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中国共産党が初CM「ずっとあなたと一緒」 文芸風?さっそくネタ化
中国共産党が95年の歴史の中で、初めてのテレビCMを作り、ネット上で早速「ネタ化」されています。日本やアメリカでは、政党がテレビCMを出すことは珍しくありませんが、事実上、選挙のない一党独裁の中国共産党が作るCMとはいったいどんな内容なのでしょうか?
CMの登場人物は6人の一般共産党員です。職業は、清掃員・教師・交通警察・医師・隣のお兄さん・村の幹部で、6つの場面で構成されています。
【場面1】教師らしき女性が、黒板を綺麗に拭き、窓を締め、ドアを閉める。
【場面2】まだ暗い早朝、女性の清掃員が街を掃除しはじめる。
【場面3】病院で手術を終えた医師が、廊下の隅で仮眠を取る。
【場面4】大雨に打たれながらも、交通警察の警官が交通整理をする。
【場面5】隣のお兄さんが子どもたちのために街灯の電球を交換する。
【場面6】風雨のなか、港町の村幹部が漁民の船を一生懸命固定する。
CMのテーマは「ずっとあなたと一緒」です。
映像の一緒に文芸風な台詞が語られます。
「私は誰?私はどんな人? 多分、あなた考えたことがなかっただろう」
「私は最も遅く帰る人。私は最も早く仕事をする人」
「私は自分のことを最も少なく考える人。私は最後まで堅持する人」
「私は最も速く行動する人。私はみんなのことを最も思う人」
「私は、中国共産党。ずっとあなたと一緒にいます」
「人民網」「新華網」など、大手メディアでは「ネットユーザーが感動した」「ファンになっちゃった」と紹介されましたが、実際には様々な反応が出ているようです。
中国版ツイッター「微博」の現地メディアのアカウント「中国日報」には、千をこえるコメントが寄せられました。コメントに対する「いいね」が多い投稿を見てみると……。
中には、「CMのマイナスな点ばかり見ないで」という擁護の声もありました。
ただ、全体を見ると「いいね」が多かったのは、批判的な投稿でした。
中国では、汚職官僚や態度のよくない公務員、行政サービスの効率の悪さなどがSNS上に投稿され、拡散されるケースが少なくありません。
政府や公務員に対するマイナスイメージが強い中、「文芸風」のCMが現れたことで、「きれいごとの宣伝にすぎない」「一緒にいたくない」というような反応を招いてしまったようです。中には「反腐敗運動で失脚した高級党幹部らを主演にすべきだ」という意見まで投稿されてしましました。
一方で、中国共産党も、習近平政権が反腐敗運動に力を入れるなど、人々の不満を深刻に受け止めた対応を取っています。市民の中には、アラブの春の後の中東の混迷や、イラクやシリアの現状を見て、安定した社会の大切さを感じる人がいるのも事実です。
ネット上で多様な意見が表に出やすくなった時代。中国共産党も、CMで自らの立場・正当性を強調しなければならない時代になったようです。そう考えると、ネットでの「ネタ化」されたことは、まさに中国共産党がCMを作った理由の一つだと考えることもできそうです。
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