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やすまるさんからの取材リクエスト

海外の卒業式はどんなものなのでしょう?



「仰げば尊し」なんて地味? 過激で愛にあふれる「世界の卒業式」

噴水へのダイブで喜びを全身で表現するウクライナの卒業生たち
噴水へのダイブで喜びを全身で表現するウクライナの卒業生たち 出典: ロイター

目次

取材リクエスト内容

海外の卒業式はどんなものなのでしょう? やすまる

記者がお答えします!

 日本では「仰げば尊し」が歌われることが多い卒業式ですが、海外ではどんな「定番」があるのでしょうか? 「日の出を見るため泳ぐ」「風船を飛ばして願い事をする」「コピぺに感謝する」。世界の過激で愛にあふれる卒業式を調べてみました。

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ここでも帽子投げか!

 イギリスではアメリカの映画などでおなじみの「帽子を投げる」大学が少なくないそうです。また、プロムと呼ばれる、フォーマルなダンスパーティを開催する学校(大学と高校)もあります。

 一方、フランスの卒業式は比較的控えめという声が多かったです。卒業式がない大学もあり、卒業証書なども基本的に郵送でもらうそうです。ただ、最近は、アメリカの大学を真似て、帽子を投げるところも増えているそうです。

イギリスのウォーリック大学で帽子を投げる卒業生
イギリスのウォーリック大学で帽子を投げる卒業生 出典: ロイター

オゲレツソング

 イタリアは都市ごとに異なります。例えばパドヴァ(Padova)地方では、「ステッカ」(Stecca)と呼ばれる羊皮紙を送る習慣があるそうです。そこには、絵や詩などが書かれており、在学中の「おもしろエピソード」もついているそうです。

 イタリアで比較的、共通している「定番」は「月桂樹の冠をかぶる」こと。冠には専攻ごとに色の違うリボンがついています。

 卒業式が終わると、友人たちによるパーティが始まります。お酒を飲みながら騒ぎ、ちょっと「オゲレツ」な歌も歌われます。

 歌詞は例えば、こんな感じです……。 

 「Doctor,doctor,assholedoctor! Go fuck yourself……(ドクター=卒業生のこと、ドクター、アスホールドクター! いい加減にしなさい……)」

イタリアで定番の月桂樹の冠
イタリアで定番の月桂樹の冠 出典:https://pixta.jp/

正装のまま泳ぐ

 次はウクライナです。

 旧ソ連圏のいくつか国では、卒業式は二つあるそうです。一つ目は、授業の最終日(5月25日頃)で、もう一つは卒業試験とセンター試験が終わり、6月末に開催される本格的な卒業式です。 

 5月の卒業式では、学生たちが正装か民族衣装の刺繍シャツを着て、願い事を込めて持参した風船を空に飛ばす習慣があるそうです。学校によって、卒業生同士がワルツを踊るという習慣もあります。

 その後、街を散歩し、噴水で泳ぐ卒業生もいます。噴水で泳ぐ習慣は特にウクライナの首都キエフで多いそうです。

 そして6月末の本格的な卒業式では、正装した卒業生たちが学校で卒業証書を渡された後、レストランやナイトクラブなどでダンスパーティを開きます。

 パーティは朝まで続くことが多く、お開きになった後、卒業生たちは日の出の見える場所に向かいます。

 ウクライナなどロシア各地で日の出は「新生活の象徴」とされています。川や海などの沿岸で日の出を見た卒業生たちは、正装した姿のまま泳いでしまうそうです。

ウクライナの卒業生たち、噴水にダイブし喜びを全身で表現している
ウクライナの卒業生たち、噴水にダイブし喜びを全身で表現している 出典: ロイター

小麦粉をかけ合う

 韓国では、小麦粉をかけ合ったり、制服を裂いてしまったりするのが「定番」でした。ただ、最近は古い習慣だと言われ、なくなりつつあるそうです。
 
 参考書やノートなどを教室の窓から投げる「定番」もあります。日本の大学で学ぶ韓国人留学生の一人は「私も、卒業式の日に5階の教室から参考書を投げたことがあります」と明かします。

 最近は「ハンボク(韓服)」という伝統衣装を着る学校も増えているそうです。

韓国の伝統衣装を着る卒業生たち
韓国の伝統衣装を着る卒業生たち 出典: ロイター

風船飛ばす

 社会主義国家のベトナムでは、大学の卒業式で国歌を歌うことが「定番」です。高校の卒業式でも国歌は歌いますが、ダンスや劇、ラップなどのパフォーマンスもあるそうです。

 同級生たちは卒業式の後に、互いにハグし、さようならを言い、風船を飛ばすこともあります。「風船のように高く飛びたい」という願いが込められているそうです。

謎の横断幕

 同じ社会主義国家の中国ですが、高校はあまり卒業式がなく、大学の卒業式もほとんど卒業証書などを授与するだけで、国歌を歌うこともありません。

 しかし、大学の卒業シーズンに合わせて、寮があるキャンパス内に「異変」が起きます。その一つは謎の横断幕です。

「大学を卒業したが、青春は卒業していない」
「未熟な歳月もあったが、われわれが共に過ごしてきた」
「将来はあなたたちが誰かの夫(妻)になるだろうが、あなたたちは永遠にわれわれの好い同級生だ」

 また、勉強漬けだった学生生活のストレス発散のため、魔法瓶などを窓から捨てる学生もいるそうです。

 高校では「高考(ガオカオ)」と呼ばれる大学入試の後、学生たちは教科書やノートなどを破って捨てる「定番」もあります。最近では、掃除が大変という理由で「破り捨て禁止令」を出す高校も多くなっています。

 その土地ならではの「定番」もあります。湖南省瀏陽(りゅうよう)市は花火の名産地として知られており、地元の高校が、卒業生のために夏の夜に20分ほどの花火を打ち上げることが定番になっています。

中国の復旦(ふくたん)大学の卒業生たち
中国の復旦(ふくたん)大学の卒業生たち 出典: ロイター

制服に落書きする

 インドネシアの高校の卒業式は、カラフルでユニークです。

 生徒たちは卒業式で制服に落書きをするのです。

 「これから大人の世界に入るから、真っ白な制服がもう必要ない」という意味が込められているそうです。

制服に落書きをするインドネシアの卒業生たち
制服に落書きをするインドネシアの卒業生たち 出典: ロイター

残念なニックネームをもらう

 同じ専攻同士で学部の結束が強いのがパキスタンです。

 大学の卒業式の数週間前から、学部単位でTシャツをデザインします。ジョークっぽい言葉を書いて、自分の名前も入れます。

 例えば「コピぺに感謝する」「Wikipediaに感謝する」などなど。

 卒業式では、みんなでデザインしたTシャツを着て記念写真を撮ります。

 学部では「さようならパーティ」も開催されます。

 卒業生がステージに上がり、後輩たちからニックネームが贈られます。

 例えば最も高いGPA(学生の成績評価値)を獲得した卒業生は「オタク(THE NERD)」の名前が贈呈されます。

 日本に留学する学生の一人は「『いたずらっ子』(naughty guy)というニックネームを後輩からもらいました(笑)」と明かします。

 「ニックネームはきれいにデザインされた紙に書かれて、賞状のような感じです。その後、ダンスクラブに行き、食事などが続きます」

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