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「まさか夏にかかるとは…」鈴木おさむさんも驚き、流行早まる感染症

RSウイルスのゆるキャラ「アルエス」と記念撮影する鈴木おさむさん
RSウイルスのゆるキャラ「アルエス」と記念撮影する鈴木おさむさん

目次

 乳幼児が初めて感染すると重い肺炎になるおそれがある「RSウイルス感染症」。秋から冬にかけて流行すると思われていますが、実は夏に感染することもあります。特に今年は7月から感染者が急増し、例年の3倍超に上ります。放送作家の鈴木おさむさんも、現在2歳の長男笑福(えふ)ちゃんが昨夏に感染して入院しました。鈴木さんは、RSウイルスについて「もっと周りに伝えてほしい」と呼びかけました。

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鈴木さん「熱の上がり方が怖く……」

長男・笑福ちゃんがRSウイルスに感染したことを語る鈴木おさむさん
長男・笑福ちゃんがRSウイルスに感染したことを語る鈴木おさむさん

 製薬会社アッヴィが東京都内で3日に開いたプレスセミナーで、鈴木さんは昨夏のことを話しました。

 RSウイルスについて、鈴木さんが初めて知ったのは、一緒に番組を手がけるスタッフの女性からでした。この女性の子どもは生後半年ほどで感染し高熱が続いたそうです。子どもが生まれた際にはRSウイルスに気をつけるようにと助言を受けていて、「僕の中ではRSウイルスはすごい認識していたんです」と振り返ります。

RSウイルスについて語る鈴木おさむさん(写真左)と、神奈川県立こども医療センターの今川智之さん
RSウイルスについて語る鈴木おさむさん(写真左)と、神奈川県立こども医療センターの今川智之さん

 鈴木さんは2015年6月に笑福ちゃんが誕生すると、1年間仕事を抑えて、育児に取り組みました。新生児や生後6カ月以内の乳児はRSウイルスに感染すると、重症化するリスクが高まることから、「最初の冬はめちゃくちゃ注意していたんですよ」(鈴木さん)。

アッヴィのRSウイルス感染症啓発キャラクター「アルエス」の登場に笑顔を見せる鈴木おさむさん(写真中央)と神奈川県立こども医療センターの今川智之さん
アッヴィのRSウイルス感染症啓発キャラクター「アルエス」の登場に笑顔を見せる鈴木おさむさん(写真中央)と神奈川県立こども医療センターの今川智之さん

 感染することなく迎えた翌年8月、1歳2カ月になった笑福ちゃんが発熱しました。最初は風邪と診断されましたが、数日経ってもなかなか熱が下がらず、ぐったりした様子で「これはおかしい」と再度受診。念のために受けた検査でRSウイルス感染症と判明。笑福ちゃんは入院し、酸素吸入も受けました。

 鈴木さんは「まさか夏にかかることはないと思っていた。色々な病気を経験したが、熱の上がり方がすごく怖くて、せきですごく苦しそうだった」と振り返ります。

RSウイルスについてもっと知ってほしいと呼びかける鈴木おさむさん
RSウイルスについてもっと知ってほしいと呼びかける鈴木おさむさん

 RSウイルスについて、鈴木さんは「周りのお母さんたちに聞いてみると意外と知らなかった」と話します。アッヴィが今年6月、2歳未満の子どもの親1800人に実施したネット調査では、RSウイルス感染症が「どのような病気か知っている」と答えたのは約4割にとどまりました。また感染が夏にもみられることを知らないと答えた親も55%に上りました。

 こうした現状から、鈴木さんは「僕は『RSウイルスに気をつけて』と色々な人に言っている。大変な思いをしたお母さんやお父さんたちも、もっと周りに伝えてほしい」と呼びかけています。

RSウイルスとは?

RSウイルス=国立感染症研究所提供
RSウイルス=国立感染症研究所提供

 そもそもRSウイルスとはどんな病気なのでしょう。RSウイルスには2歳までにほぼ100%の人が感染します。それ以降も生涯にわたって感染を繰り返しますが、健康な子どもや大人は感染しても軽い症状で気付かないことが多いそうです。

RSウイルスについて説明する神奈川県立こども医療センターの今川智之さん
RSウイルスについて説明する神奈川県立こども医療センターの今川智之さん

 神奈川県立こども医療センター感染免疫科の今川智之部長は「問題となるのは乳児が初めて感染した時」と指摘します。高熱や鼻水など風邪のような症状が出て、気管支炎や肺炎になって入院が必要なほど重症化することもあるそうです。今川さんは「乳幼児の肺炎の約半数はRSウイルスが原因といわれている」と話します。特に生後6カ月以内の乳児や呼吸器に病気がある子どもは重症化しやすい傾向があるそうです。

RSウイルス感染症の経過と予防対策
RSウイルス感染症の経過と予防対策 出典:apital|乳幼児に注意したいRSウイルスのポイント

 感染経路は主に二つ。感染者のせきやくしゃみによる飛沫(ひ・まつ)感染と、ウイルスが付着した物に触れることによる接触感染です。今川さんは「家族がウイルスを持ち込むことによる感染や、同年代の子どもが集団で過ごす保育施設内での感染が多い」と語り、手洗いの徹底や、感染が疑われる周囲の大人はマスクを着用してうつさないなど予防の重要性を指摘します。

早まる流行、夏でも感染の可能性

 RSウイルス感染症の流行のピークはこれまでは冬場でしたが、昨年は10月にピークを迎えるなど近年は徐々に早まる傾向があるそうです。特に今年は昨年を上回るペースで感染者が増えています。国立感染症研究所によると、最新の1週間(7月17日~23日)で全国約3千施設から2239人の感染報告がありました。これは過去10年間で最も多く、昨年同時期の3・5倍に上ります。

 流行が早まっている理由は、はっきりしていません。ただ今川さんは「東南アジアでは夏に流行が報告されており、日本で起きてもおかしくない。秋から冬の感染症と思っている人も多いが、夏でも感染しうることを知ってほしい」と話しています。

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