• 大人でも取り入れやすそう
• ふんわり・品良く・華やかに
• あのブームから15年

　巻き髪やブランド品で華やかにきめていた「名古屋嬢」たち。大人になった彼女たちは、どんなファッションを身につけているのでしょう。その一つの答えとされるのが「ナゴヤジェンヌ」。「スリー・エイチ（ふんわり・品良く・華やかに、の頭文字）」がポイントと言われる、そのスタイルとは？

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大人でも取り入れやすそう

　11月下旬、名古屋の繁華街・栄にある松坂屋名古屋店南館。「ナゴヤジェンヌコレクション」と銘打たれた特設会場には、大人の女性たちが次々に姿を見せました。

　目につくのは、リボンに花、フリル、パールなどキラキラした飾りがポイントになっている洋服や小物類。

　こう書くと、「少女っぽい」印象を持たれるかもしれません。でも、高級感のあるベルベットやファー素材の商品や、ベージュや黒など落ち着いた色のものも多く、大人でも取り入れやすそうです。

　催事は今秋で4回目になります。婦人服担当歴5年超の棚田有紗（ありさ）さん（29）は「名古屋ではピンクなど可愛らしいアイテムの人気がとても高いのですが、そういった雰囲気の商品がブランドを超えてたくさんまとまってみられるフロアがなかったんです」と経緯を説明します。

「ナゴヤジェンヌ」テイストの商品が並ぶ催事会場＝名古屋市中区の松坂屋名古屋店 出典： 朝日新聞

ふんわり・品良く・華やかに

　エレガントでありながら、どこか可愛らしい――。独特のスタイルを「ナゴヤジェンヌ」と呼び、催事の出店ブランドを既存テナント以外にも広げると「爆発的に売り上げが伸びました」。

　中心は40歳前後の「アラフォー」世代ですが、祖母・母・娘の3世代で来る客もいて、支持層は幅広いそう。今後も「半年に1度は続けていけたら」と話します。

　出店した名古屋市千種区のショップ「ラブリー」の近藤美恵子さん（36）は、ナゴヤジェンヌの特徴は「スリー・エイチ（ふんわり・品良く・華やかに、の頭文字）です」と分析します。

かわいくて、簡単に華やかさを出せるヘアアイテムはナゴヤジェンヌの定番（Amin by w.a）

あのブームから15年

　カーディガンやワンピースなど親のお眼鏡にもかなうファッションに身を包み、巻き髪やブランド品でまとめるのが特徴とされた「名古屋嬢」が全国的な注目を集めた2000年前後からおよそ15年。当時の「お嬢様」たちは社会人、妻、母など様々な顔を持ち、仕事に家庭に、忙しく動くようになりました。

　大人になっても可愛いものが好き。慌ただしい日々の中でも身だしなみはきちんと、おしゃれを楽しみたい。でも、職場・夫・子どもの学校やママ友からの視線も意識する――。ナゴヤジェンヌは、「コンサバ」「甘め」といった名古屋嬢テイストを踏襲しつつも、大人の品格や利便性も重視する人が多い印象です。売り場では、「おリボン」「お花」「お袖」など、お客さん側も上品な言葉遣いをする人が目立ちました。

（左から）名古屋のショップ「ラブリー」の洋服やバッグ、リボンやふわふわ素材がふんだんに使われたコーディネート、名古屋のショップ「Amin by w.a」の洋服

　同じく出店していた「Amin by w.a」（名古屋市東区）の伊藤綾野（あやの）さん（33）によると、留めるだけで髪を華やかにまとめられるバナナクリップや、愛用のバッグに手軽に個性やアクセントを加えられる小物は人気の定番商品。秋冬は、ファーのバッグカバー（税抜き1万1千円など）も好評だとか。

　ハイブランド品一辺倒ではなく、お値打ちなファストファッションも取り入れる人が多いよう。「単に華やかさを『盛る』だけでなく、ライフスタイルに合わせて『引き算』もする。高い美意識と賢さを持ち合わせた方が多いです」（ラブリーの近藤さん）。

　独自のスタイルで個性を放つナゴヤジェンヌは、全国からも注目されています。両店とも、通販希望や遠方からの来店もあるそうです。

ナゴヤジェンヌとは何者か？　名古屋嬢ブームから15年…

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