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連載

#27 城崎広告「会社員のモヤモヤ」

雑談の極意、「何を話すか」ではなかった! 自然に盛り上がる会話術

目次

 サラリーマンの日々をキャラ化した「城崎広告」のメンバーが日頃感じている疑問を、withnews編集部がフカボリ取材する「会社員のモヤモヤ」。26回目は「GW直前の旅行の予約」についてです。
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【「withnews」×「城崎広告」コラボの経緯はこちら】

今回の登場人物

菱乃木賢悟
事業推進部所属の32歳。新たな価値とガジェットを創造し続ける天才肌のメカニック。趣味は工作と家電新製品チェック。

 

千歳原教次
40歳の営業部部長。経験豊富で、他人に厳しく自分にはより一層厳しい。趣味はオーディオとバイク。

 

倉知蓮
事業推進部所属の26歳。独特のセンスを発揮するビジュアルデザイナー。趣味はネットサーフィンとアイドル。

 

菱乃木

こんなに気持ちいい朝なのに、2人とも空気が重いよ~?

 

千歳原

そうか? 普通に挨拶して歩いていただけだが。

 

倉知

えーと……そうですね、挨拶は大事ですよね……

 

菱乃木

れんれん、目が泳いでるよ。

 

倉知

いえそんな……すみません、おれ、こういう時うまいこと言えないんで。

 

千歳原

別にうまいことを言う必要もないと思うぞ。

 

菱乃木

うーん、平行線な感じ? じゃ、今回はこれについて取材してもらっちゃおうよ!

 もうすぐ5月になります。4月に環境が変わった人は1カ月が経ちますね。新しい環境にすっかり溶け込んだ人もいれば、これから…という人もいるでしょう。特にこの時期は、まだ関係が築ききれていない人の方が多いのではないでしょうか。

 人との距離を縮める時に、大きな役割を果たすのが雑談です。あなたはどんなことを意識しながら会話をしていますか?
 今回は、上司との駅から会社までの時間を例に、得意な人も苦手な人も、一度試してみたい雑談のテクニックをコミュニケーションに関するビジネス書を数多く手がける松橋良紀さんに聞きました。

松橋良紀さん
松橋良紀さん
 あなたは「雑談」得意ですか? 昔から得意な人もいれば、ずっと苦手という人もいるのではないでしょうか? 苦手な人も、得意な人もせっかくの機会を生かして、「気まずい相手」を「自分を応援してくれる人」に変えていってもらえたらと思います。
 
 突然ですが、朝の通勤時に駅であまり話したことのない、隣の部署の上司とばったり会いました。挨拶はしたことあるので、お互い顔だけは知っている状態です。
 
 今、何を思いましたか? 「何を話そう…」。そう思ったのではないでしょうか。実はそこが、雑談が盛り上がりにくかったり、苦手だと思ってしまう原因だったりします。
 
「ちゃんとしたことを話さないと…」と思っていることが、雑談への最大のブレーキになってしまっているのです。

 

菱乃木

おおっ、実践的に教えてくれそうだね! れんれんの雑談力がメキメキ鍛えられちゃうかも!?

 

倉知

えっ、そ、そうですね……(荷が重い……)

何を「話すか」ではなく、何を「聞くか」

 対策はシンプルです。相手から「何を聞くか」を意識しましょう。言い換えると相手に「何を話させるか」を意識するということです。では、どんな話をしてもらうのが良いでしょうか?
 いろいろなパターンがありますが、相手の自慢話を聞くというのが定番です。まずはサラリーマンっぽさが強い「舎弟褒め」というテクニックをご紹介したいと思います。これは、相手の長所を前提として、その理由を聞くという方法です。

