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連載

#28 特派員フォトリレー

【激ムズ】世界のどの国かわかる? #信号機クイズ、写真にヒント

この信号機、進んでいいのはどっちの方向なんでしょうか?
この信号機、進んでいいのはどっちの方向なんでしょうか?

目次

さあクイズの続きです。世界のあちこちに住む朝⽇新聞の特派員が、信号機の写真を各地で撮ってきました。似ているようでどこかが違う、背景の中にヒントが写り込んでいる……あなたはどの国の信号機か、見分けられますか?(朝日新聞国際報道部)
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信号クイズ前編はこちら→【ちょいムズ】世界のどの国かわかる?#信号機クイズ、写真にヒント

再びクイズです。どこの信号機?

 というわけで、写真をお見せします。それぞれの信号機がどの国にあるのか、できれば都市名まで、当ててみてください!

 リアルガチの難しさになっています。「ちょいムズ」編から挑戦してくれたあなたのために、最後には正解した数でわかるマニア度分析も載せました。自動集計的なテクノロジーはございませんので、紙と鉛筆を使って勘定してください。

 それでは1枚目。咲き誇るきれいな紫色の花はジャカランダといいます。支柱の黄色は熊本地震の「ライオンデマ」に写り込んでいたものと同じです。
写真1
写真1
正解は、南アフリカの首都プレトリアでした。解説を石原孝記者から。
 「先日、初めて行く取材先の近くで道に迷いました。黒人の女性に尋ねると、『その先のロボットを右に曲がれば着くよ』。ロボットが目印なら分かりやすいと思いきや、しばらく歩いてもロボットなんて見当たらない。別の人に聞いて目的地にたどり着きましたが、危うく遅刻するところでした。

 その話を同僚に伝えると、『ロボットは信号機の意味ですよ』と笑います。なぜロボットなのと尋ねても、『機械で自動的に色が変わるからじゃないですか?』と、なんだか頼りありません」
南アフリカの道路に書かれた「この先ロボット」
南アフリカの道路に書かれた「この先ロボット」
 「そこで言語学者のメストゥリエ・レジェンドさん(63)に語源を聞くと、『100年近く前にイギリスから伝わった言葉です』と教えてくれました。当のイギリスではすぐに死語になったのが、植民地だった南アフリカではそのまま残ったようです。ただ、なぜロボットと名付けられたのかは最後まで分かりませんでした。

 ちなみに、深夜や車通りが少ない場所になると、信号で止まると強盗の危険もあるため、信号無視をしている人もいます」
南アフリカの信号機、引くとこんな感じです
南アフリカの信号機、引くとこんな感じです
 続いて2枚目です。背景に写り込んでいる通りの名前(青地に白文字の看板)がずいぶん長いですね。この国の公用語では、通りは「Straße」という言葉を使います。
写真2
写真2
正解はオーストリアの首都ウィーンでした。吉武祐記者。
 「オーストリアは信号を無視して歩く人が多いですね。車が通らない横断歩道をじっと待っている人がいる一方、その脇をさっさと歩いて渡っていく人がいる。これが日常の光景です。交通量調査をしっかりやって信号の時間を調整しているとは、到底思えません。

 写真は、朝日新聞ウィーン支局近くのリンケ・ウィーンツァイレの横断歩道にある信号機のいくつか。交通量が比較的多い道路です。よく見ると、シーメンス社製のようです」
ウィーンの信号機
ウィーンの信号機
 3枚目は、自転車のマークが入っていますね。うしろを通る太い電線が特徴的。なんとなく日本の下町にもにた風情を感じますが、日系人も多く住んでいる街です。南半球にあります。
写真3
写真3
 正解はブラジルのサンパウロです。岡田玄記者。
 「サンパウロはものすごく起伏があり、街の中心にあるパウリスタ大通りがちょうど丘の背中に当たります。自転車に乗っている人もいますが、日常の移動手段ではなく、どちらかといえばスポーツの一種。それなのに、自転車専用道をつくり、専用の信号があるなんて、意外でした。

 雨が降ると停電し、信号がついていないこともしばしばあります。みんな慣れたもので、そういうときはうまく譲り合って運転してます。普段から譲り合えば、もう少し事故も減ると思うのですが……」
ブラジル・サンパウロの信号機。こちらは消えています
ブラジル・サンパウロの信号機。こちらは消えています

