を大切に

日本でのカワウソの「ペットブーム」で密輸事件も起きています。野生の個体数は大きく減り、ずさんな輸送中に死んでしまう子もいて、生き残ったカワウソが高値で販売されているといいます。

親と子どもでごはんを食べる……それがカワウソの野生の姿であって、日常です。本のタイトルにもあるように、カワウソ一家の『しあわせごはん』なんだと思います」と指摘します。
「『カワウソは家族で過ごすことが当たり前なんですよ』という認識を持ってほしくて『一家』を描くようにしています」

本の発売日は偶然、2021年の「世界カワウソの日」と重なりました。

群馬弁「なっからんめーだんべぇ」

カワウソ愛だけでなく、ワニマックスさんの群馬愛も詰まった一冊。カワウソ一家は「なっからんめーだんべぇ」「たくさん食べり」と群馬弁で語ります。

近所にあるお茶屋さんの店主として登場するキャラ「青い猫」は、群馬・前橋にある「紅茶のティーストアー」の店主がモデルなんだそう。
「あおいねこ特製のミルキーミルクティー」のレシピ
「あおいねこ特製のミルキーミルクティー」のレシピ 出典: ワニマックスさんのツイート
ツイッターでも大反響を呼んだコクのあるミルクティーの淹れ方のレシピは、そのマスターが教えてくれたといいます。

「本当はスリムなマスターなのですが、青い猫の絵を見せたら『ふとった猫じゃないとおいしそうに見えないでしょ』と快諾してくれました」

濃い味の群馬 薄味が好きな人は…

本の中では、黒糖が入った「茶まんじゅう」や、伊勢崎の「神社コロッケ」など、「ぐんまのおいしいもの」もイラストつきで紹介しています。

「群馬の人はとにかく濃い・甘い味が好き」。ワニマックスさんの親戚が集まる時は、うどん・焼きまんじゅう・お稲荷さん・天ぷら……と、小麦粉と甘い味つけがそろい踏み。天ぷらにみりんをつけて食べるのだそうです。

「レシピ通りだと味が濃いと感じる方もいるので、薄味が好きな人は調味料の量を減らすなどして調節して下さい」と笑います。
お肉と大根の煮物。ごはんが進みます
お肉と大根の煮物。ごはんが進みます 出典:ワニマックスさんのツイッター
「料理の初心者には『マンガだから読みやすそう』と手にとってもらい、一つでも記憶に残ってつくってもらえたらうれしいですし、よく料理をする人には『懐かしいからつくってみよう』『簡単だけどこんなアレンジもあるんだ』といった新しい提案になればうれしいです」

5月に発売されたワニマックスさんの『読んで楽しく作っておいしい! カワウソ一家のしあわせごはん』(KADOKAWA)

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