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年賀状に「あの人の顔」が! 広告付きハガキに反響、掲載ルールは?
2018年用の年賀はがきのデザインが、8月末に発表されました。中でも驚きの声が多いのが、全国展開している「アパホテル」の元谷芙美子社長の顔写真が載った「広告付年賀はがき」です。誰もが広告費を払えば、顔写真入りの年賀はがきを発行できるのでしょうか。日本郵便を取材しました。
広告付年賀はがきは企業や自治体から広告費が入るため、通常より5円安い、1枚47円で販売されます。
2018年用には14種類が発売予定。それぞれ一部地域の郵便局で売られます。
例えば、東日本大震災で被災した福島県飯舘村の広告付年賀はがきは、福島県内の一部で販売。はがき下部の広告欄に描かれているのは、里山のイラストや「陽はまた昇る」のメッセージです。そのほか菓子メーカーや寺院の広告付はがきも。地元の風景や看板商品の写真が載っています。
その中でもインパクトがあるのが、東京都内の一部で30万枚発行される、アパホテルの広告付年賀はがきです。
はがきの左上に、元谷芙美子社長の顔写真と署名がカラー印刷され、思わず目を奪われます。広告欄には「アパホテル社長のお年玉年賀はがき」の文字。公式サイトで予約し、ホテルに持参すれば、1泊1室500円引きで泊まれる仕組みです。
2018年用で人の顔が正面から載っている年賀はがきは、ほかにありません。ツイッターでは「攻めてるなあ」などと反響がある一方、年賀状に個人の顔写真を載せられるのかと驚く声も出ています。
広告料を支払えば、誰もが顔写真を入れられるのでしょうか。日本郵便の広報担当者に聞きました。
ーーアパホテルの年賀はがきが、元谷社長の顔写真が載っていることもあって話題を呼んでいます。
弊社が定める広告の条件に照らし合わせて、掲載を判断させていただきました。アパホテルの社長様の写真の場合、個人の氏名を宣伝するものではないと判断しました。
ーーそれはなぜですか?
アパホテル様の広告や商品に、社長様の顔写真が、すでに広く掲載されているためです。そこで企業イメージを表現するのに必要不可欠な要素であると判断しました。
ーー個人の氏名を宣伝するのは、基本的にはNGなのですか?
その点は広告主様との調整でさまざまなケースが考えられますので、必ずNGとは言えません。ただ、もちろん公序良俗に反する内容はお断りしています。
ーーちなみに広告付年賀はがきは、長年発行されているのですか?
1981年(昭和56年)から発行しています。とはいえ広告主様ありきのものですので、毎年発行すると決まっているわけではありません。
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一方、アパホテルを取材したところ、年賀はがきに広告を出すのは今回が初めて。担当者は「年賀状を通じて日頃ご愛顧いただいているお客様へ、お年玉をプレゼントできないかと考えました」と話します。
2018年用の年賀状は、今年11月1日から販売が始まります。
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