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パンダ人気の今、思い出したい…タイ王室がくれた「一番の贈り物」

2006年6月12日、プミポン国王(右)の即位60年を記念する祝典に出席し、天皇陛下に続いて国王に歩み寄る皇后さま=代表撮影
2006年6月12日、プミポン国王(右)の即位60年を記念する祝典に出席し、天皇陛下に続いて国王に歩み寄る皇后さま=代表撮影

 日本の皇室とタイの王室は、深い縁があります。そんなタイが、皇太子家の長女愛子さまの誕生を記念して贈ったプレゼントがあります。タイのバンサーン・ブンナーク駐日大使(58)が「タイで一番すばらしい贈り物」という存在。実は、誰でも見ることができる「贈り物」について、バンサーン大使に聞きました。

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駐日タイ大使館のバンサーン・ブンナーク大使
駐日タイ大使館のバンサーン・ブンナーク大使 出典: 朝日新聞社

――東京で暮らして2年が過ぎました。お気に入りの場所はできましたか?

「上野公園はいいですね。博物館や美術館があって、春になればお花見を楽しめる。日本の良さや暮らしぶりが凝縮されていると思います。タイから知り合いが来ると、上野に連れていくことが多い。2カ月に1度ぐらい訪れています」

「中でもお気に入りは上野動物園です。タイから贈られた2頭のゾウ、オスの『アティ』とメスの『ウタイ』に会えるからです。上野にはいまオスが1頭、メスが3頭おります。ウタイは2頭のメスのインドゾウと一緒にいますが、体が小さいので、ぱっと見ただけで見分けられます」

タイから贈られたメスの「ウタイ」(手前)。ゾウ舎の中では体が小さい
タイから贈られたメスの「ウタイ」(手前)。ゾウ舎の中では体が小さい 出典: 朝日新聞社

――愛着が伝わってきます。タイ国民にとってゾウとはどんな存在ですか?

「タイ人にとってゾウは特別な存在です。我々の生活に密接に関わってきた分、思い入れがあります。かつて王様がゾウに乗って戦に向かった時代もありました。切り倒した木材を運ぶなど、インフラ整備にも重要な役割を果たしてきました」

「勲章のデザインにも用いられています。2012年に公務員として最高位の勲章をいただきましたが、そこには白いゾウがかたどられています。ゾウは非常に頭が良く、尊敬と同時に親しみ深い身近な存在でもあるのです」

バンサーン・ブンナーク大使の勲章。白いゾウがかたどられている
バンサーン・ブンナーク大使の勲章。白いゾウがかたどられている 出典: 朝日新聞社

――タイから日本に来たゾウも少なくありません

「タイ国民にとって大切なゾウですから、どの国に対しても贈るわけではありません。アティとウタイが上野にやってきたのは2002年。皇太子家の長女愛子さまのご誕生を記念して贈りました」

「タイ王室と日本の皇室は親密な関係にあります。大切な友人である日本に友好を示すには、タイで一番すばらしい贈り物をする。それが私たちタイ国民が愛してやまないゾウなのです」

タイの大使公邸。ゴシックスタイルの洋館で、1934年に完成した
タイの大使公邸。ゴシックスタイルの洋館で、1934年に完成した 出典: 朝日新聞社

     ◇
 バンサーン・ブンナーク大使はタイ・バンコク出身。2016年1月から現職。31年前、新婚旅行で来日した経験があり「日本人のホスピタリティーに感銘を受けた」。家族は妻と子ども2人。58歳。

 在日タイ大使館の所在地は品川区上大崎。大使館横にはゴシックスタイルの大使公邸がある。1931年にヒゲタ醤油創業家の10代目浜口吉右衛門氏が土地を購入し、34年に洋館が完成した。43年にはタイ王国が購入し大使公邸に。何度か修復されながら、いまに受け継がれている。

 上野動物園のゾウ オスのアティが21歳、メスのウタイは20歳。皇太子家の長女愛子さまの誕生記念と、日本のNGOの植林活動へのお礼としてタイから贈られた。ほか2頭のインドゾウがいる。ゾウ舎の改修のため2月20日から4月中旬まで、インドゾウ1頭のみの屋内展示となる。

タイ大使公邸の1階大広間。時折、レセプションなどが開かれる
タイ大使公邸の1階大広間。時折、レセプションなどが開かれる 出典: 朝日新聞社
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