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「わたし、かわいくないから。の呪い」の解毒剤 ブログで告発
女性へのパンプス着用の強制を批判する「#KuToo」運動に取り組むグラビア女優・ライターの石川優実さん(32)は、「女性は見た目のきれいさを求められることが男性よりも多い」と指摘します。小さな頃から「かわいくないといけない」と刷り込まれ、自然と「だってわたし、かわいくないから。の呪い」にかかってしまったと振り返ります。「人の見た目をジャッジする人とは距離を置いて、自分を認めて、呪いから脱してほしい」とエールを送ります。
高校3年生のとき、スカウトされて芸能界に入った石川さん。
「かわいい」を意識し始めたのは中学生の頃でした。
「当時の彼氏が、私と付き合っていたときはそれを隠してたんです。なのに、学年で一番かわいいと言われていた子と付き合った途端、いろんな人に言いふらしていて。かわいくないと人間扱いしてもらえないと思い込んじゃって」
同級生の男の子たちが、簡単に「あの子かわいい」「あいつブス」と言うのも聞きました。
女の子向けの雑誌の特集には「愛され女子になるには」「彼に選ばれるには」という文字がおどります。
「女性は『選ばれる側』『選んでもらう側』なんだ」「選ばれるにはかわいくなければダメだ」「愛されるにはかわいくならなければ…」
そんな思いが積み重なっていったといいます。
石川さんは、2017年12月、#MeTooとして自身の性被害の体験を告白しました。
その内容は、グラビアデビューしたあと、「自分はかわいくないから、エロい露出をするしか道はない」と考えてしまったり、「キャンペーンガールの仕事がある」とだまされて〝枕営業〟をさせられたりといった体験でした。
そんな#MeTooの発信を経て、石川さんは「かわいい」にまつわる「呪い」についても考えるようになりました。
ブログにはこう記しました。
石川さんは、この呪いにかかると、
・彼氏ができても「かわいい子と知り合ったら、すぐ乗り換えられるんだろうな」という不安がつきまとう
・自分で自分をかわいいと思っていないから、人からの褒め言葉を素直に受け取れない
・人が「かわいい」と言われていると、「自分はブス」と言われているように感じてしまう
といった、さまざまな症状が現れると指摘します。
ブログでは、呪いから脱するために、「自分はかわいいと言われたかった」ことを認めて、「毎日、心の自分に『かわいいね』と言おう」と呼びかける石川さん。
ただ、まだ自身も「呪い」から完全に抜け出せてはいないといいます。
「だから、洋服を着るときにも『この服は私が着たいから着ているのか? 誰かに認められたいから?』と尋ねています。自分がどうしたいのか、自分が心地いいことは何なのかを大事にしたいので、それを自分自身に確認するようにしています」
まず自分が自分を認めてあげないと、結局足りないところを探してしまい、きりがないと思うからです。
「誰かに認められなくても、自分が認めてあげていれば生きていけるよと伝えたい」と考えています。
そして、「見た目で人を判断する・ジャッジするというのは恥ずかしいこと」という認識がもっと広まってほしい、と願っています。
3/9、トークイベントです!
— 石川優実@#KuToo署名中 (@ishikawa_yumi) 2019年2月26日
なんかTwitterで「ブスども」みたいなやつ見かけてすごく嫌な気分になっていました、そーゆーお話します🤔
からだのシューレ vol.15「『だって私、かわいくないから』の呪い」ー石川優実×吉野なおトークショー | Peatix https://t.co/MPuLZkhTqm
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3月9日、グラビア女優・ライター石川優実さんと、プラスサイズモデルの吉野なお(Nao)さんのトークイベント「からだのシューレ vol.15 『だって私、かわいくないから』の呪い」が開かれます。
石川さんの書いたブログを読んだなおさんも「私、『かわいくないからの呪い』にかかってました」と言います。「かわいい」って一体なんなの? 女性にとってなぜそんなに大切なの? 参加者のみなさんと考える催しです。
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