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扉の上から座席が降りてくる! 京阪電車5000系の動画に驚きの声

誰も乗っていない電車の内部。乗り降り用の扉の上から何かがゆっくり降りてきます。よく見ると「座席」です。

5000系の扉部分に座席が降りてくる様子
5000系の扉部分に座席が降りてくる様子 出典: 京阪電車提供

目次

 誰も乗っていない電車の内部。乗り降り用の扉の上から何かがゆっくり降りてきます。よく見ると「座席」です。下まで完全に降りると、何事もなかったように長いすが並んだ光景に――。京阪電車がツイッターで公開した29秒の動画。地元の人や鉄道好きなら知っている5000系を撮影したものです。初めて見た人たちからは「びっくりした」「一度乗って見たい」といった声が上がっています。どんな理由で導入されたのか? 今も現役なのか? 京阪電車の広報担当者に聞きました。

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導入のきっかけは


 京阪電車によると、5000系が登場したのは1970年(昭和45年)。高度経済成長で京阪沿線の住宅開発が進み、混雑緩和が急務となっていたころでした。

 電車を増発するためには、停車時間を短縮することが必要です。そのために、扉の数を通常の片側3つから5つに増やしたのが5000系でした。

 単純に扉を増やすだけでは座席が減ってしまい、昼間などは乗客の利便性が低下します。そこで5つの扉のうち2つに昇降式の座席を設置。ラッシュ時以外は扉を3つにして座席を増やす仕組みにしました。

現在も現役の5000系
現在も現役の5000系 出典: 京阪電車提供

ツイッターで話題に


 3月下旬に、京阪電車のツイッター公式アカウントが、「とっておきの動画をどうぞ。(たぶん)世界で唯一、座席が昇降する5000系」というコメントとともに動画を投稿すると鉄道好きな人が喜んだだけでなく、初めて見た人からは驚きの声が上がりました。

 「これ、本当に好き」
 「まだまだ現役で運行してほしい」
 「スゴイ!こんな電車あるんですね!」
 「イスが上から降りてきてびっくりしました」
 「ワクワクする意味で落ち着かない座席」

運用開始当初の5000系の内部
運用開始当初の5000系の内部 出典: 京阪電車提供

広報担当者に聞きました


 現在の運行状況について、京阪電車の広報担当者に話を聞きました。

 ――5000系は現役なのでしょうか

 「現在も現役で活躍しています。昭和45年から営業運転を開始し、7両編成で7編成なので49両在籍しております。もちろん座席の昇降も実施しております」

 ――座席の昇降以外にも特徴は

 「京阪初のアルミボディで、当時の鋼鉄製の従来車と比較すると1両あたり4トンほど軽いので高速運転が可能になり、電力の削減にも寄与しました。また、当時の記録によると、扉の数が増えたことで乗降に要する時間が約30%短くなったとあります」

 ――5つの扉のうち2つが白い扉になっています

 「白い扉のところが座席が昇降します。残り3カ所は常に開閉しているので、わかりやすいように色を変えています」

運用開始当初の5000系
運用開始当初の5000系 出典: 京阪電車提供

乗客からの反応は


 ――昇降はどのように操作するのでしょうか

 「両端の運転台のスイッチを同時に操作することで昇降するシステムになっております。安全対策上、必ず同時に操作しないと動かない仕組みにしています」

 ――乗客からの反応は

 「駅で座席を昇降させる時に、立ち止まって見ているお客さまをよく見かけます」

 ――これからの運用方法は

 「現在と同じ運用を続けていく予定です。今までのように、お客さまが多い時間帯には5扉で、閑散時は3扉で座席スペースも確保します。みなさまから必要とされ続ける限り、しっかりとメンテナンスして走らせます」

 ――同様の車両を増産する予定は

 「5000系のような車両の増産は予定していません。同車両の新造時から列車ダイヤや車両運用の変更、車両の改造を実施するなどして混雑率の低下に努めた結果、現在の体制で十分対応できるためです。京阪電車では、環境への配慮やバリアフリーへの対応、安全性の向上に主眼を置いて開発された新型車両13000系を順次導入しています」

3000系特急車両内のテレビ。「テレビカー」として知られていた
3000系特急車両内のテレビ。「テレビカー」として知られていた 出典: 京阪電車提供

座席自動転換装置も話題に


 ――今回、ツイッターに動画を上げた理由を教えて下さい

 「当社宣伝担当のアカウントに8000系特急車両の『座席自動転換装置』の動画を投稿したのがきっかけです。これを受けて、一般のツイッターユーザーから5000系の座席昇降の動画のリクエストがあったんです。座席自動転換装置は1971年7月運用開始の3000系特急車両に採用された、世界初の仕組みです」



 ――利用してみたい人向けにメッセージをお願いします。

 「昭和45年から活躍しており、現在でも多くのお客さまに安全・安心にご乗車いただいています。鉄道愛好家の方にも人気があり、現在は5000系車両の運転開始45周年を記念してヘッドマークを掲出し、『京阪電車ペンケース5000系』も発売しております。5000系車両だけではなく、有料特急プレミアムカー(仮称)の導入も予定しているので、楽しみにしていただければと思います」

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