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連載

#77 #父親のモヤモヤ

妻にも好評だった「父子帰省」 アナウンサーから「特別感」への問い

今年の夏はオンライン帰省をした家族も(写真はイメージです)=PIXTA
今年の夏はオンライン帰省をした家族も(写真はイメージです)=PIXTA

目次

#父親のモヤモヤ
※クリックすると特集ページ(朝日新聞デジタル)に移ります。

新型コロナウイルスの影響で、夏の「帰省」を取りやめた人も多かったでしょう。年末年始も悩ましい状況です。仕事と家庭の両立などに葛藤する男性の姿を描く「#父親のモヤモヤ」企画と、九州朝日放送(KBC)のラジオ番組「小林徹夫のアサデス。ラジオ」のコラボ放送の第3回では「帰省」がテーマになりました。
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【#父親のモヤモヤが書籍に】
多くの父親の葛藤に耳を傾けてきた連載「#父親のモヤモヤ」が『妻に言えない夫の本音 仕事と子育てをめぐる葛藤の正体』というタイトルで、朝日新書(朝日新聞出版)から10月13日に発売されます。

「イクメン」の誕生から10年。男性の育児が促される一方、葛藤を打ち明けられずに孤立する父親たち。直面する困難を検証し、子育てがしやすい社会のあり方を考える一冊です。詳細はコチラから。

両親に相談し、今年は帰省せず

コラボ企画は月に1回、ラジオ番組の午前8時10分~20分の「アサリポ」というコーナーで放送されています。「#父親のモヤモヤ」企画記事をもとに、スタジオやリスナーを交えて葛藤を共有しています。3回目は8月の帰省シーズンに放送され、「『気持ちがラク』SNSで注目の〝父子帰省〟 お盆の選択が柔軟に」の記事が題材になりました。

番組に電話出演したのは、記事にも登場した男性(rikuパパさん=@rikuikuji)です。男性は教員で、共働きの妻と家事や育児を分担しています。番組のパートナーでKBCアナウンサー、一児の母親でもある山﨑萌絵さんから今年の帰省について聞かれると、「お互いの両親に、私は(感染者の多い)東京なので、受け入れる方の雰囲気がどうか、相談したところ、どちらとも帰省しないと決めました」と話しました。

お盆前、東京では1日に確認される感染者の数が400人を超え、地方に帰省することに警戒感が強まっていました。地方への帰省者を中傷する「帰省警察」という言葉もインターネット上で飛び交いました。
例年の帰省の混雑がなかったJR博多駅のコンコース=2020年8月8日午前、福岡市博多区、溝脇正撮影
例年の帰省の混雑がなかったJR博多駅のコンコース=2020年8月8日午前、福岡市博多区、溝脇正撮影 出典: 朝日新聞

父子帰省は「助かる」

スタジオでは、父と子だけで帰省する「父子帰省」にも話題が及びました。SNS上では、日ごろ家事や育児の負担に悩む母親などから好意的に受け止められています。

男性は2018年末、沖縄県に帰省する際、先に男性と息子が帰省し、後から妻が合流する部分的な「父子帰省」をしました。

男性は当時の取材に「元々は妻の仕事が忙しく、長く休みを取れないことが理由でした。ただ、私が自宅でオンオペ育児をするよりも、実家に帰った方が気がまぎれるし、両親も喜ぶと思いました。妻も仕事に集中できます。ウィンウィンだと思いました」と話しています。

1人の時間を確保できたことで妻から好評だったことを話すと、日ごろ子育てに追われている山﨑アナも「実は、私が土日に仕事がある日は(夫と子ども)2人で帰ってもらったことが何度もありまして、ひじょ~に助かるんです」と反応しました。

KBCラジオ「小林徹夫のアサデス。ラジオ」のパーソナリティー・小林徹夫さん(左)と、#父親のモヤモヤとのコラボ企画を担当する山﨑萌絵アナウンサー(右)=KBCラジオ提供
KBCラジオ「小林徹夫のアサデス。ラジオ」のパーソナリティー・小林徹夫さん(左)と、#父親のモヤモヤとのコラボ企画を担当する山﨑萌絵アナウンサー(右)=KBCラジオ提供

特別感には違和感

パーソナリティーで、同じくKBCアナの小林徹夫さんは育休経験があります。「お父さんと子どもというだけで、スペシャルな感じに聞こえてしまうのがちょっと。むしろこれまではどうだったのかということかもしれません」とコメントしました。

母親と子どもだけの帰省は一般的で、「母子帰省」と呼ばれることは少ないのに、父子だと注目されてしまうことは、むしろ男性が子育てすることに消極的だったことの裏返しで、そこに課題があるのではないか――。そんな指摘です。

記事を紹介するだけでなく、エピソードの背景にある課題にも切り込んでいこう。そんな番組の姿勢をうかがわせる場面でした。

次回は、夫婦の家事育児分担をテーマに9月中旬以降に放送予定です。

「小林徹夫のアサデス。ラジオ」についてはこちらから

父親のリアルな声、お寄せください

記事の感想や体験談を募ります。いずれも連絡先を明記のうえ、メール(seikatsu@asahi.com)で、朝日新聞文化くらし報道部「父親のモヤモヤ」係へお寄せください。
 

共働き世帯が増え、家事や育児を分かち合うようになり、「父親」もまた、モヤモヤすることがあります。それらを語り、変えようとすることは、誰にとっても生きやすい社会づくりにつながると思い、この企画は始まりました。あなたのモヤモヤ、聞かせてください。
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