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お金と仕事

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前代未聞の白紙チラシ「サミット」緊迫の舞台裏「危険すぎる」

チラシの半分が白紙?
チラシの半分が白紙? 出典: サミット提供

目次

 東京都にまつわる人やモノの中で、都内での検索数が今年最も急上昇したワードは「サミットチラシ」――そんな結果が、「Yahoo!検索大賞2017」で紹介されました。

サミットストア 西永福店=東京都杉並区
サミットストア 西永福店=東京都杉並区

 「サミット」とは、首都圏に112店舗を展開するスーパー「サミットストア」のこと。そのサミットのチラシがほぼ白紙だったり、仕入れ担当のバイヤーが政治家やプロ野球選手に扮して商品をPRしたり――冒険的な企画に次々と挑戦する紙面に、「おもしろい」と注目が集まりました。

 今回は、サミットでチラシの企画を担当する営業企画部の中里雄さんに話を聞きました。

サミット営業企画部の中里雄さん
サミット営業企画部の中里雄さん

チラシが白紙?

 今年の10月4日に配られたサミットのチラシをご覧ください。

今年10月4日に配られたサミットチラシ。半分が白紙です
今年10月4日に配られたサミットチラシ。半分が白紙です 出典: サミット提供

 なんと、片面の半分がほぼ白紙のチラシ。「超特価品が満載!!」と言っておきながら、「詳しくは店頭で」と商品や値段に全く触れていません。目的地の分からない「ミステリーツアー」のように、当日にお店に行かないと分からない企画です。

「来店してわかる超特価品が満載!! 詳しくは店頭で」と書かれた白紙チラシ
「来店してわかる超特価品が満載!! 詳しくは店頭で」と書かれた白紙チラシ 出典: サミット提供

 この超攻めている企画には「危険すぎる」「あおるのもいいけど、安さへの期待を裏切ったら申し訳ない」と、社内でも反対意見も多かったといいます。なので、「十五夜」にちなんで「終日ポイント○○倍」と特典をつけたり、事前のチラシで「10月4日に何かがある…」とにおわせたりと周到に準備を重ねました。

事前に10月4日のセールをチラシでPR。「週刊爽美都(サミット)」の中吊り広告風です
事前に10月4日のセールをチラシでPR。「週刊爽美都(サミット)」の中吊り広告風です 出典: サミット提供

 ただ、特価商品については、ホームページでも全く見せず、実際にお店に行かないと分からないようにしました。お店では、特価商品を書いたチラシを掲示・配布したり、売り場の地図を作ったりと準備。「不安でいっぱい」だったそうですが、謎のベールに包まれたセールが気になったお客で大盛況となり、当日は平日の売り上げの過去最高を記録しました。

 ちなみに、「サミットチラシ」の検索数がヤフーで最も上昇したのは、この「白紙チラシ」が配られた10月4日でした。

ユニークなチラシ、きっかけは

 ユニークなチラシをつくるきっかけになったのは、今年6~7月に実施した「総菜選挙」でした。

「総菜選挙」をPRするチラシ
「総菜選挙」をPRするチラシ 出典: サミット提供

 サミットは2017年度、「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」を事業ビジョンに掲げました。その中で、「総菜のおいしさをどう伝えたらいいのか。AKB48、マクドナルドは総選挙をしている。サミットでもできないか」という話になり、企画が始まりました。

 総菜担当の各バイヤーは自信の一品を「出馬」させ、お客さんが各店舗で支持する総菜に投票。投票期間は、今年の都議選の投開票日だった7月2日までの12日間としました。各候補は増量やセールなどの公約を掲げ、1位となり「当選」した総菜は公約を実行します。

 準備をするうちに、選挙への熱はぐんぐん上昇。「チラシでも半面使ってPRしよう」ということになり、各バイヤーがたすきにはちまき姿でチラシに登場しました。各店舗では、選挙カーに見立てた試食台を設けたり、従業員が支持政党を書いたたすきを身につけたりと、店側も独自で総菜選挙を盛り上げました。

