お金と仕事
合コン2千回「女王」に学ぶ就活 「集団面接は張り合うな」
「合コンのテクニックのほとんど全てが、就職面接就職面接で生かせます」。そう豪語するのは、合コンを2千回以上繰り広げた日本合コン協会会長の絵音さん(32)です。集団面接で失敗しないコツや個性をいかすポジショニングの取り方を聞きました。
――自分のことを熱く伝えようとすると、自慢話になってしまいがちですよね。
「これは本当によくありますね。『合コンじゃなくて講演会だったね』と、女子の反省会で言われる残念なパターンですね」
「このワナは、自分の実績や成果を会話の結論に持ってくるからダメなんです。聞いている方は結論が自慢だととしらけてしまいます。会話の途中に実績や成果を挟みつつ、それを踏まえて、いま興味があることや頑張っていること、今後やりたいと思っていることなどを結論に持ってくれば、自慢話には聞こえずに、経験を伝えることができますし、次の会話につながります。大学時代にがんばったことを踏まえつつ、御社でやりたいことにつなげていけば、相手も『なるほど』となるのではないでしょうか」
――合コンは一体感が大事と説いていますね。面接ではグループディスカッションなど集団で話す場もあります。目立つことが苦手な人はどうすればいいでしょうか。
「無理に張り合わないことですね」
「会話の中心にいて引っ張っていくような人は必要です。ただ、全員が『俺が俺が』という感じだと、場の一体感は破綻(はたん)します。うまく会話に入れないようなタイプの人はいいタイミングでうなずいたり、『そうですね』と相づちを打ったり、一体感を損なわないようなフォロー役に回るのがいいでしょう。そういう人も貴重な存在だし、また会いたいなと思ってくれる人はいます」
「企業だって全員がスタープレーヤーになりたがりだったら、うまくいかないでしょう。組織は目立つ人だけを必要としているわけではありません。いろいろな個性を採用したいと思っています。業務遂行の上で役割分担は大事です」
「一方で、自分の意見をどんどん言える人は、あまり意見を言わない人にも、会話の水を向けるように心がけることです。周囲の人はあなたの話を『うん、うん』と聞いているように見えても、会話の内容なんてたいして気にしていないものです。初対面の人に『すごさ』を強調しても、好印象は与えません。それよりも気遣いや視野の広さをアピールした方が、また会いたいなと思われます」
――見た目はどうでしょうか?
「見た目は印象を決める大きな要素です。絶対条件は清潔感。最低条件は個性を主張しようとして悪目立ちしないことですね。合コンではハンカチを持っていることをすすめます。飲み物や食べ物がこぼれたとき、さりげなくハンカチを出してくれたら、さりげなく優しさと育ちの良さをアピールできます」
「就活はみんなリクルートスーツを着て、外見は没個性的になりがちですが、目立つネクタイや化粧や髪形の盛り方などで個性を伝えるのではなくて、靴がキレイとか、爪をちゃんと切っているとか、普段どんな感じかがわかるちょっとした心がけがアピールにつながるのではないでしょうか」
「テクニカルなことを言えば、前髪は上げた方がいいですね。前髪を上げて額が見えると明るくて自信があるような印象をもたらします。逆に、前髪で見える顔の面積が少ないと、何か隠しているような印象を受けます」
「履歴書の顔写真も注意。合コンでは事前に幹事同士が写メを送りあうことがありますが、相手の外見が実際会ったときに残念なことになると、いきなりマイナススタートです。こういう『下げギャップ』からのスタートとなると、評価を上げるのは難しい。逆に『思ったよりいいじゃん』という印象から始まる『上げギャップ』はアドバンテージになります」
「今回は集団の中で埋没しないための個性の出し方についてお話ししました。最終回は失敗しない次へのつなげ方とステキなご縁の見つけ方についてお話しします」
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絵音(えのん) タレント、合コンシェルジュ(合コン専門家)。グラビアアイドル時代の1千回の合コン経験を経て、09年、合コンセッティング業「ビッグリボン」(現在は恋愛などの記事コンテンツを配信するWEBメディア業)を設立。12年5月8日の「コンパの日」に一般社団法人日本合コン協会を設立。現在は同社社長と同協会会長を兼務。主な著書に「結婚につながる恋のはじめかた」(扶桑社)、「『急に熱が出た』と言いだす女の本音」(主婦の友社)、「合コン女王が教える2時間で女ゴコロをつかむ技術」(イースト・プレス)など。プライベートでは合コンで知り合った一般男性と6年の交際を経て14年に結婚した。32歳
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