まあ基本的に似てますよね

 4枚目。歩行者信号で、赤になるまでをカウントする数字もあります。人の形が特徴的。国別人口で世界4位という大国です。
写真4
写真4
 正解はインドネシアの首都ジャカルタでした。野上英文記者。
 「ジャカルタでは、交差点を除き、直線道路で車が信号で止まるという交通ルールが浸透していないようです。車道が赤で、横断歩道が青でも、歩行者がまばらと見るや、ガンガン車が突っ込んできます。むちゃくちゃ危ない。

 そこで平日の朝夕や休日などは、マスクをして指示棒をもった警備員が立ち、横断歩道が青になるたびに車の通行を制止しています。信号がある意味はいったい……」
ジャカルタの信号機
ジャカルタの信号機
 「この歩行者用の信号、日本みたいに秒数カウントダウンします。ただ、それが15秒!

 信号が青に変わると、ピ、ピ、ピ、ピとカウントダウンが始まります。そして8秒を切ると、ピピピピピピとせかすように早くなる。片側5車線の横断です。大人がフツーの速度で歩いて、ちょうど15秒ほど。さらにハミ出る車も多数。歩行者には、むちゃくちゃ、せわしないです。青信号に変わる時にスタンバっていないと、横断は間に合いません。

 子供の手を引いて走る大人も見かけました。国民の平均年齢が29歳だからでしょうか、高齢の方にもキツすぎる設定です。カウントダウンが最後の方になると、車やバイクが見切り発車で突っ込んでくるから、誰もが早足になります。

 インドネシアの自動車産業は、9割以上が日本メーカー。ただ、ヒトが車に遠慮して暮らしているような街がジャカルタです。行政や教育によるところが大きいでしょうが、ぜひ交通マナーも一緒に輸出してほしいです」
ジャカルタの信号機
ジャカルタの信号機
 5枚目は南国感あふれる写真ですが、通行中のバス後部に「36」と書かれていますね。「YBS」というアルファベットを挟んで左側にあるぐにゃりとしたやつがこの国の数字で、やはり「36」を表しています。
写真5
写真5
 正解は、ミャンマーの最大都市ヤンゴン。染田屋竜太記者です。
 「どこもかしこも交通渋滞がひどい東南アジア。ヤンゴンも例外ではありません。特に朝夕の通勤、通学時間帯は車がまったく動かなくなることもしばしば。ただ、理由は分かりやすく、交通マナーがイマイチな点です。路上駐車も割り込みも当たり前。もう少しゆずり合い精神があれば、変わるのではないかなあ、と思っています。

 また、ヤンゴンの大きな特徴はバイクがいないこと。政府が2輪車の通行を規制しているため、他の東南アジアの国々ではかなりの数が走っているバイクを見ません。『それが交通渋滞を緩和している』という声もあれば、『みんなが車に乗るから渋滞がひどくなっている』という意見もあり、見解は分かれています」
ミャンマー・ヤンゴンの信号機(ちょっと引いたところ)
ミャンマー・ヤンゴンの信号機(ちょっと引いたところ)
 6枚目は背景の文字をよく見てください。アルファベットですが、ちょっと特徴的ですね。この国の公用語は英語ではありません。
写真6
写真6
 正解は、ベトナムの首都ハノイにある信号機です。鈴木暁子記者。
 「この国では道路の王様はバイクです。歩行者がいてもだれも止まってくれません。多分だれも信号を信用していないのではないか。少なくとも私は、信号が青だろうと赤だろうと、右と左と前と後ろを見ながら渡ります。でないとはねられて、ボーっと信号渡ってんじゃねえよ!と、天国で叱られることになりかねません。

 信号がないところも多いので、あると逆に、何に従ったらいいのだろう、ここを通る人は信号のルールというものがあることに合意しているのだろうか……と、何を信じていいのかわからなくなります。ない方が、己の感覚を信じるしかないので逆にわかりやすい気がします」
ベトナム・ハノイの信号機
ベトナム・ハノイの信号機

わかったら大したもんです

 7枚目の信号機が点灯する歩行者は、これまでご紹介した信号機とはちょっと違う写実的なテイストですね。国名を判別するヒントになるのは、陸橋にとりつけられた広告看板に書かれた数字と文字。
写真7
写真7
 正解はイランの首都テヘラン。看板に書かれていたのはペルシャ語です。杉崎慎弥記者から。
 「テヘラン北部の高速道路と、テヘランの目抜き通りであるバリアスル通りが交差するパークウェイの信号です。

