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「緑色ノートを取り扱って」 視覚過敏の高3が投稿、みんなが動いた

視覚過敏の症状がある高校生のツイートをきっかけに、メーカーや取扱店が次々と動き出しました。

左がグリーンノート、右が通常のノート
左がグリーンノート、右が通常のノート 出典: ふ~ふ(@fu_fu_zatta)さんのツイッター

目次

 「ぜひグリーンノートを作って販売してほしいです」。視覚過敏の症状がある高校生のツイートをきっかけに、メーカーや取扱店が次々と動き出し、ついには手作りして送ってくれる人まで現れました。投稿した高校生に話を聞きました。

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左がグリーンノート、右が通常のノート
左がグリーンノート、右が通常のノート 出典: ふ~ふ(@fu_fu_zatta)さんのツイッター

「視覚過敏の私からお願いです」


 今月9日、ツイッターに「視覚過敏の私から、お願いです。拙い文章ですが、どうかよろしくお願いします」という文言とともに、以下のメッセージが投稿されました。

 私は視覚過敏があるため、白いノートをあまり使いたくありません。

 ノートの白が光を反射し、鉛筆の線が見にくくなるからです。

 幼い頃から顔を近づけて影を作らないと文字が書きづらく、また、良いノートであればあるほど紙質がよく綺麗な白で、目が痛かったのを覚えています。

 そんな中、中学生のときに母が紙が緑のカラーノートを買ってきてくれ、私はその見やすさに驚きました。

 目が痛くならないし、文字は見えるし、一気にまとめ買いしたほどです。

 しかし、高校生になってからそのノートを売っていたお店は潰れてしまい、今は買い溜めていたノートを使っています。

 しかし、私はこのノートのおかげで板書が楽になっていたので、ストックが尽きそうな今とても困っています。

 通販で売っていないかと調べましたが、カラーノートはかわいいリングノートなどが多く、学校で授業用に使えるものはありませんでした。

 今でも文具屋に行くたび探していますが、なかなかありません。

 グリーンノートは私のような視覚過敏の人のためだけではなく、症状のない妹も「目が楽、使いやすい」と言っていました。

 なので、もしもこのツイートをノートを取り扱っている会社の人が見てくれたなら、ぜひグリーンノートを作って販売してほしいです。

 私は絶対に買いますし、目に優しいので普通の人にもよいと思います。

 ソースは不確かですが、緑のノートは集中力が上がるというのも聞いたことがあります……。

 ここまで見てくださって、ありがとうございます。どこかの会社が、グリーンノートを作ってくれることを願っています。

メーカーや取扱店が反応


 この投稿に対して、「あそこのお店で売ってた」という情報や、「うちで取り扱ってます」という文具店からの反応が寄せられ、リツイートは4万9千、いいねは4万6千を超えています。

 ノートを作っているナカバヤシは「正式な発売は未定ではありますが、企画チームが製品サンプルの作成に動き始めています」とリプライ。

 ロフトや東急ハンズのアカウントは、このツイートを受けてネットストアでの取り扱いを始めると発表しました。

 そして、今年1月からツイッターを始めた中村印刷所も反応。3年前に「おじいちゃんのノート」としてツイッターで話題になった水平開きノートを作っている町工場です。


 「少しでもお力になれるのならば水平開きで一日も早くお作りします。濃いグリーンか淡いグリーンのどちらがよろしいですか? 料金は頂戴致しませんのでご安心下さい」とつぶやいた社長の中村輝雄(76)さん。

 つぶやきから5日後には、投稿主のもとに手作りのノートが届きました。


投稿主に聞きました


 投稿したのは高校3年生のふ~ふ(@fu_fu_zatta)さん。

 小学生の頃、ノートに字を書く際に「目が近すぎる」と注意されていましたが、視力が落ちたんだろうと思っていました。

 中学に入って、母が買ってきたグリーンノートを使ったところ、その見やすさにビックリ。視覚過敏で白いノートに光が反射して見にくかったことに気付いたそうです。

 今回のツイートについて、ふ~ふさんはこう話します。

 「ノートを取り扱っているバイヤーさんたちに届けばいいなと思ってつぶやきました。拡散した分だけ、需要があるってことを証明できるんじゃないかなって」


「いい時代だなと思いました」


 ふ~ふさんが期待した通りに、メーカーや取扱店が動いてくれる事態に。

 中には「通販で探せばいいのに」「企業に利用されたのでは」「在庫のことも考えた?」といった批判的な声も寄せられたそうです。

 そんな意見に対しては、このようにコメントしています。

 「不快になられた方は申し訳ありませんが、今回こうして発信したことに後悔はありません。改めて、アドバイスや様々な情報をくださり、温かい言葉をかけてくださった皆様、そして反応してくださった文具メーカー様に感謝を申し上げたいと思います」

 そして、こう話します。

 「消費者と生産者がつながるツールが手に入る時代に生まれてよかったな、いい時代だなと思いました」

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