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話題の「公園内保育園」に当選!最新設備、親目線でチェックすると…
待機児童が問題化する中、政府の国家戦略特区制度を利用して生まれた「にじの森保育園」(東京都荒川区)が誕生しました。4月1日の開所式には小池百合子都知事も駆けつけるなど、肝いりの施設。建てられた場所は…なんと公園の中です。今回、幸運にも、この最先端の「ニュータイプ保育園」に子どもを預けることができました。開所式に家族で参加。カラフルで最新の設備を見学し、公園の中という保育園の長所や「気になるところ」をチェックしてきました。
「にじの森保育園」は、政府の国家戦略特区制度を利用し、「都市公園内の保育園」として国から最初に認定されました。
全国初ということで、開所式には小池百合子都知事や、松本洋平・内閣府副大臣の姿も。小池知事は「場所探しに時間を費やすよりも、発想を変えてみようということ。これを一つの象徴にして、新しい発想をもって待機児童対策に当たりたい」と話しました。
1600平方メートルを超える敷地、平屋建ての施設の屋上は一般開放もされる広場になっています。
保育園不足の背景には、用地不足によって建てられる場所が少ないという事情がありました。子どもたちの声を気にした反対運動などがあり、新たな施設の建設が難航するエリアも少なくありませんでした。今回、公園という広い敷地を保育園に使えるようにすることで、待機児童対策につなげる狙いがあります。
公園内の保育園のため外観の色は景観条例による制限があります。「にじの森保育園」は薄緑色で、落ち着いた印象です。
一方、内装は、保育園を運営する法人の自由です。保育園では「虹」と「森」をテーマにデザインされました。
保育園に足を踏み入れて、まず目に飛び込むのが自然の素材です。
広々とした空間のなかに、木の形をした本棚が置かれているほか、大きな木も植えられています。
キリン、チンパンジー、ライオンなどのぬいぐるみもあり、まるで森のなかにいるような感じです。
池をイメージした青色のゾーンには、熱帯魚の水槽も置かれています。
園内の印象は、一言で言うと「カラフル」です。
屋上の広場への階段は虹色で、そこから見える部屋ごとの壁は、それぞれ色が塗り分けられています。
子ども用のトイレの中も、青い空と白い雲の天井と壁、個室のドアの色も一つずつ違います。
デザインを担当したのは「にじの森保育園」を運営しているミルキーウェイグループ(社会福祉法人 三樹会)の代表の細野恵子さんです。
細野さんは「子どもたちが楽しく育てる、また職員たちも楽しく働ける空間」をイメージして作ったそうです。
公園内に作られた保育園ということで、地域への配慮も考えられました。
人工芝生で覆われている屋上の広場は団体予約をすれば、外部の人でも利用可能です。
1階には子育て中の地域住民、公園に遊びにくる親子向けの「子育て交流サロン」のスペースもあります。保育士から保育についてのアドバイスを受けることができます。
開所式に訪れた親の1人は「公園内での保育園は、よく許可がおりたなと思いました。交流サロンは、とてもありがたいです」と話していました。
渡辺真弓園長は「地域の方との交流会も開催する予定です。広い公園の中にあるので、トラブルになりがちだった『騒音』は問題にならないでしょう」と話します。
一方、子どもを通わせる親としては、新しいタイプの保育園ならでの気になる点も……。
一つは外からの視線です。渡辺園長は「塀がなく、ガラス張りの園舎なので、外からも視線を気にする人がいるかもしれません」と、開放的な園の特徴を挙げました。
公園は色々な人が出入りする場所です。さらに屋上も一般開放されるということで、安全面についてはどのような対策が考えられているのでしょう?
渡辺園長は「屋上は外部の人用に別の出入り口を用意しています。公園内には駐車スペースもありますので、車には特に、注意をしていきます」と話します。
「安全については万全な体勢で迎えた上で、地域の方々に子どもたちを見守ってもらえるような園にしていきたい」と期待も寄せていました。
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