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ネットの話題

生活の中の“苦手な音” 怒られてるみたい、心臓ばくばく…正体は?

山内尚さんが描く中学生の「しんどいとき」。「周りと生きる速さが違くて」と主人公のおくら。
山内尚さんが描く中学生の「しんどいとき」。「周りと生きる速さが違くて」と主人公のおくら。 出典: Souffle(スーフル)©秋田書店

目次

「毎日手足がずうんと重たいんです」――学校に行くのが苦手な女子中学生「おくら」が過ごす何気ない日々を描く山内尚さん( @yamauchinao )の漫画『しんどいときはこんなかんじ』が、ネット上で共感を集めています。休みの日、ある物が出す音が苦手で家事を手伝えず、お母さんに小言を言われてしまうおくら。「周りと生きる速さが違う」と感じるおくらのことは、お母さんにもなかなか理解してもらえず……。
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「掃除機の音」が苦手

漫画『しんどいときはこんなかんじ』の主人公は女子中学生・おくら。学校に行くのが苦手ですが、お母さんや友達などからは暖かく見守られています。この漫画では、そんなおくらが日々の生活の中で感じた「しんどいとき」が描かれます。

そろって家にいるおくらとお母さん。おくらはパジャマですが、お母さんは掃除機をかけています。「この音聞くと心臓がばくばくする」「怒られてるときみたいで」と動揺するおくら。「はっ、はじまった…」と思うやいなや、目をつぶって耳をふさいでしまいます。

そんなおくらに「おくらっ、そこどいて」「掃除機かけるから」とお母さん。おくらの様子に気づくと「なんで耳ふさいでんの」「嫌味っぽくてうざったい」とバッサリ。おくらはわたわたしながらも「あ えっと」「掃除機がこわくて……」と説明します。
 
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
そんなおくらにお母さんは「はーーーーー」とため息。「おくらが手伝ってくれたら早く終わったのに」と小言を言います。「ごめん なに手伝えばいい?」「すぐ終わるしもういいよ」「そう…」とやりとりする二人。おくらの手に握られたスマホには、前回、友達のあんずからもらったナマケモノのシールが貼られていました。
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
テレビからは「今日から連休ですから混雑しそうですね 皆さん楽しんで!」とアナウンサーの声が聞こえます。「わーすごい 人がたくさん来てますねえ」と話すアナウンサーに応えるように、おくらは心の中で「こんな日に遠くに出かける元気ないよ」とポツリ。「おっとっと」とコップに入れた水を運んでいったのは、前回、枯らしてしまったことに気づいた鉢のところでした。水やりを再開したものの「まだ茶色のままかあ…」「葉っぱでないなあ」とぼやくおくら。

お母さんは「おくら それ枯れてるのに水あげてんの?」と容赦ありません。「今は秋だから…春にはまた葉っぱ出るかも」と返す娘に「おくらってほんとだらしない」「夏の水やりぜんぜんしなかったもんね」とまたため息。おくらもまた心の中で「たしかにナマケモノですけど…」と反論めいたことを言います。

そんなおくらのスマホが突然「ヴーッヴーッ」と鳴り出します。「ひょっ!?」とびっくりするおくら、どうやらこの音も苦手であるようです。
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
連絡をくれたのはナマケモノのシールをくれた友達のあんず。おくらの住む集合住宅の窓の向こう、外からひらひらと手を振っています。「あんずちゃん ごめーん 待ってて!」と窓から伝えるおくら。「すっかり約束忘れてた…」「どうせ上着あるから服はこれでいいか」とパジャマにコートをはおり、マフラーを巻いて玄関へと向かいます。どうやら外出の予定があったようですね。「ナマケモノも周りと生きる速さが違くて 目が回ることあるのかな」とモノローグが入ります。
 
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)

「生きのびていて」すごいこと

作者の山内尚さんはこの漫画について「小さいころから掃除機の音って苦手でした。気持ちが塞ぐようになって布団から出られなくなった大学生のころが(音が)一番つらかったかも」と説明します。

“きっとなかなか学校に行けなくて悩んでいるおくらさんも、お母さんがかけている掃除機に毎回怒られているような気持ちになるんじゃないかしらと思います。

周りと生きる速度が違う気持ちがする中で生きていくのってすごくエネルギーが要ることでしょうから、読んでくださった方でそう感じていらっしゃるひとがいたら、いつもほんとうにおつかれさまですと言いたいです。生きのびていてすごい。すごいことです。”


第一回:友達の一言に「なりたくてなったわけじゃ…」寝る前の“微妙な後味”
第二回:生活の中の“苦手な音” 怒られてるみたい、心臓ばくばく…正体は?

withnewsでは、山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』(秋田書店)を原則隔週配信していきます。

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