 普段は90秒までの数字が点灯していますが、ときたま「PO」(Police Operation)となって交通警察が手動にして管理します。とかく渋滞が深刻なテヘランですが、信号機が少ないのでみんな慣れていないのか無視する人も多く、POになって警察が手動で管理しているときの方がかえて混み合っている印象です。

 信号機は車や歩行者のアイコンがアニメーションのように動き、いかついイランのイメージとは違って少々かわいらしい感じです」
イラン・テヘランの信号機
イラン・テヘランの信号機
 8枚目の信号機は消えてしまっています。首都なんですが、故障しているものが目立つそうです。歩いている男性の服装は「シャルワール・カミーズ」と呼ばれるこの地方の民族衣装。
写真8
写真8
 正解は、パキスタンの首都イスラマバードでした。乗京真知記者。
 「パキスタンには、あまり信号機がありません。田舎ではロバや馬がまだまだ現役で、車自体が少ないからです。都市部では、大きな交差点に信号機がありますが、故障しているものが目立ちます。

 たとえ光っていても、正常に働いている保証はないので、自分の目と耳が頼りです。昼間は見通しが利くので、車も人も、牛も羊も、気ままに走っています。

 困るのは、夜間の渋滞時。禁酒国なので酒酔い運転はありませんが、逆走したり割り込んだり、気ままさはピークに達します。

 ちなみに人口2億人超のパキスタンでは、乗用車の90%以上がトヨタやホンダなど日本車で「世界一の日本車愛好国」と言われています。日本からの中古車輸入も多いため、車好きにはたまらない旧車が活躍しています」
パキスタン・イスラマバードの信号機がある交差点、夜の様子
パキスタン・イスラマバードの信号機がある交差点、夜の様子

 9枚目の信号機は、見ての通り寒冷地にあります。北極圏にある島で、面積の大きさで知られています。

写真9
写真9
 正解は、デンマークのグリーンランドでした。下司佳代子記者。
 「デンマークの一部であるグリーンランドは、面積が日本の約6倍もあるのに人口は5万7千人ほど。広大な氷の大地のごく一部に、人々が固まって住んでいます。
 わたしが訪れた中心都市ヌークは人口1万7千人程度のこじんまりとした街で、雪山や海を眺めながら車で15分も走れば大体の目的地に行けました。
 なだらかな起伏のある土地に、幅が広く見通しのいい片道一車線の道路がゆったりと走り、信号機は街全体でも数えられるほど。危険運転とも渋滞とも無縁にみえました」
 10枚目、最後はファミコン、いやゲームウォッチのキャラクターのようなかわいい信号機。これはもう、どうヒントを出してもわかる人はいないと思うので、あえてノーヒントで。
写真10
写真10
 正解は、モンゴルとの国境に近い中国・内モンゴル自治区アルシャンという小都市でした。西村大輔記者です。
 「アルシャンは内モンゴル自治区の大興安嶺南西山麓に位置し、広大な草原が広がり、夏場の観光地になっています。満州国時代に日本人が建てた駅舎などが今も残っています。

 田舎町なので、交通量はそれほど多くなく、信号待ちをしている住民もあまりいないほど。馬を乗る人はよく見かけました。それでも、こんな複雑な信号表示が必要なのか、首をかしげてしまいます」
中国・アルシャンの信号機
中国・アルシャンの信号機
 「自動車と自転車と歩行者への指示をまとめたかった気持ちは分かるのですが、情報をまとめると分かりづらくなることもあるんですね。

 四方に向いた矢印が全部『青』になったときに、一瞬、自分がどこに行けば良いのかわからなくなるような錯覚に陥りました。

 乗馬用の信号がさらに付け加えられたら、さらに混乱すると思います」
中国・アルシャンの信号機
中国・アルシャンの信号機

 終了! お疲れさまでした。あなたは何問わかりましたか?

正解数0問:胸を張ってください。生きるのに必要な知識ではまったくないんです。
1~4問:悲観することはありません。これだけわかれば十分すごい。
5~8問:あなたはかなりの腕前。「信号機マニアだ」と周囲の人に自慢しましょう。
9~12問:えっ、ひょっとしてクイズ王? ヒントから答えを導く力、さすがです。
13~15問:おみそれしました。世界を飛び回るスーパーエリートに記事を読んでいただけるとは。
16~18問:主は来ませり、主は来ませり! 地球を、人をつくりたもうたのはあなたですか?
19問:あなたは内モンゴルのアルシャンに行ったことがある人です。

 しかし、特派員の情報を総合すると、世界の非常に広い範囲で、信号って守られていないようですね。もしくは点灯していない。

 以上、世界の信号機でした!

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