「ヘルシー党」から出馬した「7種野菜のポテトサラダ」
「ヘルシー党」から出馬した「7種野菜のポテトサラダ」 出典: サミット提供
「スタミナ新党」から出馬した「鰻まぶし御飯」
「スタミナ新党」から出馬した「鰻まぶし御飯」 出典: サミット提供
海鮮維新の会から出馬した「にぎり寿司 旬鮮」
海鮮維新の会から出馬した「にぎり寿司 旬鮮」 出典: サミット提供

総菜選挙の結果は…

 投票結果は「桜姫鶏の焼とり」が「から揚」との接戦を制して当選。

 当選を伝えるチラシを「爽美都(サミット)新聞」と題して、投票結果や各党のコメントを載せた号外を店舗内で配りました。

「総菜選挙」で「焼とり」の当選を伝えた号外チラシ
「総菜選挙」で「焼とり」の当選を伝えた号外チラシ 出典: サミット提供

 公約通り、焼とりは6日間の「史上最安値 88円セール」を実施しました。

 店によっては売り切れの事態となり、当選直後にいきなり「公約違反」が出てしまうほどの大盛況。期間中に過去最高となる41万本を売り上げました。また、選挙の盛り上がりもあり、投票期間中の総菜の売り上げも上がったそうです。

前年受賞は「小池百合子」

 「Yahoo!検索大賞2017」で「サミットチラシ」が受賞したのは「東京都部門賞」。2016年に同じ賞を受賞したのは「小池百合子」でした。
 
 中里さんは受賞に「有名ではない限り選ばれると思っていなかったので、ポカーンって感じです。チラシは冒険でしたけど、だからこそよかったのかな。普通なら『チラシで客を集めてくれるでしょ』という感じですが、店やバイヤーが『自分たちも頑張らないと』と一生懸命になってくれました」と話します。

ユニークチラシ、他にも

プロ野球のオールスターゲームにちなんだチラシ
プロ野球のオールスターゲームにちなんだチラシ 出典: サミット提供

 7月にはプロ野球のオールスターゲームにちなみ、「オールスターセール」を開催。バイヤー10人が選手に扮し、チラシに登場しました。

サッカー日本代表、W杯アジア最終予選の豪州戦をモチーフにしたチラシ
サッカー日本代表、W杯アジア最終予選の豪州戦をモチーフにしたチラシ 出典: サミット提供

 サッカー日本代表がW杯本大会出場をかけ、アジア最終予選の豪州戦に挑んだ8月。大人の事情で、「W杯アジア最終予選の豪州戦」を直接的に表現できなかったそうで、「今日は絶対に勝つ!」「バイヤー11人の8月度予算達成を懸けた熱き戦い」など、暗に豪州戦をにおわす表現を使いました。

 また、「オーストラリアを食べつくせ!」というオーストラリアセール、また、日本代表のオフィシャルパートナーであるキリンの商品のセールを並べ、さらに豪州戦感を醸し出しました。

「ブラックフライデー」の逆を行く「ホワイトフライデー」のチラシ
「ブラックフライデー」の逆を行く「ホワイトフライデー」のチラシ 出典: サミット提供

 11月、近年では日本のスーパーなどでも広まりつつある「ブラックフライデー」にちなみ、サミットが打ち出したのは、あえての「ホワイトフライデー」。白い商品を並べました。

年末も攻めるサミット

バイヤーが歌手に扮して商品をPRする「紅白食合戦」
バイヤーが歌手に扮して商品をPRする「紅白食合戦」 出典: サミット提供

 12月31日には「紅白食合戦」を企画するサミット。バイヤーが歌手に扮し、年末年始に食べてほしい商品を販売します。

 果物のバイヤーは「椎名苺」という歌手に扮して「あまおう」をPR。パンのバイヤーは「粉ブクロ」に扮するなど、商品やバイヤーの担当にひっかけたものになっています。

 

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