連載
#11 ○○の世論
大事なことはメール?口頭?「団塊ジュニア」の意外な生態
アナログ生まれデジタル育ちの微妙な世代
好きな人に勇気を出して連絡をとるのも、手紙や電話が当たり前だった時代から、ポケベル、そしてメール・SNSの時代に。大事なことは口頭で伝える? それともメールやSNS? アナログとデジタル両方を経験している団塊ジュニア世代(45~48歳)は、どっちを使っているのでしょう。本音をネット調査で探りました。(朝日新聞記者・植木映子)
仕事中、すぐ近くの席の同僚から、ひと言の声かけもなく、メールが送られてきたこと、ありませんか。直接言えばいいのに! そう思ったことがある人も多いのではないでしょうか。一方で、メールを送ったのに、いちいち口頭で確認を求められるのが煩わしい、と思う人もいるでしょう。
大事なことは「口頭で伝える」か「メールやSNSで伝える」か。どちらの方があてはまるか? 団塊ジュニア1000人に聞いてみました。
年収や性別で大きな差はなく、この世代全般が「口頭でお願い!」という傾向が強いことがうかがえます。
「サブスクリプション」という言葉が流行語になったように、いま定額制の配信サービスの利用が伸びており、データ配信で聞くのが当たり前になってきました。しかし、団塊ジュニアはまだまだCD派が根強いようです。
この回答で興味深いのは、子どもがいるかいないで、数字に差が現れたことです。子どもがいる人ではCD派57%、デジタル配信派43%と、全体と比較するとデジタル配信派の割合が高くなったのに対し、子どもがいない人ではCD派67%、デジタル配信派33%と、CD派の圧勝。子どもの影響でデジタル配信派になる人や、子育て優先でCD購入を我慢する人、など、様々な事情が推察されます。
一方、デジタルの「新しい波」の方が半数を超える項目もありました。日々の買い物の支払い方法と、ニュースの見方です。
現金払いとキャッシュレス払い、どちらが多い? これに対しては、「現金払いの方が多い」は44%で、「キャッシュレス払いの方が多い」56%の方が多数派でした。
2019年の消費増税時に導入されたキャッシュレス決済へのポイント還元制度も影響がありそうです。
また、ニュースを見るならどっち? 「テレビ・新聞」が45%だったのに対し、「インターネット」は55%でした。
団塊ジュニアは1971年~74年生まれで、年間出生数が200万人を超えた、人口のボリュームゾーン。様々な文化の移り変わりを体験したこの世代は、新旧の価値観でも、その境目にいる世代なのかもしれません。
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