 例えば、営業成績が良い先輩がいたとします。営業成績が良いことを褒めるのではなく、営業成績の良い理由を聞くということです。具体的には、「○○さんは、いつも営業成績がトップですが、なぜいつも成績が良いんですか?」といった聞き方です。
 良いところだけを褒められると「いやいや、自分なんて…」と謙遜されてしまうところを、成功要因を聞くことで、「あれは△△があってね…」といった形で「良かった理由はなんだろう?」という質問に意識が向いて、ほめ言葉はそのまま受け取ってもらえます。するとあなたに対する印象度もアップします。
 また、アドバイスをもらうというのも一つの方法です。自分が悩んでいることや、困っていること、失敗談を相手に話してアドバイスをもらってみましょう。
 仕事でした軽いミスや、日常での失敗談が良いでしょう。人によって様々ですが、例えば「ゴルフのスコアが伸びなくて…」といったものや、「取引先との飲み会をどう盛り上げたら…」といった、深刻過ぎない悩みの方が、アドバイスする側としても話しやすいのでおすすめです。すごく盛り上がると、「続きは飲みながら…」となるのではないでしょうか。成功している人には教え好きが多いですので、この悩み相談がきっかけで、あなたの心強い応援者になってくれる可能性も広がります。
 
 ただ、そのときに気を付けたいのが、上司や同僚の愚痴になるような話は避けましょう。まわりまわって本人に伝わってしまうことがよくあります。
 アドバイスついでに、聞けそうであればおすすめの本を聞けると更に良いです。好きな本からは、相手が人生で大事にしていることや信念を、推し量ることができます。もしかしたら、そこから思ってもみない有意義な情報が得られるかもしれません。

 

倉知

何を話すか、じゃなくて、何を聞くかを考える……! すごい、目から鱗かも。

 

千歳原

俺相手にそう肩肘はることはないんだが。しかし、このテクニックは雑談全般で活かすことができそうだ。

 

倉知

千歳原さんの武勇伝きいてたら、すぐ会社つきそうですよね。

「逃げる」のもあり

 最後に、相手によっては「どうしても無理…」というケースもあると思います。そういった時、実は相手も気を遣っている状態のことが多いです。おすすめはしませんが、その場面から逃げるときもあっていいと思います。その場合は「すみません、電話が…」と言って、電話を口実にその場を離れましょう。
 
 ちょっとした顔見知りが、予期せぬきっかけから親しい関係に変わることがあります。上記のような雑談のテクニックを知っておくことで、人生が大きく変わるかもしれません。「運は人が運んでくる」といいます。
 一人でも多くの人とつながって、運を運んでくれる人を増やして、一人でも応援者を増やしていくために使っていただければうれしいです。

 

菱乃木

ちーサンもれんれんにもっと話しかけちゃえばよかったんじゃない? あ、ひょっとして逃げたかった?

 

千歳原

何故俺が倉知から逃げる必要がある。特段話すこともなかったから、そのまま歩いていただけだ。

 

菱乃木

ちーサン、黙ってると顔がコワイんだから、そんな風にしてるとみんなに逃げられちゃうかも?

取材を終えて~「城崎広告」より~

 

倉知

雑談のコツは話すより聞くことだったんですね。

 

菱乃木

発想の転換は大事だよね! まあボクは、どっちかっていうと喋りたいこといっぱいあるから、聞いててほしいんだけどな~。

 

千歳原

賢悟のマシンガントークはすさまじいからな……

 

菱乃木

あれっ、そういえばちーサン、ボクと話してる時電話かかってくること多くない? あれってもしかして逃げてる?

 

千歳原

馬鹿を言うな。お前の話が終わらないから、本当に呼び出しや連絡がきているだけだ。

 

倉知

……この3人で通勤だったら、おれ、ラクだな。

 

菱乃木

あはっ。それにしてもれんれんも朝から大あくびなんて、目立っちゃうよ!

 

千歳原

……ん? 倉知のあくびをお前も見ていたのか?

 

菱乃木

あ。

 

倉知

うわ、ひょっとして賢悟さん、一部始終を眺めてたんですか……?

 

菱乃木

ゴメンゴメン! なんか2人の様子が面白くてつい観察しちゃったんだよ! 次はもっと早く声をかけるね!

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