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カブス「呪いの一族」の今 108年ぶり優勝 一転、幸運の象徴に
大リーグの第112回ワールドシリーズ(WS)は2日に第7戦が行われ、シカゴ・カブスが1908年以来108年ぶりに優勝を果たしました。そのWSに1945年以来71年ぶりに進出したカブスを長年悩ませて、この日解放されたのが「ヤギの呪い」です。呪いをかけた一族もヤギを連れてテレビで観戦。ファンと一緒に祝いました。
事件は1945年に起きました。カブスの本拠で行われたWS第4戦で、カブスの熱心なファンだったビリー・シアニスさんが、ペットのヤギ「マーフィー」と一緒に観戦しようとすると…「臭い」という理由で入場を拒まれたのです。
怒り心頭のビリーさんは当時のカブスのリグレー・オーナーにこう吐き捨て、球場を後にしたのです。
「them Cubs will win no more(カブスは二度と勝てない)」
ビリーさんの言葉は、現実になります。
この年、カブスは第7戦でタイガースに敗退。以降、今シーズンまで70年もの間、WSに出場することすらできなかったのです。
この間、WS進出をかけたプレーオフに進んだ年は7回ありましたが、すべて負けています。最後にワールドシリーズを制覇したのは1908年。なんと108年も前のことになります。
ビリーさんの一族は今もシカゴ市内にいます。おいの息子であるトム・シアニスさん(40)は現在、シカゴ市内にある居酒屋「ビリー・ゴート・タバーン」のオーナーの一人です。
ビリーさんが作った店を、きょうだい5人と一緒に運営しています。商売は繁盛していて、シカゴのあるイリノイ州に8店舗、ワシントンDCに1店舗あるそうです。
ヤギの「マーフィー」の一族も健在です。今もイリノイ州の隣にあるインディアナ州で飼っていて、現在は「マーフィー7世」がいるそうです。
ヤギはシアニス家にはとても大切な存在で、トムさんも「幼少のころから触れ合って育った」と話しています。
トムさんに直撃すると、世間に伝わる呪いの本当の経緯を教えてくれました。
「大叔父(ビリーさん)は実際は四回まで球場の中にいて試合を見ていたんだ。そこで周りの客から臭うと嫌がられて追い出されたんだ」
カブスは2日、第7戦を延長10回、8―7で勝利し、歴史的な瞬間を迎えました。108年ぶりに優勝し、ついに呪いを解いたのです。
トムさんはこの日、シカゴ市内の店舗で、約200人の客とともにカブスの勝利を見届けたそうです。観戦中のお供にと、ヤギを店内に入れて記念撮影したりして、盛り上がったそうです。
そして感慨深げに言いました。
「これで呪いは解かれた。これからヤギはカブスにとって幸運な存在になるだろう」
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