MENU CLOSE

地元

サーフィン中に車6台盗難 いずれも「鍵を車体に」、一体どうして?

大洗サンビーチでサーフィンをする人たち=2011年12月
大洗サンビーチでサーフィンをする人たち=2011年12月 出典: 朝日新聞

目次

 10月の3連休最終日の9日、茨城県大洗町の海水浴場でサーフィンに来ていた男性たちの車6台が相次いで盗まれる事件がありました。サーフィンを楽しんでいる時に犯行に及ぶという許せない事件ですが、被害に遭った人たちには「車体の下などにキーボックスを保管」といった共通点がありました。どうして鍵を持ち歩かないのか、安心してサーフィンを楽しむにはどうすればいいのか。日本サーフィン連盟などに聞きました。

【PR】「あの時、学校でR-1飲んでたね」
盗難事件の駐車場に隣接する「大洗サンビーチ」=2015年8月
盗難事件の駐車場に隣接する「大洗サンビーチ」=2015年8月 出典: 朝日新聞

水避けるため、電子キーはキーボックスに

 警察によると、事件は9日午後2時から4時半ごろにかけて、大洗町の海水浴場「大洗サンビーチ」の駐車場で起きました。サーファーたちの間で大洗は、茨城県内の人気スポットです。

 被害に遭ったのは、茨城県内外からサーフィンに来ていた30~60代の男性で、ランドローバーやプリウス、ハイエースなど乗用車6台(計910万円相当)のほか、車内の現金や腕時計なども盗まれました。

 盗まれた車には施錠がされていましたが、鍵は車体の下などに取り付けたキーボックスで保管していました。警察は、何者かがキーボックスを壊して鍵を手に入れ、車ごと持ち去ったとみて捜査をしています。

 9日午後2時から4時半ごろにかけて、大洗町大貫町の「大洗サンビーチ駐車場」で、自動車6台と車内の貴重品などが盗まれる被害が相次いだ。
 水戸署によると、被害に遭ったのは30~60代の男性で、乗用車6台(計910万円相当)のほか、車内の現金や腕時計なども盗まれたという。男性はいずれも県内外からサーフィンに来ていたという。
 車は施錠されていたが、車体の下などに取り付けたキーボックスが壊されていたという。署は、何者かがキーを使って、車ごと持ち去ったとみて調べる。
2017年10月11日朝日新聞茨城版:大洗で連続車窃盗の疑い

 サーフィン関係者によると、こうしたキーボックスは「サーフロック」と呼ばれます。販売サイトの商品説明などによると、鍵が入る大きさのダイヤル式南京錠のタイプが多く、サーフィンをしている間は車体の下などに取り付けておきます。

 電子キーの場合、身につけたままサーフィンをすると水に触れて故障する可能性が高いことから、サーフロックを使うことが多いそうです。地元のサーファーは「ロックが壊されて、短時間で6台も盗まれた話は聞いたことがない。サーファーが鍵を隠す所を遠目から見ていて犯行に及ぶ、プロが関わっているのでは」と話します。

電子キーの場合、キーボックスで保管するケースが多いという(写真はイメージです)
電子キーの場合、キーボックスで保管するケースが多いという(写真はイメージです) 出典:https://pixta.jp/

被害現場、車上荒らしも相次ぐ

 大洗町商工観光課によると、被害現場は3千~4千台が駐車できる駐車場で、無料で開放されています。夏の海水浴期間(今年は7月15日~8月20日)は有料なので、警備員が数人巡回していますが、それ以外の時期は無人になるそうです。

 それでも今年は、海水浴期間中も車上荒らしが相次ぎ、町は急きょ、注意を呼びかけるのぼりを20本ほど立てました。津波対策のため、海岸と駐車場の間に堤防ができたことから、「海側から車を確認出来ない死角が増えた」と指摘する人もいます。

津波対策として完成した大洗サンビーチの一時避難所=2017年7月
津波対策として完成した大洗サンビーチの一時避難所=2017年7月 出典: 朝日新聞

スペアキーの活用を

 日本サーフィン連盟によると、こうした車の被害は各地であるそうですが、組織的な防犯対策は難しいのが現状のようです。まずは個人の防犯意識の向上に期待しており、電子キーを使うサーファーについては、「電子キーではなく、水中でも問題ない金属のスペアキーで施錠し、サーフィン中は身につけておくのも一つの手」と話します。

 千葉県内のあるサーフショップでも、サーフロックではなく、スペアキーでの施錠を数年前から推奨しています。「サーフロックは解錠される可能性があるので、ベテランのサーファーはスペアキーで施錠する人が多いです」。ただ、初心者はサーフロックを求める人が多いと言います。

 関係者の中にはスペアキーでなくても、「知り合いのショップに鍵を預ける」という対策を挙げる人もいました。また、地元のサーファーは「車上荒らしにも遭わないために、現金や貴重品は『必要最低限』にしている」と話します。

 抜本的な対策があるとは言えませんが、一人一人の意識を高めることで被害を減らすことはできそうです。

関連記事

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます